【FGO・ss】ぐだ男「おうち帰る」 マシュ「は?」

1: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 20:38:33.43 ID:YVD9GEze0

私は悲しい……また槍王が出なかった。そしてカルナが来た。
こんなことがあっていいのか!

ちくしょう!

という気分で書きます。よろしくお願いします
 





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3: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 20:46:39.06 ID:YVD9GEze0

マシュ(突然先輩が私の部屋に来たと思ったら唐突に『おうち帰る』と告げられた)

マシュ「えっ……おうちって……えっ? 帰宅? 何故突然!?」ガビーンッ

ぐだ男「いや別に突然でもなくって。ダヴィンチちゃんには一か月前に申請してたんだけど」

ダヴィンチ「バッチリ許可出したよー。ガッツリ一週間くらい家に帰すよー!」グッ

マシュ「ええっ!? な、聞いてないです!」

ぐだ男「言ってないからね! だって連れてく気さらさらないもの」

マシュ「何故!?」

ぐだ男「危険とかないし、逆に言うとただの退屈な家に帰るだけだし……」

マシュ「わ、私も一緒に……!」

ダヴィンチ「ん? いやマシュはダメだよ。申請してないし」

ダヴィンチ(いや申請したとして彼女って外に出していいんだっけ? ロマニに任せっきりだったからなー)

マシュ「」

ぐだ男「そういうことで俺がいない間のカルデアは任せたぞ! マシュ!」

マシュ「」

ぐだ男「信じてるからな!」グッ

マシュ「……」

マシュ「……ハイ、ゴキタイニ、ソエルヨウ、ガンバリマシュ」ガクガク

ダヴィンチ(いとかなし、という趣だねえ)


4: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 20:54:08.03 ID:YVD9GEze0

マシュ(ぐ……確かに危険が何もないのなら私がついていく理由はなにも……)

マシュ(いやそもそもサーヴァントの力が使えないのだから危険があったとしても行けない!)

マシュ(わかる。凄くわかるのですけれども。単純に誘われなかったのが、なんというか……!)

BB「えー。またハッキングですかー? 最近多いですよねー、こういうの」

マシュ「んっ?」

マシュ(BBさんの声……?)

エリザ「またって何よ。私が一番乗りじゃないの?」

BB「実はあなたで四人目くらいなんですよねー。マスターについていく申請と許可の偽造を頼んだの」

マシュ「!?!?」

エリザ「そ。まあ別にいいわ。確かに他の連中が無理やりついていくことに関しては想定内だったし」

エリザ「で? 他の三人って誰なの?」

BB「デオンくんちゃんさん、巌窟王さん、ジャックさんですね」

BB「巌窟王の人のみは間違って才囚学園へ送っちゃいましたけど」

マシュ(作品が違う!)ガビーンッ!


5: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 21:00:53.20 ID:YVD9GEze0

BB「報酬は……そうですね。最低でもこれくらいは必要かと」

マシュ(そう言いながらBBさんは指を三本立てた)

マシュ(さ、三百万……ドルでしょうか? いや、円? 髪の色は変ですが、どうやら日系ですし)

エリザ「面の皮の厚いヤツね。一度ハラワタブチ晒してやろうかしら」

BB「そういう減らず口はもう飽き飽きですので。どうします?」

エリザ「ちっ……やるわよ。やればいいんでしょ。ほら」バリッ

マシュ(バリッ?)

エリザ「ピノ三個……! 半分も……うう……!」

マシュ(って報酬ピノ!? 安ゥッ)ガビーンッ!


6: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 21:06:33.80 ID:YVD9GEze0

BB「あ。当然星があったらそれを頂きますので」

エリザ「鬼ィ! 悪魔ァ! 腹黒ヒロイン! 非処女!」エグエグ

BB「原作の話は本当やめて。じゃあちょいちょいと申請と許可を偽造しますので。あとは適当に頑張ってください」

エリザ「うわーん!」ダッ

マシュ「……」

マシュ(申請と許可の……偽造?)

マシュ(本来なら咎めるべきですが……!)

BB「見ちゃいましたね?」ヌゥッ

マシュ「ぴいっ!?」ビクッ!

BB「あなたの分も通しておくので、それで見逃してくださいな」

BB「口止め料ってことで」

マシュ「……」

マシュ「お、お願い……します……!」


8: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 21:17:02.92 ID:YVD9GEze0

BBの日記
今日は色んな人から仕事を頼まれて大忙し!
暇だったので多大な報酬と引き換えに、どんどんハッキングしちゃいました!
ふぅー! 脳無し共がぞろぞろと、本っ当にイライラさせられます。ちょっと手が滑って巌窟王さんのみ別のところに送っちゃいました☆

……どうしよう。これ。流石に怒られるかな……ていうか元に戻せるんですかね……。

最終的にデオンくんちゃんさん、マシュさん、エリザさん、ジャックさん、茨木童子さんがついていくことになったようです。

はてさて、どうなることやら!


9: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 21:30:25.69 ID:YVD9GEze0

次の日

ぐだ男「さてと……そろそろ行こうか」

ぐだ男「久しぶりの実家だ。羽伸ばそう」ガラガラガラ

マシュ「……」コソコソ

デオン「……」コソコソ

エリザ「……」コソコソ

ジャック「……」コソコソ

茨木「……」コソコソ

ダヴィンチ(んー。あんなに大量に外出許可出したっけなー)

ダヴィンチ(ま、いっか)

ダヴィンチ「下山はうちのスタッフに任せてー! 車で空港まで送るから!」

ぐだ男「はーい」

デオン「我々はマスターとは別の車に乗って下山するぞ? OK?」

エリザ「OK!」

ジャック「じゃがりこ食べたい」

茨木「持ってきておるぞ。備えあれば憂いなしというヤツよな」

マシュ(偽造とは言え、申請と許可は通っているのに何故隠れて……)

マシュ(……いや私もまだ顔を見せられない、とは思いますけど。期待にそえるよう頑張るとか言ってこの体たらくですし)


10: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 21:39:22.78 ID:YVD9GEze0

飛行機の中

ぐだ男「うう……微妙にきもちわるい。酔ったかな……」ガクガク



飛行機の後ろの方


茨木「びーふ! おあ! ちきん!」

茨木「違うな。間違った。びーふ! あんど! ちきんよ! どっちも持って来い、きゃはは!」

ジャック「ねぇー。マシュー。あのCAって解体していいCA?」

デオン「機内上映というのはこれで見るのか?」

エリザ「何よコレ。シャフトの作品しか入ってないわよ」

マシュ「品揃え悪っ……いやある意味で品揃えはいいんですかね!?」


11: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 21:54:00.50 ID:YVD9GEze0

日本の空港

ぐだ男「ついた……ああ、凄い! 右見ても日本人、左見ても日本人!」

ぐだ男「あとなんか空気が懐かしい! 完全に現代の日本だ!」

ぐだ男「おっと。ベルトコンベアから荷物受け取らないと。ええっと俺のキャリーケースは……」

キャリーケース「」ウィンウィン

ぐだ男「あ、来た来た。タグも間違いなく俺の……?」

ラウンドシールド「」ウィンウィン

骨刀「」ウィンウィン

羽根付き帽子「」ウィンウィン

血塗れのマイクセット「」ウィンウィン

CAの服を着せられた肉塊「」ウィンウィン

ぐだ男「」


12: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 22:03:24.36 ID:YVD9GEze0

マシュ「あっ! あれ! 私たちの荷物ですよ! 早く受け取らないと!」

茨木「うおおおおお! 勝手に吾の荷物を運ぶなーーー!」

デオン「あ。羽がちょっとほつれてる……」

エリザ「衣装の管理はもうちょっと丁寧にやりなさい……ってマイクセットが血塗れになってる! なんで!?」

ジャック「あ、ごめん。私たちのだね。ちゃんとCAの制服で包んだんだけど」

マシュ「解体しちゃダメって言ったのに!」

デオン「いや。これは未調理のチキンだね。気に入ったのかい?」

ジャック「うん! あとでおかあさんに食べさせてあげるの!」

エリザ「どっちにしろ盗難だから犯罪なのは変わらないけどね」

ぐだ男「」

五騎「あっ」


14: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 22:16:49.92 ID:YVD9GEze0

エリザ「来ちゃった(はぁと)」ウインクッ

ぐだ男「来ちゃった!?」ガビーンッ!

デオン「マスター。こんな話がある。あるフランスのスパイがロシアから帰国するときに、急ぎ過ぎて馬車で事故って足を折ったんだが」

ぐだ男「お前の話だそれはッ! そして多分関係ない話だ!」

ジャック「おかあさん! チキン! おいしかったの! 食べて!」

ぐだ男「気持ちは嬉しいけどこっそり返してきなさい!」

茨木「なあ汝ー。あそこで売られてるお土産買ってー」

ぐだ男「イバラギンに至ってはもう弁解を諦めてるしッ!」

マシュ「……」

ぐだ男「マシュ……」

マシュ「その……あれ、あの……」

マシュ「……ごめんなさい。BBさんに買収されました」

ぐだ男「BBィーーーッ!」


15: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 22:28:07.53 ID:YVD9GEze0

ぐだ男「五人だけか? 五人だけだと言ってくれ。これ以上は絶対にダメだ」

ぐだ男「現時点でも限界超えてるけどな!」

デオン「ダンテス氏も来たがっていたようだが、なにか失敗したらしいな」

エリザ「ええ。ここにいるのは五人だけよ」

ジャック「失敗?」

マシュ「まあそれはいいでしょう。先輩! 大丈夫です! 私たちは私たちでホテル取ってますので!」

マシュ「まさか先輩の家に押し入ったりはしません!」

ぐだ男「よ、よかった。そうだよな! 流石にマシュは常識を弁えてる! 偉い!」

茨木「なんだこの小倉トーストラングドシャというお菓子はーーー! ありえないほど美味いぞ!」モシャアア!

ぐだ男「ここ羽田なのになんで名古屋土産が!?」

エリザ「あっ! アイツ私たちの共用財布使ってない!?」

デオン「本当だ。いつの間に」

ジャック「ずるいー」

ぐだ男「ああもう滅茶苦茶だよ!」

マシュ「本当にすいません!」


16: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/01(金) 22:36:16.24 ID:YVD9GEze0

BBの日記
マスターからクレームが来ました。どうやら無事にあの五人はマスターと合流できたようです。
はてさて、どうなることやら。あのホテルにはちょっとした細工をしたので、実はそうそう話は上手く転がらないんですよねー。

……そういえば巌窟王さんからも連絡来ました。写真付きで。

才囚学園で生徒たちと一緒に脱出に向けて戦っているようです。何やってんですかあなた。


23: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 09:16:44.46 ID:dSpFeBJp0

近場のカフェ

茨木「吾は知っている。なんでも知っているぞ?」

茨木「なんでもこういう店には『ぱふぇ』なる巨大な菓子があるのだろう?」

茨木「クリーム! チョコ! アイス! なんかカリカリしたヤツ! 水菓子その他色々と盛り合わせたアレ!」

茨木「なんだアレは! あんなものがこの世にあっていいのか! キメラテック・オーバー・ドラゴンだってまだ大人しいぞ!」

茨木「というわけで吾はアレに勝負を挑んでみたいのだが、どうか!?」

デオン「また今度にしろ」

エリザ「ウェイター。BLTサンドとミルクちょうだーい」

ジャック「チキン南蛮サンド!」

ぐだ男「マシュは?」

マシュ「あ、えーと私は……カツサンドで」

ぐだ男「……まさか日本のカフェでサーヴァントたちと一緒に食事とることになろうとは」

マシュ「ごめんなさい」

ぐだ男「いや。いい。来てくれたのならそれはそれで嬉しいし」

ぐだ男「でも何で来たの? 観光?」

マシュ「先輩についてきたかったからです」

ぐだ男「特に見どころのある場所に住んではいないんだけど……」

デオン(女心がわかってないな)

エリザ(男か女かハッキリしてないヤツに女心説かれても……)

茨木(パフェ食べたかったなぁ)グスン


24: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 09:30:11.28 ID:dSpFeBJp0

ぐだ男「ま、いいや。サーヴァントが一緒に来ちゃった以上、マスターとしてそれなりに世話焼かないと」

茨木「その世話を焼くの中には『偉大なる茨木童子にぱふぇを献上する』というのも含まれていると思うのだが!?」

ぐだ男「含まれてないです」

茨木「ちくせう」

ぐだ男「そういえばお前、角はどうした」

茨木「ん? そんなものAランク変化で既に隠したわ。普通の人間が吾を見たらSAN値チェックものだろう?」

ぐだ男(そういえばハロウィンでもそんなことしてたような……)

エリザ「私は隠してないけどね。ギリギリ『コスプレです』で通ったわ」

ジャック「ペーパーナイフですで通ったよ」ギャランッ

ぐだ男「ナイフ出しちゃダメ……」

ジャック「はーい」

マシュ「すみません。せっかくの休日を」

ぐだ男「いいって。休暇の内容が変わっただけだ」


25: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 09:44:11.69 ID:dSpFeBJp0

ぐだ男「ところで、取ったホテルってどこ?」

エリザ「地図で見たらそこまで離れてないはずだけど」

デオン「あれだな。事前に写真で見た。ほら、窓から見えるアレだよ」

ぐだ男「でかいな。資金不足に喘いでるって話だったはずじゃ」

マシュ「コネがあったそうで安くできるそうです」

エリザ「まあ? 超一流アイドルの私としてはアレでも不足しているくらいなんだけど――」


ドカァァァァンッ!


ぐだ男「爆発したぞ」

エリザ「人生初のスイートルームがーーーッ!」ガビーンッ!

デオン「楽しみにしてたんじゃないか」

マシュ「……えっ。ていうか爆発? えっ、えっ!?」


26: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 09:49:34.23 ID:dSpFeBJp0

ホテル

従業員「申し訳ございませんお客様。どうやらスイートルームが悪意のある誰かに爆破されたようでして……」

ぐだ男「……桜の臭いが酷いな。なんだこれ」

従業員「火薬に芳香剤が仕込まれていたようです。おそらくすぐに散ると思われますが」

マシュ「桜……? 桜……」

エリザ「まったくふざけたヤツね! 誰よ、私のスイートルームを爆破したのは!」プンプン

デオン(どう考えてもBBだろ)

ぐだ男(わかりやすく署名してやがる……)

マシュ(タイミング的にもジャストすぎますしね……)


27: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 10:02:19.43 ID:dSpFeBJp0

従業員「破壊されたのは一部屋だけでしたので、四名様ならばまだ受け入れることはできるのですが」

従業員「残念なことに、五名様の内の一人は……」

デオン「空きがないからあぶれる、か?」

従業員「ええ。一室も空きがありませんので」

エリザ「えっ。待って。それって何? 普通の部屋や馬小屋すら空いてないっての?」

従業員「さようでございます」

ぐだ男「というかそもそも営業そのものを続行できるんですか?」

従業員「かなり前にはホテルが丸ごと爆破されたこともありますので、慣れっこでございます」

マシュ「ホテル丸ごと!?」ガビーンッ

茨木「どうでもよいわ。さっさと話を纏めよ」

ジャック「誰が仲間はずれになる? ついでに、その一人は宿をどうするの?」

五騎「……」ジーッ

ぐだ男(す、すごい見られてるぅーっ……!)


28: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 10:20:15.02 ID:dSpFeBJp0

ぐだ男「……一人くらいなら俺の家に受け入れるよ」

五騎「!」

ジャック「ねえみんな。聞いた?」

茨木「くっはははははは! 聞いた。聞いたぞ! 聞いておるぞ?」

茨木「なんでも現代日本のおもてなしというものは、すぷらとぅーんをやりながら炬燵に入りお菓子を貪る退廃の極みなものらしいではないか!」

茨木「興味があるぞ? 絶対に行くぞ?」

ぐだ男(この時期に炬燵に入ったら蒸し殺しにされるけどな)

エリザ「じゃんけんね。勝ったヤツがコイツの家に行くってことで。安心して? 一週間あるから順番で全員行けるでしょう」

デオン「代わりばんこ制なのか……いいだろう。やるか」

マシュ「恨みっこなし、ですよ!」


じゃーんけーん!


34: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 14:35:05.33 ID:dSpFeBJp0

その後

茨木「くはははははは! 吾の! ストレート勝ちよ!」

エリザ「一回で全員負けたわね」

デオン「なんで全員パーを出してしまったんだ……」

マシュ「こればっかりは運ですので……」

ジャック「ざーんねん。じゃあまた今度ね。おかあさん」

ぐだ男「うん。じゃあえっと……茨木はうちで引き取るからな」

ぐだ男「で。宿はこれでいいとして、観光の方はどうする? 助けは必要か?」

デオン「それなんだが、予定が変わってしまったからね。観光の方に関してマスターは一切ノータッチでいい」

ぐだ男「えっ? なんで?」

デオン「色々事情があるからね」

エリザ「ちょっとちょっと。何勝手に話進めてるのよ」


35: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 14:41:57.81 ID:dSpFeBJp0

デオン「よく考えろ。考えようによってはこれはチャンスだ」ヒソヒソ

デオン「我々は一人ずつ確実にマスターの家へと潜り込める」ヒソヒソ

エリザ「それはそうだけど、観光のときもできれば一緒にいたいわよ。楽しいし」ヒソヒソ

デオン「私だってそうだが……よく考えろ。私たちの観光についてくる必要のないマスターは傍に誰もいないフリー状態だ」

デオン「つまり、二人きりになれるチャンスが増えるということだ」

エリザ「あっ」

デオン「対して、観光のときにまで私たちの傍についている、ということになったら……」

ジャック「カルデアと何も変わらないよねー。賑やかなパーティ、ちんどんしゃん」

エリザ「それは……考えてみれば、確かに里帰りについてきた意味がないわね……」

デオン「というわけで観光に関し、彼は何もしないでいただこう」

デオン「そして私たちは順番が回ってきたとき、存分に二人きりの状態を利用して彼と遊べばいい」

マシュ(ふ、二人きりで……)

エリザ「ところでこの後輩、さっきから顔真っ赤にして一言も喋ってないわよ」

デオン「ふっ。気が早い。他に質問は?」

エリザ「なし」

デオン「作戦会議終了! 解散!」


36: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 14:49:25.76 ID:dSpFeBJp0

デオン「話はまとまった。私たちは問題はない。こっちはこっちで観光を楽しむさ」

ぐだ男「そうか?」

デオン「茨木。キミの荷物はこっちで預かろう。私の部屋に放り込んでおく」

茨木「よかろう。かさばるものやお土産は貴様に預ける。丁重に扱えよ?」

エリザ「で。次は誰の番にするの?」

マシュ「後でまたじゃんけんして決めましょうか」

ジャック「何して遊ぶー?」

マシュ「……え、と。それじゃあ、先輩。また明日……」

ぐだ男「おう。休日、存分に楽しんでこい」

マシュ「はい!」


37: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 15:07:24.65 ID:dSpFeBJp0

ぐだ男「……うん。家族にも話は通したよ。友達連れていくってことになった」

ぐだ男「先に言えって怒られたけど」

茨木「なるほど。友達か。よし」ゴソゴソ

ぐだ男「ん?」

茨木「その一、天真爛漫乙女。その二、クールビューティ優等生。その三、ほわほわ系おっとり少女。どれがいい?」

ぐだ男「何が!?」

茨木「一応これでも渡辺綱を騙せる程度には演技力に自信はある。汝の家族を相手に角を立てたくないしの」

ぐだ男(そういえばコイツ、気配りとかするタイプの鬼だった……)

茨木「ひとまず汝の家族の前ではそれなりに猫を被る。汝も面喰ったりするなよ?」

ぐだ男「よ、よろしくお願いします」

茨木「莫迦め。吾の方が客なのだ。それはこちらの台詞であろう」

ぐだ男(真面目だ……!)


45: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 19:35:47.33 ID:dSpFeBJp0

茨木「よし。行くぞ。案内するがいい」

ぐだ男「ああ」

茨木「ところで汝の家には何がある? すうぃっちか? ぴーえすふぉーか?」

ぐだ男「一応PS4はあるけど……」

茨木「くっは! 胸が高鳴るわ!」

ぐだ男(小学生男子かよ)

茨木「事前に調べた限りでは新宿を経由して行くのであろう?」

茨木「新宿……一度迷ったが最後よな。前の特異点では散々な目に遭った」

ぐだ男「ああ、そっか。一度来たことはあったな」

茨木「然り。故に吾はもう油断はしない」

茨木「ほれ」

ぐだ男「ん?」

茨木「手を繋げ。それが一番わかりやすいであろう」

茨木「せいぜい吾をえすこぉーとしろ?」ニヤニヤ

ぐだ男「……了解」


46: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 19:48:03.24 ID:dSpFeBJp0

新宿

ぐだ男「ここまで来ればもう乗り換えはしない。あとは一直線だ」

茨木「ふむ……やはり特異点とは違うな。ここは。まともに人がうじゃうじゃいよる」

ぐだ男「……そうだな。俺たちが特異点で暴れ回ったお陰だ」

茨木「くはは。いやここまでくると壮観至極。酒呑が一緒ならドーンってやってたな。ドーンって!」

ぐだ男「やめてくれ……あ。そういえばお前、酒呑童子連れてこなかったんだな?」

茨木「誘いはしたが、来なかったのだ。『でぇとと日にち被っとんなぁ。ごめんなぁ』って」

ぐだ男(多分金時関係の予定と被ってたんだろうけど、まともなデートじゃないんだろうな……)

茨木「む。そうだ。土産にTOKI●のサインを強請られたのだ。TOKI●とはどこにいるのだ?」

ぐだ男「そうそう簡単に会えないんじゃないかな……」


47: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 19:58:30.40 ID:dSpFeBJp0

ぐだ男の故郷

茨木「きゃはは! ついた! ついたぞ! ついた……けど……」

茨木「本当に何もないな。実は埼玉だったりしないか?」

ぐだ男「しないしない。本当に俺の故郷です」

茨木「ま、よいわ。吾の目的は主に汝の家だからな」

ぐだ男「何も無いから大したおもてなしはできないけど……」

茨木「ううん! 『私』、『あなた』の家がとっても楽しみなんです!」キラキラキラ!

ぐだ男「はぎゃっ!?」ガビーンッ!

茨木「私……ずっと見てみたかったんです。あなたの生まれ育った町。生まれ育った家……家族……」

茨木「ずっと一緒だったんです。興味を持つなって方が無理ですよ!」キラキラキラ

ぐだ男「ごめん! 先に言うべきだった! お前の口調は『方言』で通すから演技をやめてくれ!」

ぐだ男「すげぇ気持ち悪い!」ガタガタ

茨木「ちっ」


48: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 20:10:28.56 ID:dSpFeBJp0

ぐだ男宅

ぐだ男「……ああ。俺の家だ」

茨木「マンションか。一軒家を想像していたが」

ぐだ男「本当パッとしない家だけど、それでいいならあがっていってくれ」

ぐだ男「……なんか今更だけど、人類史救ってよかったなぁ」

茨木「……ん? お? おい。マスター」

ぐだ男「何?」

茨木「超低級だが地縛霊がいるぞ。多分あの一番上の角っこの部屋だ」

ぐだ男「後でこっそり祓おう! それ俺の家だ!」ガビーンッ

茨木「事故物件か……酔狂よなぁ」


49: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 20:24:59.59 ID:dSpFeBJp0

茨木「そういえば汝の家には今、誰がいるのだ?」

ぐだ男「お母さんがいるはずだよ。お父さんは仕事中」

ガチャリンコ

ぐだ男「ただいまー! 一年ぶりに帰ってきたよー!」

ドヨォォォォン

ぐだ男「湿気ぎゃあ!」

茨木「カビ臭っ! 何事だ!?」

母「ああ……お、おかえりーーー……」ガタガタ

ぐだ男「……」

茨木「あそこで這いつくばっている貞子はなんだ? 駆除していいのか?」

ぐだ男「俺の母さんだよッ! 貞子になってるけど!」ガビーンッ!

母「ぐはぁっ」ビシャッ

茨木「御母堂、吐血したぞ」

ぐだ男「母さーーーんッ!」ガビビーンッ!


50: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 20:30:15.76 ID:dSpFeBJp0

茨木「ああ。なんだ。何が起こっているのかと思えば、吾の妖気にあてられて地縛霊が強化されてしまったようだ」

ぐだ男「霊障か! 茨木、祓うぞ!」

茨木「心得た」

地縛霊「お前もろう人形にしてやろうかァーーーッ!」

茨木「アンパーンチ」バキッ

地縛霊「ぎゃばんっ」ブシュウ

茨木「除霊完了よ」

ぐだ男「弱ッ」

茨木「バカめ! 吾が強いのだ!」

母「あ、元気になった」


51: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/02(土) 20:38:52.58 ID:dSpFeBJp0

母「あら、ぐだ男。ごめんなさい。恥ずかしいところを見せちゃったわね」

ぐだ男「い、いいんだよ! そんなことより大丈夫!? さっき死にそうになってたけど!」

母「バッチリ全快よグヘァ」ビシャッ

茨木「あ、また吐血した」

ぐだ男「無理するなーーーッ!」

茨木「この国の救急車の番号は何番だ?」

母「あら。あらあらあら……ぐだ男。あなた、友達って女の子だったの」

茨木「あ。茨木……です。よろしくお願いす……します」ペコリ

母「ふふ。ふふふふふふ」

母「孫の顔くらいは見たかったわ」ガクリ

ぐだ男「母さーーーんッ!」ガビーンッ!


61: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 18:54:09.40 ID:8JDxdGfM0

その後

茨木「……悪いことをした。まさかしょっぱなから御母堂を病院送りにしてしまうとは」

ぐだ男「いや。いいんだ……極初期段階で霊障を祓えたから、どうも症状は単なる血液不足で済んだみたいだし」

ぐだ男「あの分なら軽く輸血して、経過を見たらすぐ退院だろ」

茨木「むう。この場合、旅行保険とは適応されぬものなのだろうか」

ぐだ男(思ったより気にしてるみたいだな。鬼なのに)

茨木「勘違いをするな。吾は吾が意図しない人的被害を是としないだけだ。心配しているわけではないぞ?」

ぐだ男「そういうことにしておくよ」

茨木「しかし御尊父殿にはどう説明したものか……」

ぐだ男「俺からやっとく。どうせお父さんは病院の方に直行だからな」

茨木「なに?」

ぐだ男「そのまま病院近くの漫画喫茶に泊まるって……あ! 気にするなよ! お前のせいじゃない!」

茨木「それはそうだが。吾が気にしているのは別のことだぞ?」

ぐだ男「ん?」

茨木「二人きりだ」

ぐだ男「……んっ!?」


62: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 19:02:04.04 ID:8JDxdGfM0

茨木「きゃはは! いやまさかここまで完璧な二人きりの状況を作り出せるとは! 吾も予想外だ!」

ぐだ男「今となっては怪しいぞ! お前、まさか地縛霊を見たとき『しめた』とか思わなかっただろうな!?」

茨木「さてどうであろうなぁ? いや確かに意図的に地縛霊を強化することくらいはできようが、五分前のことなどとんと覚えておらぬわ」

ぐだ男「鬼ィ!」

茨木「莫迦め! 今頃気付いたか! きゃっはは!」

茨木「して。ぴーえすふぉーのソフトは何があるのかの……おお……!?」

茨木「FF十五があるではないか! 退屈せずに済みそうよな!」

ぐだ男「えっ。マジで?」

茨木「む? 汝……のものではないのか。当然よな。一年以上家を空けていたのだから」

ぐだ男「お父さんの趣味……ってわけでもなさそうだな。買っておいてくれたのか……」

茨木「きゃは。随分と思われていたようだ。妬けるぞ?」

ぐだ男「……」

茨木「料理も霊障の影響でカビだらけだ。飯はどうする?」

ぐだ男「外食しよう。ゲームは帰ってきてから」

茨木「今夜は長くなるぞ……?」ニヤァ


63: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 19:13:11.86 ID:8JDxdGfM0

ファミレス

茨木「……?」

茨木「こんなものか? ぱふぇとは思ったより小さいものなのだな?」

ぐだ男「ここのヤツはコロコロ買える値段で提供されてるからな。それなりに小さいぞ」

ぐだ男「でも結構腹は膨れる」

茨木「ケチめ。まあいい。とにかく食べる」

茨木「……むう……これは……」

茨木「プリン。アイスクリーム。チョコアイスの味が……調和しているだと……!?」

茨木「この調和の正体は……そうか。バナーナ! バナーナだな! 溢るる滋味で子を抱く母のように優しく纏めておる!」

茨木「これは値段以上だ……値段以上の逸品だ、が!」

茨木「少ねぇぇぇぇぇぇ! こ、これが人間のやることか……あまりにも……あまりにも少ない……!」ワナワナ

ぐだ男「パフェ一つでどこまでエキサイトしてんだよ……」


リュウノスケェェェェ! 最高ニcoolナパフェヲ見セテアゲマショウ!

流石ダヨダンナァ!


ぐだ男「あれ。あっちも結構エキサイトしてるな……そんな美味しいのか?」

茨木「分けんぞ。絶対」


64: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 19:23:00.58 ID:8JDxdGfM0

prrr

ぐだ男「電話? 非通知……」

茨木「出る必要あるまい?」

ぐだ男「まあ何かイヤな予感するけど一応出るよ」ポチリ

ぐだ男「もしもし?」

BB『セーンパイっ! どうですか!? ときめきでメモリアルに残る甘い日々を過ごしていますかー?』

ぐだ男「顔がうるさい」

BB『顔がッ!?』ガビーンッ

ぐだ男「いやなんかもうお前、どんな顔してんのか声でわかる。ウゼェ」

BB『ちょ、酷くないですか。ていうか私に対する扱いがメフィストさん級に悪いですよねセンパイ』

BB『そこまでされる謂われはないんですが』

ぐだ男「俺の予定を勝手に改竄するような後輩にはお似合いの対応だ。あとメフィストはお前より待遇が上だ」

BB『帰ったら床這いつくばらせて靴を舐めさせてあげます』

ぐだ男「そういうところだぞ?」


65: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 19:31:20.63 ID:8JDxdGfM0

BB『まあこっちもこっちで悪いとは思ってたんですよ? 勝手にこんなことして』

ぐだ男「胡散臭ぇー」

BB『流石に逆ギレしますよ?』

ぐだ男「逆ギレだと自覚できてんのならやめろよ……!」

BB『まあともかく、困ったときはそれなりに責任は取りますって報告です』

BB『イタズラは後始末までしっかりと、ね?』

ぐだ男「あ、よろしく頼む。実は」

BB『お母さんの入院費はご心配なくー。あとコレに関してカルデアにレポートで提出する必要はありません』

BB『外に出たサーヴァントが被害出した、なんてクソ真面目に報告したらどんな目に遭うか……』

ぐだ男「もみ消すのか?」

BB『プルプル……僕、悪いBBじゃないよ……』

ぐだ男「……程ほどにな。ある程度はこっちでも泥被るから」

BB『あんっ! マスターの優しさで、脳味噌フットーしそうだよぉ!』

ぐだ男「顔がうるさい」

BB『またっ!?』ガビーンッ!

BB『じゃ、そういうことで。そろそろカルデアの内部から傍受されちゃうかもなので』

ぐだ男「了解……」


66: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 19:46:38.81 ID:8JDxdGfM0



茨木「ば、バカな……国が滅んだ……? 昨日?」

茨木「昨日吾は何をしていた……!? 猫ちゃんのために魚釣ってた……!」ガタガタ

ぐだ男(ゲームに熱中してやがる……)

ぐだ男「……あ。ジュース切れた。コンビニに補給しに行く」

茨木「む? よせ。やめろ。行くな」

ぐだ男「え?」

茨木「せっかく二人きりなのだ。それに、一人でげぇむしてても楽しくない」

ぐだ男「……そうか?」

茨木「あ、でも吾が汝と一緒に行く分にはまるで問題はないな!」

茨木「な!」

ぐだ男「一人だけでいいって」

茨木「くはは! 莫迦め! 汝に決定権などあると思うか?」

ぐだ男「……まったくお前ってヤツは」

茨木「……そういう趣向も悪くはないと思うのだが、な」

ぐだ男「ん?」

茨木「……できるだけ『お前』ではなく名前で呼べ。そっちのがなんかいい」

ぐだ男「……茨木童子」

茨木「くは。もっと優しい感じで……」

ぐだ男(妙に甘えてくるな、今日は……いや、違うな。普段から甘えてきてるか。甘え方の質が違うだけで)


67: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 19:56:59.05 ID:8JDxdGfM0

茨木「今日は汝は吾一人が独り占めだからな! とにかく思いついた贅や趣向を片っ端から試させてもらうぞ!」

茨木「今日は寒いので無駄にくっついてみたりとか!」ダキッ

ぐだ男「うわっ!」

茨木「おお、これは……いいな。酒呑とか傍にいたら恥ずかしくてとてもできぬ」

茨木「決めたぞ。寝るときもこんな感じで」

ぐだ男「お前、魔力放出で温まれるから必要ないだろ」

茨木「必要のないことを贅と呼ぶのだ。それに」

ぐだ男「それに?」

茨木「イヤではなかろう?」

ぐだ男「……」

茨木「……えっ? い、イヤなのか?」

ぐだ男(ぐっ……!)

ぐだ男「イヤじゃないです……」

茨木「そうであろう!」

ぐだ男(あー……寝てる間に溶かされて酒にされてないかだけが心配だな……)

ぐだ男(酒呑童子じゃないし、茨木ならその心配ないか?)

ぐだ男(いや、金時も鬼の危険性については言ってたし、一応それなりに警戒はしておくか……)

茨木「おい。何をしておる?」

ぐだ男「ん?」

茨木「汝の方からも吾を抱きしめよ……心細いであろう」

ぐだ男「……」

ぐだ男(警戒持つかなぁ!? これ!)


68: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/03(日) 20:06:39.90 ID:8JDxdGfM0

浅草 雷門周辺

BB『……という感じですね! イバラギンさんとセンパイの様子!』

マシュ「こ、これは……」

デオン「ふむ。デレッデレだな」

エリザ「喉からゴロゴロ音がしないのが不思議ねー」

ジャック「私たちもおかあさんに抱きしめられながら寝てみたいなー」

マシュ「待って。そこじゃなくって。まずそこじゃなくって!」

マシュ「これ盗撮ですよね!? どうやってカメラしかけたんですか!?」

BB『……』

マシュ「BBさん?」

BB『本当に聞きたいですか?』ギンッ

マシュ「ア、ハイ。ナンデモナイデス」

デオン「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ」

エリザ「え? なんで急に名言言ったの?」

ジャック「で。次は誰だっけ?」

デオン「私だな。おそらく母上も帰ってくるころになるだろう。いい感じにフォローしておくさ」

ジャック「よろしくね?」

デオン(ついでにカメラも駆除しておこう)

BB(とか考えているだろうから今は使ってない別のカメラを明日は使おう)

マシュ(って考えているんだろうけど、黙っておこう……)

ジャック(人形焼き美味しい)モグモグ


72: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 17:53:38.49 ID:31YJvBuz0

マシュ「……でも。ふふっ。微笑ましいですね。茨木さんも二人きりだとハメを外すみたいです」

デオン「ああ。そうだな。地縛霊事件に関しては証拠がないので目を瞑るとしよう」

エリザ「……ん? 待って。何か様子が変よ?」

マシュ「え?」

茨木『さて。それではマスター。風呂に入るぞ。背中を流せ』

ぐだ男『はいはい』

デオン&マシュ&エリザ「何ィーーーッ!?」ガビーンッ!

ジャック「どうしたの?」

マシュ「せ、先輩が茨木さんとお風呂に……!」

ジャック「え? いつも通りじゃない? 私たちもお風呂に一緒に入ってるよ?」

デオン「余罪が増えたッ!」ガーン!

エリザ「え……ちょ、これ。あれ? 何? 何なの?」ワナワナ


73: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 17:57:41.82 ID:31YJvBuz0

マシュ「BBさん! 洗面所と風呂場の監視カメラは!?」

BB『えっ』

マシュ「……BBさん?」

BB『はっ、はあ!? 何言っちゃってんですか!? そんなところにカメラ仕込むわけないじゃないですか!』

BB『常識で考えてくださいよ!』

マシュ「がふっ」ガビーンッ!

デオン「カルデアでも最大級に非常識なヤツに常識を説かれた」

エリザ「私なら自殺してるわね」

マシュ「す……すいませんBBさん……私が浅はかでした」

ジャック「謝らなくってもいいよー。ナメクジにキスするより屈辱的でしょ?」

BB『どいつもこいつも私のこと何だと思ってるんですか』


74: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 18:02:02.33 ID:31YJvBuz0

BB『あ、でも音声を拾うくらいなら可能ですよ』

マシュ「いいえ! いいえ! これに関しては看過できません!」

マシュ「今すぐ先輩の家に直行して、この蛮行を止めてきます!」

デオン「待った。その必要はない」

マシュ「えっ」

エリザ「その理由は?」

デオン「絵だけ見れば確かに完全にアウトだが……それを言ったら、そもそも私たちの盗撮自体がそもそもアウトだ」

マシュ「ぐっ……それは……!」

デオン「何よりも、これはチャンスだしな」

マシュ「えっ?」

デオン「マスターが茨木童子と一緒に風呂に入っている……その事実を私が今知ったということが大事だ」

デオン「押せば私もこのくらいは……ふふふ」

マシュ「デオンさーーーんッ!?」ガビーンッ!


75: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 18:09:09.85 ID:31YJvBuz0

エリザ「……そうねえ。切り札としては悪くはないかしら」

エリザ「もしもアイツが私のことを拒絶したら、このことをネタにして思いっきり脅しかけてやるわ」ニヤァ

マシュ「いやいやいやいやいやいや! ダメですよ! 脅しのネタにするために看過しろと!?」

デオン「私はそこまでは考えてない。が、まあ万が一にでもマスターが私のことを拒むのなら吝かではないな」

ジャック「私たちにはネタはいらないよ。この魔法のステッキを使えば一発だもん」ギャランッ

マシュ「ナイフです、それはッ!」

マシュ「だ、ダメです。絶対に! そんなつもりなら猶更止めてきます!」

デオン「浅草から彼の家まで行くのには結構時間がかかるぞ。そのころには全て終わっているんじゃないかな」

マシュ「がっは……!?」

マシュ「……い、いえ。入浴を阻止できなかったとしても、これ以上なんらかの罪を犯そうとしているのなら……」

マシュ「更なる罪を重ねる前に、私が止めることができるはずです!」

デオン「なるほど。一理ある。どう思う? ジャック・ザ・リッパー」

ジャック「……」


76: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 18:15:29.41 ID:31YJvBuz0

ジャック「マシュは偉いね……」

マシュ「えっ」

ジャック「私たちはね、おかあさんが大好き。でもね、マシュのことも好きなんだよ」

ジャック「おねえちゃんがいたら、こんな感じなのかなって」

マシュ「じゃ、ジャックさん……」

ジャック「マシュはいい子で、頑張り屋で……私たちにも優しくって……」

ジャック「そんないい子なマシュにはイースターエッグをプレゼントしてあげる」ピンッ

コロンッ

マシュ「……?」

マシュ「……いえ、これはイースターエッグではなくフラッシュバ――」


ドカァァァァァァン!


マシュ「~~~~~~ッッッ!」

デオン「よし。警察が来る前にマシュを拘束。連行。夜が明けるまでホテルで監禁しよう」

エリザ「白百合の騎士のくせに真っ黒ね、アンタ」

デオン「ふふふ。私だって休日はハメを外すさ」

BB『サンクトペテルブルクみたいに! サンクトペテルブルクみたいに!』

デオン「黙れ」

ジャック「縛るよー」


77: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 18:24:00.38 ID:31YJvBuz0

マシュ「むぐー! むぐうー!」ジタバタ

デオン「暴れなくってもすぐに拘束は解く。そうだな、二人が就寝したあたりで」

エリザ「さてと。二人がこれからどんな醜態を晒すのか見物ね……」

エリザ「できるだけ参考にしないと……」

ジャック「爆音のせいで騒がしくなってきちゃった。早く行こう?」

デオン「縛ったマシュをまともに運ぶのは難易度が高いな。エリザ。飛行して輸送してくれ」

エリザ「えー。面倒くさーい」

マシュ(なんなんですか、この手際の良さ!)ガビーンッ!


79: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 19:45:13.64 ID:31YJvBuz0

BB『……』

BB(一応、BBちゃんの手に負えないヤツは出来る限り初期段階で同行できないよう除外してたんですけど、よく見たら……)


ジャック:混沌・悪
茨木童子:混沌・悪
エリザ:混沌・悪
デオン:中立・中庸
マシュ:秩序・善


BB『あれ? 混沌・悪率多いような……』

BB『……ま、いっか!』

デオン「BB。映像の中継は止めるな」ニヤァ

エリザ「ついでに録画もお願いねー」バッサバッサ

マシュ「もがー!」


80: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 19:48:52.05 ID:31YJvBuz0

茨木「あー。さっぱりしたー……」ツヤツヤ

ぐだ男「二人じゃあの風呂狭いだろ。のびのびはできなかったな」

茨木「いや。それはそれで乙であったぞ?」

茨木「さあ。そろそろ寝るとするか」

ぐだ男「……」

茨木「先も言ったが、布団は一つでいいからな?」

ぐだ男「マジか」

茨木「せいぜい寝首を掻かれぬよう、気を付けよ?」

ぐだ男(それも心配だけどさ……)


81: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 19:51:58.10 ID:31YJvBuz0

十分後

ぐだ男(……電気を消して、二人して布団に潜り込む)

ぐだ男(やっぱ微妙に熱いな……確かに今日は冷えるけどさ)

茨木「……くくく」

ぐだ男「ご機嫌だな」

茨木「当然であろう。中々できぬ趣向ゆえな」

茨木「……ああ、いい匂いだぁ……本当に」スンスン

ぐだ男「……お、おい……」

茨木「お、い、し、そ、う」ニヤァ

ぐだ男(やっぱりあまりにも軽率だったかもしれない!)ガビーンッ!


82: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 19:57:53.45 ID:31YJvBuz0

ぐだ男(闇の中にあってもコイツの眼光だけは爛々と光って見える)

ぐだ男(宝石だとか蛍だとか、そういうのが持っている神秘的な光みたいで美しい。が、怖い!)

茨木「……」ペロ

ぐだ男「うっ……」

ぐだ男(首筋を舐められた)

茨木「いいなぁ。いいなぁ……顔つきはどう見ても凡夫なのに、凄くいいなぁ……!」ペロペロ

ぐだ男「茨木。まさか本当に俺を食ったりは……」

茨木「……」ガブリ

ぐだ男「いっつ!」

ぐだ男(まだギリギリ甘噛みで片付けられる程度の痛み。だが、その内エスカレートしそうだ。その気配がある)

茨木「……」

茨木「血で汚れるかもしれんな。よし」ゴソゴソ

ぐだ男「ん? おい。おい。暗闇でよく見えないが、まさかお前」

茨木「服を脱いでおるぞ?」

ぐだ男「」


83: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 20:08:22.24 ID:31YJvBuz0

茨木「汝も血で服を汚したくなければ脱いでもよいぞ?」

ぐだ男「遠慮しておきます!」

ぐだ男(流石に布団の中で男女両者素っ裸はまずい! 一緒に風呂に入っておいて今更感凄いけど!)

茨木「はぁっ……はぁっ……あむっ」ガブリッ

ぐだ男「いたっ……!」

ぐだ男(今度は強く噛まれ、血が滴り落ちる感覚が肌を伝う)

ぐだ男(こ、これはまずい……明日には骨になってるかも……!)ゾッ

茨木「……高揚してきたぞ……いいなぁ。なんか汝の悲鳴と苦悶の顔を見ていると……こう、凄く……!」

茨木「もっと欲しくなるぞ」ニヤァ

ぐだ男「流石に全部はやれないぞ!? まだカルデアでやること沢山残ってるんだから!」

茨木「……」

茨木「汝、吾のマスターであろう。いよいよ危なくなったら手綱を取れ」

茨木「まだやめたくない。もっと欲しい」

ぐだ男「茨木童子……!」

茨木「んっ……ちゅ……れろ……」

ぐだ男(……鬼の食事はまだ続く)

ぐだ男(仮に、本当に俺が言ったところで止まるのか?)

ぐだ男(……)

ぐだ男(怖いので考えるのをやめた。それに――)

茨木「……ああっ……!」

ぐだ男(正直、ここまで悦んでいる茨木童子を中途半端なところで止めたくない)


84: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/04(月) 20:14:07.35 ID:31YJvBuz0

ホテルの一室


デオン「……」

エリザ「……真っ暗闇で何も見えないわね。水音と悲鳴と布ずれの音は聞こえるけど。あと茨木の甘い笑い声」

デオン「布団で何かしているということしかわからないな」

ジャック「大人のプロレスごっこ?」

デオン「BB。画面を明るくできないのか?」

BB『いやぁー。あえて暗闇ではまったく視界が通らなくなるカメラをしかけたので無理ですねー』

BB『ブルーレイだと闇が全部晴れます』

エリザ「見えるんじゃない」

マシュ「見たいような、見たくないような……」

デオン「ふむ。まあいい。こっちも似たようなことをすればいいだけだ」

デオン「……」

デオン「いや、これ以上のことをすればいいだけだ」ニヤァ

エリザ「本当真っ黒ねアンタ。あの王妃が見たら泣くわよ」

デオン「黙っていてくれ」

エリザ「いいけど」

BB『私は黙っていられません!』キラッ

デオン「死んでくれ」


88: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/05(火) 19:20:24.08 ID:ieoj2/n50

BBの日記
イバラギンさんの番が終わり、次はデオンくんちゃんさんの番。
あの時期のフランス人って大抵堪え性がないからなー。心配だなー。
場合によってはジャックさんの荷物に入れておいた天然痘ウイルスが役に立つかもしれません。一応彼女? 彼? には罹患したという逸話がありますので。死因ではないにしろ足止めはできるでしょう。

ところで巌窟王さんから黒い本の形をしたアーカイヴデータが送られてきました。タイトルは学級日誌。
才囚学園の生徒十六人のプロフィールと、恩讐的(?)に点数が高いところを纏めたデータのようです。

うんうん。全部手打ちですか。生徒同士の恋模様とか激情とか屈託とか細かく書かれていて中々見ごたえが――


マジで何やってんですかあの人ッ!


仮のマスターは夜長アンジーさんという女の子だそうです。
やべぇ、ありえないほど馴染んでるんですけど。帰ってきますよね? 帰ってくるんですよね?
学級日誌の行間の節々から、あの『クハハ』という笑い声が聞こえてくるようです……ウゼェ!


90: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/05(火) 19:29:54.04 ID:ieoj2/n50

ホテルロビー

茨木「くはは! 楽しかったぞ!」

ぐだ男「マシュ。治療用スクロールとか持ってない?」ボロッ

マシュ「噛み傷だらけッ!?」ガビーンtゥ

デオン「エキサイトしすぎだ」

エリザ「ああもう。危うく私の分までなくなるところよ」

ジャック「いたいのいたいのとんでけー」

ぐだ男「ありがとジャック」

マシュ「す、すぐにスクロールを取って来ます!」バタバタ


91: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/05(火) 19:36:46.72 ID:ieoj2/n50

シュワァァン!

ぐだ男「あー、痛かった」

マシュ「い、茨木さん……! マスターになんてことを!」

茨木「いいっ!? いや、吾も悪いとは思ったのだぞ! 思ったのだが!」アタフタ

茨木「そ、その……マスターが優しすぎてな。かなりギリギリまでやってしまった。すまぬ」

エリザ「あー。わかるわかる。私もたまにコイツのこと刺殺したくなるもの。どうせ許してくれるし」

マシュ「!?!?」ガビーンッ

デオン「諦めよう、マシュ。悪属性とはこういうものだ」

ぐだ男「一緒に歩むこと自体は可能だと確信してるけど、決定的にわかりあうことは不可能な面子だからな」

マシュ「せ、先輩も先輩です! もっと強く拒絶してくれれば、こんな怪我……!」

ぐだ男「し、死んでないから大丈夫だ! なっ!」

茨木「大丈夫だぞ!」

マシュ「……酒呑童子さんに報告します」

ぐだ男&茨木「にゃんとぉ!?」ガビビーンッ!

エリザ「終わったわねー、二人とも」


92: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/05(火) 19:44:04.45 ID:ieoj2/n50

ジャック「ねえねえおかあさーん」

ぐだ男「なに?」

ジャック「朝起きたときに茨木が裸だったけど、なんで?」

ぐだ男「」

マシュ「……先輩」

ぐだ男「」ビクッ

マシュ「先輩」

ぐだ男「」ガタガタ

マシュ「先輩」ゴゴゴゴゴ

エリザ「やめなさい。心臓に負担がかかりすぎて死ぬわよ」

ぐだ男(なんでジャックはうちのことを見てきたみたいに話すんだろう……!?)ガタガタ


93: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/05(火) 19:47:30.06 ID:ieoj2/n50

デオン「ともかく、今日は私の番だ。観光の土産は期待している」

デオン「ふふふ。今日は忙しくなるぞ。マスター」

ぐだ男「あ、お、おう……」

ぐだ男「……サンクトペテルブルクみたいな待遇は期待するなよ?」

デオン「一応弁解させてもらうが、私は一応あそこに公務で行ったんだ!」

デオン「ついでに、文献にあるような贅沢三昧もしてないぞ! 少ししか!」

ぐだ男(してんじゃねーか)

マシュ(……ひとまず、デオンさんなら安心でしょうか……?)


100: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 20:23:57.86 ID:vY3arngU0

マシュ「……行ってしまいましたね」

エリザ「デオン……デオンねー。カルデアではマシュの次の古株だったかしら。次点で私だけど」

マシュ「そうですね。冬木市から今に至るまでずっと私たちを守ってきてくれた頼り甲斐のある騎士です」

エリザ「アイツ割と欲しがるわよ。あの王妃やフランス系サーヴァントがいない場所では特に」

マシュ「え?」

エリザ「なんというかねー……経済観が違うのよね、根本的に」

茨木「堪え性はないな」

ジャック「食べられる? 今度は性的な意味で」

マシュ「えっ」

エリザ「うーん、デオンの伝記には妙に色恋の話が少ないのよねー。アイツの好みって何なのかしら」パラパラ

茨木「今はひとまずマスターであろうよ。まあごっこ遊びのようなものかもしれんが」

マシュ「なんかみんな妙にデオンさんの生前に詳しいと思ったら……!」

マシュ「エリザさんの持ってるそれ、伝記ですね!? デオンさんの!」

茨木「吾がマスターの家から拝借してきたぞ。正確に誰のものかはわからんが、カルデアに来る以前から知っていたようだな」

BB『……あ。それマスターの部屋にもありましたね。多分こっちのはカルデアの図書室から借りて来たものだと思いますが』

マシュ「あの二人にそんな因縁が……!」

マシュ「……」

マシュ「マスターの部屋に……?」

BB『あ。ご心配なく。マスターのいない間の不法侵入ですので甘い展開はありませんでしたよっと』

マシュ「後でお説教です」

BB『はい』


101: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 20:32:43.29 ID:vY3arngU0

ぐだ男家

デオン「ここがマスターの家……か」

デオン「ふむ。確かに……どことなくキミの残り香を感じるね」

ぐだ男「変な言い方はよしてくれ」

デオン「おっと、すまない。気を悪くしないでくれ。こちらも少し気分が高揚しているんだ」

デオン「……ふふっ。で、マスター」

ぐだ男「なんだ?」

デオン「これくらいの量で大丈夫かな?」

ぐだ男「え。何それ……チャフ?」

デオン「うん。チャフ。そこら辺にばら撒けばあらゆる電波機器は一時的に使用不可になる」

デオン「BBがジャックの荷物にせっせこ入れていたのを見たんだ」

ぐだ男「……」

ぐだ男「で、デオン。まさかそれをバラ撒いたりしな――」

デオン「ぽいっと」ポイッ


ボォォォンッ!


102: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 20:37:09.18 ID:vY3arngU0

ザザーッ

マシュ「……」

エリザ「BB。復旧は?」

BB『無理ぽ』

ジャック「あー。確かにチャフが無くなってるね」ゴソゴソ

BB『もう。扱いには気を付けてって言ったのに』

マシュ「先輩ーーーッ!」ガビーンッ!

BB『チャフが晴れたら復旧はすると思いますが……多分今、デオンさんは絶対に見られたくない何かをマスターにしているでしょうね』

茨木「具体的には?」

BB『ドロドロのキッスとか?』

マシュ「ドロドロの!?」

BB『ヤられちゃった』

マシュ「ピットくんみたいに言わないでくださいッ!」


103: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 20:44:11.03 ID:vY3arngU0

茨木「魔酒よ。憂いても仕方がないぞ? というか序盤からこんなに飛ばすつもりなら」

エリザ「以降は大人しくするでしょうね。それなりに。BBを楽しませるようなマネもしたくないでしょうし」

ジャック「カメラの向こうでゲタゲタ笑われてるんだと思うと気分最悪だしねー」

BB『てへっ』

エリザ「鑑賞会一旦中止ー。今日は銀座で寿司食べに行くわよー」

茨木「最近の寿司屋はパフェを出すらしいな!?」キラキラ

エリザ「回らない寿司屋だから期待するだけ無駄よー」スタスタ

マシュ「先輩……どうかご無事で……!」


104: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 20:54:15.69 ID:vY3arngU0

デオン「さあ。これで助けは呼べない……キミはまさに私の手の平の上というわけだ」ニヤァ

ぐだ男「お、お前……なんのつもりだ?」ヒキッ

デオン「監視カメ、ゲフンゲフン! もとい、キミが助けを呼べない今のうちに!」

デオン「私が!」

デオン「色々する!」ズギャァァァン!

ぐだ男「こ、この野郎! 正気か!? 部屋の中でチャフばら撒いたりしたら」

デオン「掃除が大変だな! だが安心しろ! 後で私が全部片づける! そしてジャックに返す!」

ぐだ男「使用済みのものを返すのならそれはゴミ処理だろッ!」

デオン「騎士道にもとるようなことはしないさ! しないとも! 何故ならば!」

デオン「休日だからな!」


105: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 21:01:34.98 ID:vY3arngU0

デオン「覚悟しろ……私はキミに……私は……?」

ぐだ男「ん?」

デオン「……」




デオン「具体的に何するか考えてなかった……!」ガーンッ!

ぐだ男「チャフまで用意しておいて!?」ガビーンッ!

デオン「ああ……えーと、えーっと……ひとまず」ダキッ

ぐだ男「……え? ひとまず……何?」

デオン「だ、抱き着いてみたりとかー……?」カァァ

ぐだ男「……」

ぐだ男「お前、悪いこと考えるの得意じゃないだろ」

デオン「くそう」エグエグ


106: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 21:07:52.91 ID:vY3arngU0

デオン(BBの監視カメラの完全除去は不可能だろうな、と思った)

デオン(なので発想を変えるしかなかった。除去せずに無力化させればいいと)

デオン(無力化できるのはせいぜいが三分かそこら。あんまり長い時間はない)

デオン(その短い時間で何をするのか……まったく考えてなかった!)

デオン(最悪の場合、開き直れば……つまりBBに嘲笑されることを気にしなければもっと色々できる! できるが!)

デオン(くっそーーー! それを差し引いても、このチャンスをモノにできなかったのは痛すぎるーーー!)

ぐだ男「別にいいって。甘えたいのなら素直にそう言えば」

デオン「……!」

ぐだ男「もう長い付き合いなんだからさ」

デオン「でも……」

ぐだ男「というか、今まで守ってもらってきたからさ。甘えてもらいたいんだ。こっちが」

デオン「む……」


107: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 21:14:54.86 ID:vY3arngU0

デオン「じゃ、じゃあその……あの……キス……とか」

ぐだ男「ん?」

デオン「……する方じゃなくって、してもらいたい。キミの方から」

ぐだ男「……お、おう。いきなりハードル高いな」

デオン「頬でも手の甲でも好きなところに。唇でもいいが」

ぐだ男「……あー、えーっと……ごめん、頬で」

デオン「ふふっ。いいよ……来て……」

ぐだ男「……」



チュッ


108: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/06(水) 21:19:45.34 ID:vY3arngU0

ザザーッ

BB「あっあー……ダメですね。まだ復旧できません」

BB「チッ。古典スパイだと侮っていましたか。ジャックさんに渡したオモチャが裏目に出てしまいましたね」

BB「この分だと天然痘ウイルスも処理された後……」

ピロリンッ

BB「ん? あ、巌窟王さんからだ。なになに?」

BB「『卒業アルバムを作ることになったのでカメラマンをよこせ。ゲオルギウス希望』……っと」

BB「『知るかボケッ!』と返信」ピロリンッ

BB「……」

BB「監視カメラに次ぐ別の監視手段を考えるべきですね」ニヤァ


111: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/07(木) 20:45:24.37 ID:ltx+bvf/0

虚構殺人遊戯 才囚学園

巌窟王「……突っぱねられてしまったか……」

巌窟王「夜長アンジーに『俺の黄金律の力を見るがいい!』と大見得切ったからな。どうしたものか……」

巌窟王「……」

巌窟王「クハハ! カメラを一から学ぶしかあるまい!」ギンッ

巌窟王「見ているがいいモノクマよ! 俺は! 俺の仮初のマスターは!」

巌窟王「この絶望的な学園を、あえて楽しんでやるぞ! あえてなぁ!」

巌窟王「さて、図書室はどこだったか……地下だったな」スタスタ


五分後


カシャッ


巌窟王「……ム? 今、本棚が光ったか?」


112: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/07(木) 20:51:53.95 ID:ltx+bvf/0

ガンッ


ぐだ男「うわあああああ! 巌窟王、上だーーー!」ガバァッ

デオン「うわっ、ビックリした。な、何?」ドキドキ

ぐだ男(ここは……俺の家、か……)

ぐだ男(そうだ。デオンが掃除している間、暇だったから寝ていたんだった……)

ぐだ男「あー、変な夢見た……巌窟王が砲丸程度でやられるわけないよな……」

デオン「ん……? まあ、魔力も何もない砲丸なら死なないと思うけど……?」

デオン「あ、マスター。掃除は終わったよ」

ぐだ男「……本当だ。なんなら昨日より綺麗になったくらいじゃないか」

デオン「ふっ。エミヤから色々教わった成果が出たな」キラーンッ

ぐだ男「色々してるんだな、デオン……」


113: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/07(木) 21:03:15.51 ID:ltx+bvf/0

デオン「さてと。ここまで色々したところで……」

デオン(もうBBの監視カメラも復活しているだろうから)

デオン「まともな活動に戻ることにしよう。母上はいつ帰ってくる?」

ぐだ男「今日、だな。父さんも一緒だ」

デオン「そうか。ならば……できる限り豪勢な料理で迎えてあげないとな」

デオン(交渉事の基本として、食事をしているときはタイミングと挙動で主導権を握れるからな)

ぐだ男「お前、料理もできるのか?」

デオン「いや? 流石に日本料理に関しては無理がある。ので」

ぐだ男「ので?」

デオン「この札束で出来得る限り、出前を取るぞ」バサッ

ぐだ男「……」

ぐだ男「デオン。その札束、どこにあった?」

デオン「私たちサーヴァント五人は共用の財布を持っていたんだ。観光用の。主にマシュが管理することになっていたんだが」

デオン「そこからゴッソリ抜いてきた」キュピーンッ

ぐだ男「マシューーーッ!」ガビーンッ!

デオン「流石にカードまでは抜いてないので、銀座で回らない寿司でも食べに行かない限りは大丈夫だ!」

ぐだ男「行った場合は!?」

デオン「ダヴィンチかイシュタルに金を借りることができる。トイチで」

ぐだ男「死んだ方がマシかもしれない!」


114: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/07(木) 21:12:14.54 ID:ltx+bvf/0

デオン「きっと大丈夫さ。なにせ悪属性が固まっているからね。借りる以外にも方法はある」

ぐだ男「例えば?」

デオン「カツアゲ」

ぐだ男「……!?」



一方そのころ 銀座の外れ


エリザ「オラオラオラオラーーーッ! 財布をよこしなさいよーーー!」ドカァァンッ

ジャック「悪そうな人を中心的に狩っていこうね!」ザクッ

茨木「くっはははははは! 血がたぎるわ!」バキバキッ

マシュ「」

モヒカンチンピラ「が、がはっ……な、なんだテメェーらは……!」

エリザ「チャーリーズエンジェルよ!」ビシィッ

マシュ「絶対に違います!」ガビーンッ!


119: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 20:19:44.94 ID:AfTYhIWY0

ぐだ男「……BBに情報の隠滅は任せよう。身から出た錆だとは言え可哀想になってきたな」

ぐだ男「この予測ばっかりは外れてほしいけど」

デオン「まず間違いなく狩ってるだろうね」

ぐだ男「そもそもお前が財布から金をスらなければ……」

デオン「え? 何故?」

ぐだ男(罪悪感なし!)ガビーンッ

ぐだ男「いや、なんでもない……」

デオン「出前は寿司でいいかな?」カタカタ

ぐだ男「うおーーー! 当たりまえみたいにうちのパソコン使って注文してるーーー!」

デオン「特上。特上。ルンルン」

ぐだ男「並にしろ並にッ!」


120: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 20:32:18.85 ID:AfTYhIWY0

ピロリンッ

ぐだ男「ん。母さんからメール……ああ。昼には帰ってくるってさ」

デオン「夕飯時に来るよう手配しよう。金銭についての心配は『職場先のキャリアでエリートな人だから問題ない』と説明をば」

ぐだ男(もう断っても無駄だなコレ……)

ぐだ男「了解。デオン、後でマシュたちには謝っておけよ」

デオン「マシュには謝る。その他は私が帰るころには『何に怒っていたのか』どころか『怒っていたという事実』すら忘れてるだろうから謝らない」

ぐだ男「最低だ!」

デオン「ははは。話をこじらせないためだよ。沈黙は金だ」

ぐだ男(カエサルには劣るけど、そういえばコイツも話術で人を煙に巻くの得意なんだよなー)

ぐだ男(……いや中途半端に知恵ついてるからカエサルのカモにされるのか……)


121: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 20:44:01.07 ID:AfTYhIWY0

デオン「……」

デオン「甘えさせてくれるんだろう? まだまだ序の口だよ?」

ぐだ男「わかってるよ。任せとけって」

ぐだ男「しかしお前、マリーの前だともっと真面目なキャラなのになぁ!」

デオン「彼女の前ではね? 今の私はルイ15世を相手にしているときの私に近いかな」

デオン「彼の前では結構、今と同じように甘えさせてもらったから」

ぐだ男「『これ以上の出費はマジでやめて』って手紙で怒られたことあるんだっけ、お前」

デオン「……」

ぐだ男「お前宛てじゃないけどルイ十五世が『デオンやばい(かなり意訳)』と手紙に書く程度にヤンチャしてたんだったな?」

デオン「生前の私を調べてくれるのは嬉しいが、もうちょっとまともな逸話をチョイスしてくれ!」

ぐだ男「ロシアの女帝に『うちの国に来ないか』って伝言されたときに『私はフランスの騎士ですので』って突っぱねた話とか?」

デオン「そうそう!」

デオン「えっ……あっ、えっ……? そんなことあったっけ……? 心当たりはあるけど……」

ぐだ男「自分でもうろ覚えじゃねーか!」


122: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 21:01:14.61 ID:AfTYhIWY0

デオン「いやぁー……言いそうだなー、あの女帝さまなら……」

デオン「おっと。むかしのことを思い出すのは後。準備を進めよう」

デオン「酒も必要だな……ワインとか。あ、身分証明ができるもの……」

デオン「いや落ち着け。パスポートは持ってきた。BB製の偽造のヤツだけどキッチリ二十代だ……」ブツブツ

ぐだ男「……妙に気合入ってるな?」

デオン「後続の連中にケチつけられたら堪らないからね。印象操作くらいは全力でやるさ」

デオン「酒の席でならカエサルにだって負けないよ、私は」

デオン「……そう。酒の席でなら……クリスマスでのあれは何かの間違いだ……!」ギリッ

ぐだ男(どうだろうなー……酒の席でもアイツが隙を見せるとは思えないけど)


123: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 21:09:15.23 ID:AfTYhIWY0

数時間後

父「あっはっはっはっは! デオンちゃんは面白いなぁ!」

デオン「ふふっ。この程度はフランス人の嗜みです」ニコニコ

母「ヴィヴ・ラ・フラーンス! ひっく」

デオン「お母さま。病み上がりなのですから、あまり無茶は……」

母「大丈夫よー……なんならもう昨日の時点で退院できるくらいだったんだかりゃー」

母「もー。デオンちゃんってば心配性!」

デオン「当然です。だってあなたは、ぐだ男くんの母上なんですから。私にとっても大事です」ニコニコ

母「やっだーキュンと来ちゃったー」

父「あはははははは!」

デオン「……」ニコニコ

デオン(チョロいな)ニタァ

ぐだ男「素が出てんぞ白百合の騎士」

デオン「おっと」ニコニコ

ぐだ男(あっという間に懐柔しちゃったよ。速ァ! そして白百合の騎士、黒ォ!)

ぐだ男(いやむしろ俺の両親がチョロすぎるのか!?)


124: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 21:18:45.78 ID:AfTYhIWY0

ぐだ男(再会の挨拶もそこそこに、デオンの挨拶を済ませた後、夕飯の時間に寿司を取って、両親のコップに酒を注ぐ)

ぐだ男(流れ作業だったな……流石にスパイだ。動きが全部自然)

母(なんか昨日と違う子のような……?)グビグビ

ぐだ男(……と、お母さんは思っているだろうが、アルコールの果てへと冷静な思考はフライアウェイ)

ぐだ男(まあ茨木との顔合わせは一瞬だったしな……)

ぐだ男(ところで後続に憂いは残さないみたいなことをデオンは言っていたが、何かする気なのか?)

デオン(もちろん、何もしない! 私がやるのは私だけの印象操作だ!)ギンッ

デオン(仮に私がやれることがあるとしたら、後続のために『マスターの友達はみんないいヤツだ』という先入観を刷り込むことくらいだろう)

デオン(あと軽い二日酔いを起こさせて、二人の思考回路を明日に至るまで鈍くする)

デオン(……ハハッ。チョロいな)ニタァ

ぐだ男「デオン。顔、顔」

デオン「おっと」ニコニコ


125: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 21:30:49.80 ID:AfTYhIWY0

父&母「」バタンキュー

デオン「この勝利は、フランス王家の勝利でもある!」

ぐだ男「最終的にはマリーにチクるぞ」

デオン「やめてくれ。その方法は私に効く。やめてくれ」ガタガタ

ぐだ男「あーあー! 完全に潰れちゃったよ! 普段こんなになるまで飲まない人たちなのに!」

デオン「……ちょっと心配になるくらい人が好すぎだったな。彼らは今まで無菌室にでも暮らしていたのか?」

ぐだ男「うーん、言い返せない!」

デオン「まあ二人を布団に運ぶのは任せてくれ。一応筋力には自信がある」

ぐだ男「この際だから聞くけどさ。お前の筋力のステータス、バグじゃないの?」

デオン「エミヤのような見せ筋とは違うよ」




夜空に浮かぶエミヤ座(おっと。心は硝子だぞ……)


126: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/08(金) 21:37:01.33 ID:AfTYhIWY0

デオン「処理終了。明日に誰が来るかはわからないが……まあ大丈夫だろう。あの分なら」

デオン「頭の動きが鈍くなってるだろうからな」

ぐだ男(明日は家には極力入れない方向で予定組もう……二日酔いのお母さんを煩わせたくないし……)ズーン

デオン「さて。じゃあ、そろそろ私たちも」

ぐだ男「おっと。そうだ。デオンの分の布団も敷かないと……」

デオン「ん? 何を言っているんだい?」

ぐだ男「え」

デオン「布団は一つだけでいいよ?」ニコニコ

ぐだ男(またこのパターンかよッ!)ガビーンッ


130: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/09(土) 22:28:14.99 ID:p2p0TuZQ0

虚構殺人遊戯 才囚学園

巌窟王「」チーン

赤松「がっ、巌窟王さんが図書室の中で血塗れになって死んでるーーーッ!」ガビーンッ

最原「巌窟王さーーーんッ!」


ピンポンパンポーン


モノクマ「死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!」

最原「そ、そんな……!」

百田「クソッ! マジかよ……! 巌窟王を殺したヤツを、命懸けで探せって……!?」

最原「無理だ……! 僕には、そんなこと……!」

巌窟王「――諦めるのか?」ザッ

モノクマ「えっ」

巌窟王「それもいいだろう。つまらない結果だが結末は結末だ」

巌窟王「だが! もしも! 貴様の心の中に恩讐の牙が残っているのならば!」ギンッ!

巌窟王「俺はお前たちの手を取ろう! さあ! 血塗られたパズルを解き明かすのだ!」

最原「巌窟王さん……!」

アンジー「よーっし! 犯人をみんなで捕まえよー!」

生徒一同「おー!」

モノクマ「えっ。待って。待って。ねえ。誰が被害者だっけ? あれっ!?」

モノクマ「オマエなんで生きてるの!?」ガビーンッ

巌窟王「HPがギリギリ一桁くらいは残った」フラフラ

アンジー「令呪で回復させるねー」キンッ

モノクマ「」



その後、無事に犯人は見つかったが、おしおき装置を巌窟王が処刑途中にぶっ壊したので実質上の死亡者はゼロだった。

残り人数 十六人+一騎


To Be Continued...


132: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/09(土) 23:12:11.73 ID:p2p0TuZQ0

ぐだ男(というわけで、布団を敷いて、またしてもサーヴァントと同衾)

ぐだ男(慣れな……くもない。いつもは静謐のハサンとか頼光とか清姫とかがテケテケしてくるからな)

ぐだ男(なによりも……)

デオン「すぴー」

ぐだ男(俺をリードする気満々だったデオンは布団に入った途端に寝息を立て始めた)

ぐだ男(まあ、酒に付き合ったわけだしな。アルコールをガブ飲みすれば眠くもなる)

ぐだ男(……サーヴァントって食事も睡眠も必要ないはずなんだけど)

デオン「むにゃ……最愛王よ……このワインは必要経費です……」

デオン「破綻寸前……? ははは、わかりやすい嘘を。経済はもうとっくに破綻してますよ」

デオン「だから……私にもっと年金……むにゃむにゃ」

ぐだ男「生前の夢見てやがる……マリー・アントワネットのときとはやっぱりギャップありすぎだよな」

ぐだ男「……」

ぐだ男「まあ、いいか。休日だもんな」

ぐだ男「おやすみ、白百合の騎士」


133: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/09(土) 23:21:00.50 ID:p2p0TuZQ0

ホテルの一室

マシュ「……何も聞こえませんね」

エリザ「何もやってないからでしょう? 一緒に布団に入っちゃった時点で安心しきって寝ちゃったのね」

マシュ「サーヴァントに睡眠は……」

エリザ「必要ないわよ? でも娯楽としてはいまだ有効だし、それ言ったらほら。フェルグスだって……」

ジャック「サーヴァントにセックスは必要ないよねー?」

マシュ「んなぁっ!?」

エリザ「……ボカしなさい。えっちぃのは許可しないわよ」カァッ

ジャック「ごめんなさーい」

茨木「で。明日は誰だ?」

ジャック「私たち!」

マシュ「……」

エリザ「……」

茨木「……」

茨木「誰も言わないようなら代表して吾が言うが?」

エリザ「頼むわ」

茨木「ジャック。寝込みの腹を裂くなよ?」

ジャック「……えへっ」


134: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/09(土) 23:26:51.87 ID:p2p0TuZQ0

BBの日記
どうも私たちの目にしているデオンさんは、シュヴァリエ・デオンのダメな逸話が多分に含まれているようです。
微妙にポンコツアンドロイド……いやアンドロイドじゃないな。まあいいや。

あの時期のフランス系サーヴァントは、善悪以前に卑近的な経済観が合わないので、扱いにはクセの把握とコツが必要なのですが、あのマスターなら平気でしたね。

さて、次はジャックさんが行く予定らしいですが。ジャックさんが行く予定らしいですが?
……正気なんですかね? 旅行サーヴァントのみなさん。上質なコカインでもキメてます?

今から考えるに、やっぱり巌窟王さんの行先をミスったのかなり痛いなぁ……あ、そういえば、また学級日誌が届いてたんだった。後で見ないと。


138: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/10(日) 22:34:35.43 ID:CMAZ5mQJ0

巌窟王の学級日誌
この前の学級裁判において、夜長アンジーに令呪を一画使わせてしまった。自らの不甲斐なさに笑いが出てくる。
だが、この身一つで生徒たちを導けるとは最初から毛頭思っていない。

ただ全力を尽くすのみだ。

全力を尽くすと言えば、さっき意外な人物から相談を持ち掛けられた。早速俺の出番らしい。
『二人きりで内密に話したいことがあるので、星の研究教室へ来い』という旨の手紙を直接手渡して来たのだ。

この状況だが、アイツならば信用に値するだろう。

ところで、さっき角材とかロープとか夢野の研究教室に放置されていた水槽の蓋とか、星の研究教室にあったはずの手錠とかプールの浮き輪とか、とにかくよくわからないものを調達していたが、一体何に使うのだろうか。件の相談に関係があるのか?

まあいい! 待て、しかして希望せよ、だ!


139: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/10(日) 22:40:41.83 ID:CMAZ5mQJ0

ガツンッ

ゴボゴボゴボッ……!



ぐだ男「うわああああああ! 巌窟王があああああ!」ガバァッ

ぐだ男「はあ……はあ……夢か」

ぐだ男「まあそうだよな。あの巌窟王が角材で殴られた程度で気絶とかしないよな……」

ぐだ男「……」

ぐだ男「あれ? デオンがいない」


キャッキャッ


ぐだ男「あ。リビングから声がするな」

デオン「大丈夫ですか? すみません、飲ませすぎてしまいましたね。水を持ってきました」

母「ありがとう……うっぷ」

父「はっはっは。こちらの自業自得だから気にしなくていいよ、デオンちゃん」

ぐだ男「……完璧に取り入ってる……!」


140: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/10(日) 22:46:35.39 ID:CMAZ5mQJ0

数時間後 ホテルロビー


デオン「……というわけで、こちら側の心象を良くした上で、相手方に二日酔いのバステを付与した」

デオン「この状況を使いこなせるかどうかは人による、はずだったんだけど」

ジャック「次は私たちが行くよー!」キラキラキラ

デオン「……早まったか」

エリザ「大丈夫。大丈夫よデオン。仲間なんだから信じましょう?」

デオン「そうだね。ところでエリザ、仲間と自分の美容、どっちが大事かな?」

エリザ「美容だけど?」

デオン「そこで即答できるあたりが悪属性の所以だよ……」

ぐだ男「俺とお前らの仲間の定義、絶対違う」

マシュ「長く一緒にいても理解不能ですからね……」

茨木「理解不可能と言わないあたりが魔酒の甘さよなぁ?」


141: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/10(日) 22:53:42.69 ID:CMAZ5mQJ0

マシュ「じゃあ、そういうことで先輩。これも決まりですので……」

茨木「……愉快な死体にならないように、気張るのだぞ?」

エリザ「ジャック。一応言っておくけど、おさがりならいらないからね?」

マシュ「え?」

デオン「中古は御免だってことだよ」

マシュ「……」

マシュ「エリザさんも大概ですよね!?」ガビーンッ

茨木「人のことどうこう言う資格は一番ないなぁ?」

エリザ「何よう! 別にいいじゃない! 新品の方が甚振り甲斐あるもの!」

ジャック「おかあさん! 行こう!」ニコニコ

ぐだ男「……じゃ、マシュ。行ってくるな!」

マシュ「せ、先輩!」

ぐだ男「大丈夫だ! 多分!」

マシュ「絶対じゃないんですね、やっぱり!」ガビーンッ!


142: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/10(日) 23:05:17.98 ID:CMAZ5mQJ0

マシュ「行きました。行ってしまいましたね……」

茨木「死ぬか生きるか、賭けるか?」

エリザ「私、生きる方! 今回もなんだかんだ無事で済むでしょ」

デオン「私も生きる方で」

茨木「奇遇よな。吾もだ」

茨木「ふむ。じゃあ魔酒が死ぬ方に賭けよ。これでバランスが……」

マシュ「取れてないですし縁起悪いですしッ!」

エリザ「っと、そうだ。BBから荷物が届いてるそうよ?」

マシュ「え? BBさんから?」

エリザ「怪しすぎるから、まだ開けてないんだけど……」

デオン「そもそもどうやって届けたんだ?」

茨木「考えるだけ無駄よな。仮に方法がわかったとしてロクなものではあるまいよ」

エリザ「いっそのこと捨てる?」

マシュ「……いえ。一応、開けてみましょう……」

エリザ(凄いイヤそうな顔)


143: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/10(日) 23:12:02.37 ID:CMAZ5mQJ0

プレゼントボックス「」ゴテゴテッ

マシュ「……凄くゴテゴテしいプレゼントボックスですね」

茨木「そうさなぁ。この大きさだと、人の頭蓋くらいは入りそうなものよな?」

マシュ「想像してしまうのでやめてください」

プレゼントボックス「BB-……ちゃんねるー……いやもうちょっと声のトーン上げて……」ブツブツ

マシュ「……」

エリザ「ね? 開けたくないでしょ?」

デオン「今、中から聞こえたのってBBの……」

マシュ「何も聞こえてません」

エリザ「は?」

マシュ「何も聞こえなかったんです。なので、私が開けます」

デオン「急に悲壮な決意を固めたぞ。どうしたんだ彼女」

茨木「苦労のし通しで自暴自棄になっているようだな?」

エリザ「やっぱりカツアゲはまずかったかなー」

デオン(やっぱりカツアゲしてたんだな……)


146: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 19:30:38.66 ID:iMg8tRJp0

デオン「待てマシュ。開けることには賛成だが、何もキミがこれ以上苦労することはない」

デオン「エリザに開けさせよう」

エリザ「あっはっはっはっは……私ッ!?」ガビーンッ

デオン「キミが苦労させたんだから当然だろう」

エリザ「アンタが財布から金くすねなきゃやんなかったわよッ! この乱費セイバー!」

茨木「念のため。吾らは悪人しか相手にしなかったぞ? マスターの理念に賛同しているわけではなくとも、仮にも隷従しているのだから当然よな」

エリザ「アイツが私に隷従しているんだけどね! いやそれは今はいいわよ!」

エリザ「どうしても私じゃないとダメ!?」

デオン「BBのこと、最悪でも死んだ方がマシだという目には遭うだろうが、死にはしないだろう」

エリザ「……あー、はいはい。わかったわよ! 開ければいいんでしょ!」

エリザ「……鬼が出るか蛇が出るか……!」カパッ

プレゼントボックス「」カラッ

エリザ「あれ……? 空?」

デオン「何?」


147: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 19:34:26.13 ID:iMg8tRJp0

デオン「本当だ。空だ……?」

茨木「妙だな。とびきり邪悪な気配は尚も漂っているというのに」

マシュ「え……? 何も入ってないんですか?」

エリザ「本当よ。ほら」

マシュ「どれどれ」


ニョキッ


マシュ「んっ?」

デオン「……プレゼントボックスから腕が生えてきたぞ?」

エリザ「いえ、それよりあの腕が持ってるのって、どう見てもビリーが持っているような拳銃――!」



バァァァンッ!


マシュ「がっはーーー!?」

茨木「魔酒の眉間にぶち込んだーーーッ!?」ガビーンッ!


148: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 19:38:24.87 ID:iMg8tRJp0

デオン「しまった! これはマシュがターゲットのプレゼントだったんだ!」

エリザ「えっ、何? どういうこと!?」

茨木「吾らが見ても空だったのに、魔酒が覗いた途端に腕が生えて、銃をぶっ放した。つまり最初から標的を絞っていた、ということよな」

エリザ「そうじゃなくって! なんでマシュに拳銃をぶっ放す必要があったの!?」




??「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け……」

三騎「あっ」

??「ふふふっ。驚いてますね。じゃあこの勢いを保ったまま……!」

??「BB---! チャンネルーーーッ!」


149: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 19:46:45.99 ID:iMg8tRJp0

ザザーッ ピロピロピロピロピロ…… シャキーンッ


BB?「はい、というわけでやって参りました東京!」

BB?「BBチャンネル出張版、たった今からスタートですっ!」

BB?「司会進行は御覧の通り、いつもの邪悪で可愛いあなたの後輩、BBがお送りいたします!」

エリザ「……」

エリザ「えっ? BB? BBなの?」

BB?「はい? どこからどう見てもBBちゃんですよ? エリザさん、どうかしたんですか?」

BB?「鳩がツノトカゲの血液ビーム食らったような顔してますよ!」

エリザ「例えがマニアックすぎるわよ! 爬虫類に詳しいヤツじゃないとわからないわよ!」

デオン「どうでもいい!」

茨木「……確かにこの、なんだ? 意味があるようでまったくないクソトークはBBのものだな?」

デオン「ああ、だが大問題だ。コイツが本物のBBだとすると……!」

エリザ「あ、あなた……何したの?」

BB?「見ての通りですが?」

デオン「やっぱりなのか……!」




デオン「マシュの体を乗っ取ったのか!」ガビーンッ

マシュの姿をしたBB「はいはーい! 大正解! ハワイにご招待してあげましょうか?」キュピーンッ


150: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 19:53:06.79 ID:iMg8tRJp0

デオン「マシュの人格はどうした、ド外道」

マシュBB「名前で呼んでくださいっ」キラーンッ

エリザ「マシュの人格を返しなさいよクソ外道」

マシュBB「名前で呼んで……」

茨木「羅生門大怨起で解除できるか?」

エリザ「よく見なさい。どう見てもバフじゃなくってバステでしょうが。無理よ」

茨木「ふむ。そうか。ならば吾にできることと言えば、コイツに罵詈雑言を浴びせることだけだな」

茨木「くたばれ超外道ッ!」ガァッ

マシュBB「最終的には泣いちゃいますよー?」


151: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 19:56:34.04 ID:iMg8tRJp0

マシュBB「大丈夫ですよー。肉体の主導権を握っただけで、マシュさんの人格にはノータッチですから」

マシュBB「聞こえないでしょうが、今も私の脳内ではマシュさんの声がガンッガン響いてるんですよー?」

マシュBB「え? 何? ふんふんなるほど……」

マシュBB「子ギルくんの体操服礼装、どうしてないんですかって? 運営に要望でも出してみましょうよマシュさんっ!」

デオン「絶対にそんなこと言ってないだろうな」

エリザ「なんかマシュなら言いそうな気が一瞬だけしたけど、よく考えてみたら言うわけないわね」

茨木「なんか凄く言いそうだがな? 何故だろうな?」

マシュの人格(言いませんよッ!)ガビーンッ


152: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 20:02:06.34 ID:iMg8tRJp0

デオン「……まあお前のことだろうから飽きたらやめるだろうが……」

エリザ(逆に言うと飽きるまでやめないんだろうけどね……)

デオン「次の疑問に移るか。お前の本体はどうした?」

マシュBB「分霊みたいなことをしてるだけだから、ちゃんとカルデアにいますよ!」

マシュBB「ちなみに、結構無理してます。本体と分身の私、どっちも人格を維持しているだけで頭が割れそうに痛いです」

デオン「さっさとやめてしまえ。そして私たちの旅から疾く失せろ」

エリザ「デリート! デリート!」

茨木「でざーと! でざーと!」

マシュBB「味方がどこにもいねぇ……!」


153: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 20:10:39.83 ID:iMg8tRJp0

マシュBB「まあまあ。そんなことは言いっこなしですよ。せっかくサポートに来たのに」

デオン「なんだと?」

マシュBB「監視、ちょっと手ぬるいなって思って。もうちょっとカメラをグレードアップさせようかなって」

マシュBB「流石にそこまでやるんなら私が直接手を汚さないと、なので。こうしてイレギュラーな手段で来たってわけです」

デオン「……」

エリザ「……」

茨木「……」

デオン「紅茶でも淹れよう」

茨木「東京ば●奈でも食べるか?」

エリザ「肩揉んであげましょうか?」

マシュ(変わり身早ッ!)

マシュBB「現金過ぎですね」

デオン「ふっ。なんのことだ? 親友よ」ニコリ

エリザ「LINE交換する?」

茨木「簒奪した品の分け前についての説明はこの書物に記しておいたぞ? 何、同胞なのだから当然よ」ニヤァ

マシュBB「あははっ。私利私欲見え見えで反吐が出るような仲良しごっこをありがとう」ニコニコ


154: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 20:11:16.66 ID:iMg8tRJp0

休憩します!


156: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 20:36:27.61 ID:iMg8tRJp0

十分後

マシュBB「……というわけで、私がここからカメラ搭載ドローンで二人を監視する感じで」

エリザ「これ私のときにも使われるんだ、と思うと複雑だけど、今は心強いわ。やるじゃないBB」

マシュBB「えへへー。それほどでもー!」

エリザ「でもマシュの顔でBBの笑顔されると吐きそうになるから笑わないで?」ニコニコ

マシュBB「そろそろ訊こうかと思っていたんですが、なんでみんな私に当たり強いんですか。この旅を手配したのも私ですよ?」

デオン「自分を知れ」

茨木「そもそもBB。汝、吾らのこと好きじゃないだろう?」

BB「……」

BB「てへっ?」

デオン「お前のそういう自分に不利な質問をされたときに適当にはぐらかすところを一番信用していない」


157: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 20:40:32.45 ID:iMg8tRJp0

エリザ「ねえ。さっそくコレ飛ばしてみせてよ」

マシュBB「えー。今ですかー? しょうがないですねー」


カチッ ブゥゥゥン


デオン「おお。飛んでるな」

茨木「ふむ。だが動かせない、というのでは笑い話にもならんぞ?」

マシュBB「大丈夫ですよーっと。ほらほら」

ブゥゥゥン

エリザ「きゃあ!? こっちに飛ばさないでよ!」

マシュBB「逃げろ逃げろーーー! 迷宮の出口に向かってよーーー!」ゲラゲラ!



ザザッ


BB(ん? 本体の方で何かがあったようですね。一体何が……ッ!)


158: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 20:44:44.41 ID:iMg8tRJp0

カルデア

BB「なんか心配になっちゃって、ついに巌窟王さんの方にもカメラ飛ばしちゃいました……」

BB「さぁて、どうなってるかな。そろそろ脱出できたかなー」


ピッ



巌窟王「」プカー

赤松「巌窟王さんが水槽の中でぷかぷか浮いてるーーーッ!」ガビーンッ!

最原「巌窟王さーーーんッ!」


ガブガブガブッ


百田「ま、まずい! 巌窟王がピラニアに食われッ……!」

巌窟王の骨「」ジャァァァン!

アンジー「骨になっちゃったね」

最原「今度こそ絶対死んだーーーッ!」ガビーンッ




BB「ブーッ!?」


159: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/11(月) 20:47:43.14 ID:iMg8tRJp0

マシュBB「がっ、巌窟王さーーーん!?」ガビーンッ

エリザ「ぎゃあああああ!」ガリガリガリッ

茨木「おいBB! BB! エリザの角がドローンに削り取られているぞ! BBィーーーッ!」

マシュBB「……あっ。令呪一角で復活した……よかったー、ギリギリ間に合って」フー

エリザ「なくなるー! なくなるー! 私のチャームポイントがなくなっちゃうー!」ガリガリガリッ

デオン「やっぱりBBは信用するべきじゃないな」


163: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 22:13:14.74 ID:3k0JJ4pp0

ぐだ男&ジャックサイド

ジャック「……」

ジャック「今、なんて言ったの?」

ぐだ男「俺の家はしばらく連れて行かない。このままどこかで遊ぶぞ」

ジャック「マジカルなステッキの出番?」ギャランッ

ぐだ男「ナイフだそれは。落ち着け」

ジャック「マジ狩る腹裂くー……」キャルンキャルン

ぐだ男「物騒な呪文やめて。仕方ないだろ、うちの両親二日酔いなんだから」

ジャック「むー」

ぐだ男「その代わり、今からドンキ行って、適当なボール買ってさ。公園で遊ぼう?」

ぐだ男「ダメか?」

ジャック「……仕方ないなぁ」ニコッ


164: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 22:16:40.92 ID:3k0JJ4pp0

ドンキ

ジャック「狭い! 棚が高い! 凄い!」キラキラキラ

ぐだ男「いつ来ても圧迫感あるよなー……えーとボールはっと……」キョロキョロ

ジャック「おかあさーん! お菓子も買っていい?」

ぐだ男「五百円までに抑えろよー」

ジャック「はーい!」

ジャック「……」

ジャック「きのこ? たけのこ?」

ぐだ男「宗教戦争が起こるから、その二つはやめてくれ」


165: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 22:23:09.82 ID:3k0JJ4pp0

ジャック「むいー。五百円で買える量って結構少ないね?」

ぐだ男「充分だ充分」

店員(あの二人、兄妹かしら。ふふ、随分と微笑ましい……)

ジャック「おかあさーん、あれ何ー?」

店員「!?」

ぐだ男「……大人の玩具だな。ジャックには必要ないかなー」

ジャック「ふーん」

店員(えっ。おかあさん? 若っ! そして男っぽい!)ガビーンッ

ぐだ男(あの店員やたらこっち見て来るな……?)


166: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 22:34:11.74 ID:3k0JJ4pp0

公園

ぐだ男「ということで辿り着いたぞ、公園!」

ジャック「わーい!」

ぐだ男「ボールを持てい!」

ジャック「はーい!」

ぐだ男「……何して遊ぼうかな……トス、レシーブ、二人でのリフティング……」

ジャック「……」

ぐだ男「ジャック?」

ジャック「あれなーに?」

ぐだ男(と、言ってジャックが指さしたのはブランコだった)

ぐだ男(二つ席が並んでおり、もう片方では母親が娘のブランコを押してやっている)

ぐだ男「ブランコだな」

ジャック「そうじゃなくって、後ろであの女の人は何してるのかなって。危なくない?」

ぐだ男「……」

ぐだ男「よし。最初はアレ乗るか」

ジャック「?」


167: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 22:43:24.68 ID:3k0JJ4pp0

ジャック「あははははははっ! 楽しいー!」

ぐだ男「おーう。それはよかった。もっと押すかー?」

ジャック「あははっ! 落ちちゃうよー!」

ぐだ男(お前の身体能力なら一回転したところで問題なさそうだけどな)

おばちゃん「あら。妹さん?」

ぐだ男(隣でブランコ押してたお母さんに話しかけられた)

ぐだ男「みたいなものです」

おばちゃん「ふふっ。いいわね、仲良くて」

ぐだ男「家族ですからね」

ジャック「おかあさーん! ジャンプしてみてもいいー?」

ぐだ男「絶対にやめろ! 色々バレる!」

おばちゃん(おかあさん?)


168: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 22:49:33.11 ID:3k0JJ4pp0

十分後

娘「一緒に遊ぼう! 砂場で山とか作ってみよう!」

ジャック「いいよー! 最終的には蹴って崩そう!」


キャイキャイ


ぐだ男(なんか流れで仲良くなってしまった……まあ情操教育的には良さそうだし、いいか)

おばちゃん「ふふっ。ごめんなさいね。うちの子と遊んでもらっちゃって」

ぐだ男「いえ。こちらこそ」

おばちゃん「ところで、砂場ってたまにとんでもない物が埋まってたりするから、後で手は洗わせないとダメよ?」

ぐだ男「とんでもないもの?」

おばちゃん「犬とか猫とかのフンとか」

ぐだ男「……気を付けておきます」

ぐだ男(手慣れてるなー)

ぐだ男「……」

ぐだ男(ああ、平和だ! 地縛霊が強化されたり、無駄にチャフをバラまいたりしない!)

ぐだ男(帰ってきてから一番平和かもしれな――!)

ジャック「ん?」ピクッ

ぐだ男「お?」


169: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 22:56:17.97 ID:3k0JJ4pp0

ジャック「ねえ。このバケツで水をくんできてくれない?」ニコニコ

娘「うん、いいよ! すぐに持ってくるねー!」

ジャック「……」スンッ

ぐだ男(ジャックは友達が自分から視線を逸らし、背を向けた時点でナイフを取り出した)

ぐだ男(あの角度からだと彼女の体に隠れておばちゃんからは何も見えないし、友達は言わずもがなだろう。背中に目玉でも付いてない限り)

ぐだ男「ジャック!?」

ジャック「ひょいっと」ブンッ!

ぐだ男(ジャックは一息でナイフを投げた。道路側に向かって)

ぐだ男(ナイフは道路を走っていた車のタイヤに激突。パンク音が響き、大きくバランスを崩した車体はガードレールにぶつかって停止した)


ガシャァァァン!


娘「えっ!?」ビクッ

おばちゃん「……事故?」

ジャック「おかあさーん! あの車、交番の指名手配の写真に載ってた人が乗ってるー!」

ぐだ男「はっ?」

ジャック「児童性愛者で連続殺人鬼のやばい人が乗ってるー!」

ぐだ男「はあっ!?」ガビーンッ!


170: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 23:04:46.85 ID:3k0JJ4pp0

連続殺人鬼「ぐ、ご……!」ガチャリンコ

ぐだ男(中から血を流しながら出てきたのは、確かに人相が悪い男だった)

ぐだ男「……えーと、ちょっと待て。ちょっと待てよー……確かにあの顔は見覚えがある!」

ぐだ男「まずい。なんてこった! 人違いじゃない! 本物だ!」ガビーンッ

ジャック「あと、多分中に数人……うん、一応数人いる」

ぐだ男「……なんで『一応』なのかわかっちゃったよ。クソッ!」

おばちゃん「な、な……!?」ガタガタ

ぐだ男「ジャック! 面倒なことになる前にアイツを――!」

連続殺人鬼「ひっ! く、来るな! 中にいるヤツを殺すぞ!」

ぐだ男「……ッ!」

ジャック「……」

ジャック「え? もう死んでいる人を、どうやって殺すの?」

連続殺人鬼「なっ……!?」

連続殺人鬼「……」

ジャック「……」

ジャック「あはっ! バカだね! 苦し紛れでも反論すればバレなかったのに!」ニヤァ

連続殺人鬼「!?」

ぐだ男(このロリおっかねぇーーー!)ガビーンッ!


171: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 23:17:20.42 ID:3k0JJ4pp0

連続殺人鬼「……はっ! なら別にいいさ! 人質なんて現地調達できるんだからなぁ!」ダッ

娘「え?」

ぐだ男「まずい! ジャック!」

ジャック「はぁい」ヒュパッ

連続殺人鬼「捕まえたァ」ガシッ

娘「い、いやあ! 離して!」

ジャック「大丈夫。もう離れてるよ」


ズルッ

ボトッ


連続殺人鬼「……」

連続殺人鬼「は? 俺の……手首が……?」

ジャック「綺麗に切ったから、今すぐ手術すればくっつくよ?」ニコッ

娘「……」

娘「」フッ バターンッ

ぐだ男「あーーー! いたいけな少女に余計なトラウマができたーーー!」ガビビーンッ

おばちゃん「……」ガタガタ

ぐだ男(彼女に至っては恐怖で喉が機能してない! 本当にごめんなさい!)


172: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/12(火) 23:28:26.53 ID:3k0JJ4pp0

連続殺人鬼「ひ、い、ぎゃああああ! 助けっ――!」

ジャック「当然助けないよ?」ヒュパッ

連続殺人鬼「ほべっ」ドターンッ

連続殺人鬼「あ、あれ……俺の足……俺の足首が……!?」ウゾウゾ

ジャック「いもぉーむしー」ルンルン

ぐだ男「粉雪のリズムで残酷なワード口ずさむのやめてくれ!」


ズシュッ グチャッ バキッ


連続殺人鬼「ぎゃああああああああああっ! や、やべて……死にたくな……死にたくない……!」

連続殺人鬼「お、お願い、助けて……!」

ジャック「なんで?」

ぐだ男(なんで!?)ガビーンッ

ジャック「あなたが殺した女の子たちは、同じことを言わなかったの?」

連続殺人鬼「あ、あぎゃ、いぎいいいい……!?」

ジャック「どっちにしろ殺さないけどね。おかあさんに怒られちゃうもん」

ジャック「ねっ?」ニコニコ

ぐだ男「……」

ジャック「殺した方がよかった?」

ぐだ男「いや、いい。それでいい。切り口綺麗だから確かに手術すれば問題なくくっつきそうだしな……」

ぐだ男(流石に両手両足はやり過ぎだけどな……)

ぐだ男「失血死しないよう最低限の処置はしてやれ。後はもう全部BB頼みだ」

ジャック「はーい!」

ぐだ男(すまん、BB)


177: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 19:57:54.04 ID:XTNvSKUc0

ジャック「ふいー! 終わったー!」キラキラキラ

ジャック「さーてとっ。それじゃあ砂の山の続きを……?」

ジャック「あれ? 寝てる。しょうがないなぁ、こんなところで」

娘「」チーン

ぐだ男(ショッキングすぎる絵を間近で見た挙句に、かなりの血飛沫を浴びたんだから仕方ないよなぁ……)

ぐだ男(……)

ぐだ男(そういえば最初は俺も、ジャックの蛮行を見たときは吐いたな……イヤな慣れだ)

ジャック「ねえ。大丈夫? そんなところで寝たら風邪引く……」

おばちゃん「……!」ダッ


ドンッ


ジャック「きゃっ」

ぐだ男「ジャック!」

ぐだ男(おばちゃんが友達を心配するジャックを突き飛ばして、気絶してぐったりしている小さな体を抱き上げた)

ぐだ男(……まあ、これだけやったら当然の反応か)

おばちゃん「……」ガタガタ

ジャック「……え? どうしたの? 私たち、何かした?」

ジャック「なんでそんなに怖い顔で睨むの?」

ぐだ男「ジャック」

ジャック「……助けてあげたのに……ねえ。なんで?」

ぐだ男「ジャック!」

ジャック「……」

ぐだ男「行こう。人が集まると逃げきれなくなる」

ジャック「……うん、わかった」


178: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 20:09:19.59 ID:XTNvSKUc0

虚構殺人遊戯 才囚学園

最原「そうか……犯人は星くんの研究教室と、体育館の間をロープウェイで移動したんだ!」

星「なるほど。俺の研究教室と体育館の窓だと、俺の研究教室の方が高いからな。一方通行だがトリックは成立させられる」

百田「決まりだ! 犯人は巌窟王の死体を、星の研究教室から体育館まで直に運んだんだ!」

アンジー「……」

アンジー「うーん、本当にそうかなー?」

最原「えっ?」

真宮寺「おや? 夜長さんには、何か反論があるみたいだネ」

アンジー「いや、痕跡は残っているから、トリックが使用されたという一点のみは賛成なんだけどさー……」

アンジー「それ、かなり難しくないかなって思っただけなんだよねー」

最原(難しい……?)

巌窟王「……アンジー。余計なことを言うな」

アンジー「おっと。ごめんなさい神様」

春川「……前から訊きたかったんだけど、夜長はなんでソイツのことを神様って呼んでるの?」

巌窟王「その説明は面倒だ! 省け!」ギンッ

最原(今更だけど、被害者が議論に参加している殺人事件って前代未聞だよな……)ズーン


179: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 20:21:20.01 ID:XTNvSKUc0

最原(……いや、待てよ。巌窟王さんを見て気付いたけど、アンジーさんが言った『難しい』の意味って……!)

最原「体格……?」

巌窟王「!」ギクリ

最原「そうか。手作りのロープウェイで、ただでさえ足場が不安定なのに、巌窟王さんの体を乗せた状態でロープウェイを使うのは……!」

入間「犯人自身の体重も加わっていたはずだから、発車、走行中、停車のいずれにおいても危険度は高ぇーだろうな?」

入間「言うなれば……夜の田舎道を全裸で歩くようなスリル……あぁん、想像しただけで……!」

王馬「入間ちゃんって本当存在自体が不快だよね」

入間「」

アンジー「ちなみに神様の身長は185cm、体重は75kgだよー!」

巌窟王「アンジー!」

アンジー「……ごめんなさい」シュン

最原(……? なんだ? 巌窟王さんのさっきからの態度……)

最原(焦ってる?)

百田「確かに不可能じゃないにしろ、かなり難しそうだな……」

春川「そもそも、最原の推理が間違ってるって線は?」

赤松「痕跡がこれだけ残っているんだから、今更その線を考えるのは難しいと思うんだけど……」

巌窟王「どうでもいいではないか! 俺の死体はロープウェイで運ばれたのだ!」

巌窟王「その点を加味するに、既に怪しい人物を指摘することすら可能なはずだが!?」

最原「……」

最原(やっぱりだ……巌窟王さんは何かを隠している!)

最原(確かに今の段階でも犯人を指摘することは可能だけど……)

最原(……?)

最原(……そう、か! 巌窟王さんが隠したいのって、もしかして!)


180: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 20:29:35.48 ID:XTNvSKUc0

最原「……事件の全貌が見えたかもしれない」

茶柱「わかりました! やっぱり最原さんの推理が間違っていたんですね!」

最原「違くてさ。そもそもの話、僕たちが星くんの研究教室に目を付けたのって、水槽の中に手錠が落ちていたからだよね?」

最原「僕たちはさっきまで、巌窟王さんを溺死させるときに、抵抗を弱めるために手錠を付けたものだと思っていたけど……」

最原「だとしたら、どうして手錠が水槽の中に落ちてたのかな? 溺死させた後でしまえばよかったのに」

巌窟王「……」ギリッ

東条「そう言われると不自然ね……単純に鍵が見つからなかった、という可能性は?」

夢野「星に嫌疑をかけるため、あえて残しておいたとも考えられるのう」

最原「多分これは犯人のちょっとした工作の副産物だよ」

百田「ちょっとした工作、だと?」

最原「……ひとまず、最初から考えてみよう」

最原「巌窟王さんの、本当の『死因』からさ!」ズバァァァンッ!

巌窟王「ぐぅっ……!」グサッ


181: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 20:41:44.66 ID:XTNvSKUc0

入間「水の中にいたんだから溺死だろ? あったりまえじゃねーかダサイ原」

最原「それなんだけど、モノクマファイルには巌窟王さんの死因が書かれてなかったんだよ」

最原「というか全体的に、今回のモノクマファイルは当てにならないほど情報がなかったよね?」

百田「死亡推定時刻すらわかんなかったからな……犯人のトリックの要なんだから当然だけどよ」

キーボ「……この話運びからすると、最原クンにはもうわかっているんですね? 巌窟王さんの本当の死因が」

巌窟王「……話を脱線させるな。もう犯人など決まっているだろう」

最原「……」

最原「巌窟王さんの本当の死因は『失血死』だ」

巌窟王「ちぃっ……!」

赤松「し、失血死? 溺死じゃなくって……?」

最原「星くんの研究教室のシンクを調べた人ならわかると思うんだけど、あれって事件発覚後には過剰なほど洗浄されてたんだよ」

百田「ああ。すっげー薬品臭かったな。多分アレは漂白剤、か?」

最原「変だよね。ただの溺死なら、こんなにシンクを洗う必要なんかないのに」

最原「逆に言うと、あのシンクは洗われる前は、なにか取り返しの付かない汚れがビッシリ付いてたんじゃないかな?」

最原「つまり……巌窟王さんの血で汚れていたはずなんだ!」

最原「いや、それどころじゃない。多分、巌窟王さんの血でシンクが満たされていたはずだ!」ズバァァン!

茶柱「み、満たされていたッ!?」ガビーンッ

白銀「血液でッ!?」ガビーンッ!


182: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 20:48:59.90 ID:XTNvSKUc0

真宮寺「ククク……なるほどね。話が見えて来たヨ」

真宮寺「犯人は巌窟王さんの血液を抜き、体重をその分だけ削減した……最原くんはそう言いたいんだネ」

真宮寺「でも最原くん、その推理には穴があるよ」

最原「犯人は血を抜いて巌窟王さんの体重を軽くしたいのに、人体から血液を抜くと死んでしまう……って点なら解決できるよ」

真宮寺「え?」

茶柱「えーっと……最原さんは当たり前のことを何しみじみと言っているんですか?」

春川「医学的に、人体から血液をすべて抜くのはほぼ不可能って話だよ」

春川「まず出血が起こるのは『心臓が動いている間のみ』だからね」

百田「終一の推理は『巌窟王の死体を軽くするためには血液を抜く必要があるが、血液を抜くと血流が止まる』っつー矛盾があるわけか」

最原「平気だよ。それでも人体はかなり軽くなるはずだ」

最原「巌窟王さんが死にそうになる度に『蘇生』させればいいんだからさ!」

巌窟王「よせ……その先は地獄だぞ」ギリィッ!


183: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 20:59:25.64 ID:XTNvSKUc0

最原「星くんの研究教室には送球装置があったんだけどさ。それのコンセントが不自然に切断されていたんだよ」

最原「多分、犯人は巌窟王さんの体を生きた状態でシンクに固定して、手首かどこかを切り裂いた後、水をためたシンクに手首を突っ込ませたんだ」

最原「おそらくそのときの巌窟王さんの姿勢は、傷が心臓の位置より低くなるように、身をシンクの淵に寄りかからせる形になっていたはずだよ」

最原「気絶させた巌窟王さんの死体から血液を抜いていく過程で、巌窟王さんが死にそうになったときに……」

最原「犯人は切断したコンセントを使って巌窟王さんの体にショックを与えたんだ」

入間「……は!? なんだその超原始的AED! マジで言ってんのか!?」ガビーンッ

最原「乱暴でも後遺症が残ってもどうでもよかったはずだよ。だって、最終的には殺すんだからさ。いくら乱暴でも構わない」

赤松「……ちょ、ちょっと待って。最原くん。何を言って……!」

最原「こうやって犯人は、巌窟王さんの体から血を抜き、死にそうになったらショックで蘇生させ……」

最原「また血を抜いて、死にそうになったらショックで蘇生させ……」

最原「それを何度も何度も繰り返して……!」

東条「待って。仮にそれで致死量を遥かに超える量の血を抜いたとしても、まだ彼の体はかなりの重さが残っていたはずよ?」

東条「そんな工作をしたところで、気休めにしかならないわ」

最原「……」

最原「折りたたんだんだ」

キーボ「は?」

巌窟王「ッ!」


184: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 21:08:18.06 ID:XTNvSKUc0

最原「巌窟王さんはマントを着こんでて、その体は水槽の中でもほとんど隠れてたけどさ」

最原「そのときの巌窟王さんの五体は、果たして無事だったのかな?」

白銀「ピラニアに食べられちゃったわけだから、地味に無事じゃないよね?」

最原「その前は?」

赤松「……ピラニアに食べられる前の、巌窟王さんの状態?」

王馬「うーん、わからないなー……『誰かさん』がアンジーちゃんを急かして、巌窟王ちゃんをさっさと蘇生させちゃったからね」

王馬「ほとんど検視はできなかったんだよねー。誰かさんのせいで!」

最原「……」

最原「僕は……覚えてるよ。巌窟王さんの骨、特に手足の関節や骨は、外れていたり折れていたり、酷い有様だった」

アンジー「アンジーも覚えてるよー! 神様のことを一瞬たりとも見逃せないからねー!」キラキラキラ!

アンジー「あ、なんならその光景を絵に描いたものを持ってきてるけど?」

赤松「い、いい。見たらなんか気分悪くなりそうだから……」

百田「……終一。折りたたんだって、まさか……!」

最原「重さを軽減できたら、次は大きさだ。そのときの巌窟王さんの状態が無事だったとは思えない」

最原「不自然に残ったあの手錠は、多分留め金の代わりに使われたんだ」

最原「巌窟王さんの死体は、あの時点では『自分の胴体を自分の手足でがんじからめに縛り付け、それを手錠でロックする』ような姿勢だったはずだよ」

赤松「えっ!?」

天海「……それは……想像もしたくないっすね……」

天海「だとすると、巌窟王さんがさっきから妙に焦っているのは、それを思い出したくないから?」

アンジー「神様には忘却補正があるから、元から何一つとして忘れないってー!」

巌窟王「……」


185: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 21:13:54.08 ID:XTNvSKUc0

王馬「にししっ! いやぁ、そうかそうか! わかっちゃった! 巌窟王ちゃんも優しいよねー!」

王馬「ねえみんな! 仮に最原ちゃんの推理が本当だったとしたら、犯人はどんな人物だと思う?」

茶柱「ど、どうって……」

赤松「ここから出るためだからって、私たちを信じてくれていた巌窟王さんを拷問じみた手段で殺して……」

赤松「しかも、殺した後も巌窟王さんの体をまるで物みたいに扱って……!」

赤松「……」

王馬「許せない。いや……そうは思ってないヤツも『怖い』とは思ったはずだよ」

王馬「思い出してほしいんだけど、巌窟王ちゃんの理念は『全員揃っての脱出』でしょ?」

王馬「だとしたら、間違っても言えないよねぇ……自分を殺した人間が、まさかそんな残酷なヤツだったなんて!」

巌窟王「……」

東条「確かに……ここまでの蛮行を犯した人間と、今まで通り接することができる人なんていないでしょうね」

春川「今回のクロもどうせ巌窟王が助けるんだと思っていたけど、この分だと考え直した方がいいかもね」

巌窟王「春川……」


186: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 21:20:29.73 ID:XTNvSKUc0

百田「で? どうなんだ巌窟王! お前、本当にそんな酷ェ殺され方したってのかよ!」

百田「それでもお前は黙ってるってのかよ!」

巌窟王「……」

赤松「巌窟王さん、答えて……! 全部覚えてるんでしょう? だったら……!」

最原「……その献身は、間違ってるよ」

巌窟王「何?」

最原「いくら僕たちを助けるためだからって……自分のことをそこまで犠牲にするなんて」

最原「自分の死の真相を隠そうとするなんて……!」

最原「そんな献身なら、僕たちはいらないんだ!」

巌窟王「――」

巌窟王「くは……は……」

巌窟王「クハハハハハハハハハハ」

巌窟王「クハハハハハハハハハハハハハハ!」



巌窟王「違う、違う違う!」反論!


187: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 21:28:18.86 ID:XTNvSKUc0

巌窟王「献身……献身と宣ったか? よりにもよってこの俺にッ!」

最原「えっ?」

巌窟王「ならば答えてやろう。俺の死因は溺死だッ! それ以上でも以下でもない!」

最原「う、嘘だ! それなら何で、さっきの巌窟王さんは焦ってたんだよ!」

巌窟王「そんなことはどうでもいい! 被害者の俺自身が証人だ!」

巌窟王「お前の推理は間違っているぞ! 一丁前に調停者を気取るな、探偵!」ギンッ!

最原「……」

最原「曲げる気はない」

巌窟王「なにィ?」

最原「僕は……僕自身のために、この主張を曲げる気はない」

最原「真相を知らなきゃ、僕たちは前に進めない!」

最原「どんな罪を犯したのか知らないと、僕たちは何も許せない!」

最原「何よりも、あなたの名誉のためにも、この裁判は中途半端なところで終わらせちゃダメなんだッ!」

巌窟王「……許すため、と来たか。俺には永遠にない発想だな」

巌窟王「いいだろう。そこまで言うのならば覚悟を決めろ。俺は容赦はしない」

巌窟王「貴様の推理で! 俺の反論を! 見事斬り伏せてみせろッ! 最原終一ィ!」ボウッ!


188: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/13(水) 21:32:01.32 ID:XTNvSKUc0

カルデア

BB「おおー。なんか盛り上がってきましたねー。あの巌窟王のガン飛ばしに堪えるなんて、あの子も中々肝が……」


prrrrr


BB「っと、マスターから電話だ。いいところなのに」


ピッ


BB「はいはーい、こちらBBちゃんでーっす。どうかしましたかー?」

ぐだ男『BBィーーー! 今ちょっと警察に追われてるんだけど、どうしたらいい!?』

BB「いいところだったのに超の付くほどのハードワーク持ってきましたねぇ!」ガビーンッ!


199: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/14(木) 20:21:32.58 ID:Q+OkZrTU0

ジャック「おかあさーん。大分包囲網が完成してきてるから、最終的には何人か解体しないとダメになるかも」

ぐだ男「我慢して! 最悪の場合、俺が全部の罪背負って逮捕されるから!」

ジャック「えー? やだ」

ぐだ男「というわけで、俺が逮捕されて警察の人たち皆殺しか、逃げ切って全部丸く収まるかのどちらかだ!」

ぐだ男「助けてくれ!」

BB『あっあー……随分と楽しいことになってますね』

BB『うーん、いつもなら無駄に遠回りさせて面白おかしく甚振った後で助けるんですが……』

ぐだ男「おい」

BB『今はちょっとこっちも別件で忙しいので、全力を尽くしましょう!』

BB『そうですね。近くのカーショップにオートパイロット搭載の試験車があるので、それに乗ってくれれば脱出させます』

ぐだ男「カルデアから操作するのか? ラグが酷くなるだろ」

BB『今は大丈夫です。今はね』

ぐだ男「……あー?」


200: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/14(木) 20:24:52.83 ID:Q+OkZrTU0

ぐだ男「まあいい! とにかくカーショップにゴーだ!」

ジャック「あはは! 今日はもうずっと楽しいね、おかあさん!」

ぐだ男(お前はそうだろうけどなぁ)



五分後


店員「いらっしゃいませー」

ぐだ男「ジャック!」

ジャック「はいはーい!」


ザクッ


バラッ


全裸の店員「……」

全裸の店員「きゃー!?」ガビーンッ

ぐだ男「おーっし! 今の内だ! さっさとオートパイロット付きの車を探すぞ!」

BB『いやぁー、手段を選んでられない状況とは言え、最低ですねー』

ぐだ男「平和的に無力化させただけだ!」


201: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/14(木) 20:30:18.42 ID:Q+OkZrTU0

ぐだ男「……ナンバープレート確認! これだな!」

ガチャリンコ

ぐだ男「乗ったぞBB!」

BB『体験用の車だから、営業中は当然鍵がかかってないと思いましたとも!』

BB『ハッキング開始!』

BB『完了!』

ぐだ男「速ッ!」

BB『あとはマシュさんに乗り移った私ゲフンゲフン、じゃなくて紛れもなく私が操作します!』

ぐだ男「……」

ぐだ男「……は? 今、なんて?」

BB『質問は受け付けなーーーい!』


ギュイイイイインッ!


ぐだ男「いげっ」

ジャック「うわ、酷い運転」

BB『最後のガラスをぶち破れーーー!』


ガシャーーーンッ!


ぐだ男「余罪がどんどん増えて行ってる気がするーーー!」ガビーンッ!


202: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/14(木) 20:35:35.03 ID:Q+OkZrTU0

BB『一晩の間、絶対安全に過ごせる隠れ家を用意しましょう』

BB『一晩もあれば、後は私があなたたちの罪を綺麗さっぱり痕跡すら残さず消してあげますよ』

BB『カースド・キューピッド・クレンザーです』

ぐだ男「それそんな宝具だったっけ?」

BB『ま、いいじゃないですか。どうでも』

ぐだ男「まったく……」

ジャック「おかあさん。この先、多分検問所だけどどうするの?」

ぐだ男「……おい。加速してないか?」

BB『え? そうじゃないと検問所をぶち破れないでしょう? 当たりまえじゃないですか』

ぐだ男「ジャックー。衝撃がかかるだろうからシートベルトしめておこうなー」カチャカチャ

ジャック「はーい!」カチャカチャ


203: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/14(木) 20:45:48.64 ID:Q+OkZrTU0

ガシャァァァンッ!

警察官A「ぎゃあああああああ!」

警察官B「イ゛ェアアアアアア!」

警察官C「ひでえぶすっ」

ジャック「あははははははっ! 人がゴミのようだー!」

ぐだ男「あはははははは。もう何も見たくねぇー」

BB『全員死んでませんよ?』

ぐだ男「多分俺の心がそろそろ壊死する」

ぐだ男「……まあ、一段落したな。お母さんに今日は帰れないってメール打っても?」

BB『問題ありません』

ぐだ男「はあ……ある意味好都合だけどさ」ポチポチ

ジャック「二人きりだね、おかあさん」

ぐだ男「お? おう」

BB『いや私もいますけど』

ジャック「黙って? 解体されたい?」ニコニコ

BB『……はーいはい』


204: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/14(木) 20:52:54.87 ID:Q+OkZrTU0

BB(……ちっ。状況が状況だったとは言え、ハメられた感が満載ですね)

BB(辿り着く隠れ家は当然センパイの家ではなく、ジャックさんと二人きりで夜を明かす)

BB(近くに彼を助けるサーヴァントも当然いない。令呪で呼ぼうにも、呼ぼうとしたその時点で瞬殺できる俊敏の持ち主ですしねぇ)

BB(彼女の道徳心と常識の枷を一度でも解いてしまったらお終いですよ、センパイ)

ぐだ男「あー、腹減った」

ジャック「……」

ジャック「おなか……?」

BB(……)

BB(きっと! 大丈夫! 多分!)


205: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/14(木) 21:01:58.78 ID:Q+OkZrTU0

カルデア

BB「さてと。東京の方の私に後は任せるとして、こっちはこっちで視聴を続行しないと!」

BB「あ。もう投票終わって……あーあー見逃しちゃいましたよ」

BB「まあいいや。今からでも楽しくなりそうですし」



ブツンッ


ダヴィンチのアナウンス『えー。緊急連絡。緊急連絡』

ダヴィンチ『エジソンとテスラの大喧嘩の結果、カルデアのほぼ全電力系統にサージが発生』

ダヴィンチ『ごめんねー! 電源を落としちゃいけない重要機関以外の電力供給はストップさせてもらうよーん!』

BB「あんっの電気バカコンビ共ーーーッ!」ガビーンッ


電力が復旧した後、学園の方のゴタゴタはほとんど片付いていた。ただ当然BBには過程がわからなくなったが。
その後、BBの仕返しによってエジソンとテスラは『君の名は』状態になり、二人は自殺寸前まで精神が摩耗しました。めでたしめでたし。


209: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 18:48:55.50 ID:w+CSx/f80

マシュBB『はい到着ーーー! ここがあなたたちの隠れ家ですよー!』

ジャック「わーい! ついたー! 最悪の運転からやっと解放されるー!」

ぐだ男「繊細さの欠片もない運転だったな……!」

マシュBB『えへっ』

ぐだ男「ところでさっきから気になっていたんだが……」

ぐだ男「なんか声がマシュになってないか? BB」

マシュBB『……』

ぐだ男「……いや、気のせいか? 喋り方は完全にBBだもんな……」

BB(よかったー、電話越しで)


210: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 18:56:04.67 ID:w+CSx/f80

ぐだ男「で。ここが隠れ家、ね」

マシュBB『御覧の通りの廃ビルです。潰れる前はパチンコ屋だったそうですよ』

マシュBB『明日の夕方までは絶対に人っ子一人来ません。安心して休んでください!』

ぐだ男「食事はどうしたらいい?」

マシュBB『生活必需品はおおよそ中に取り揃えておいたので、中から一切でなくとも問題ないですよ!』

ぐだ男「……身から出た錆なんだからお前にこんなことを言うのは、本当、かなーり癪なんだが」

マシュBB『なんです?』

ぐだ男「マジでごめん。もうちょいソフトに事件を解決してたら、こんなことには……」

マシュBB『よしてくださいな。共犯者からの謝罪なんて聞きたくありません』

ぐだ男「……」

マシュBB『じゃ、そういうことで。あ、そうだセンパイ』

マシュBB『コンドームはあえて設置しておきませんでした! 褒めて!』

ぐだ男「ぶっ殺すぞッ!」


211: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 19:05:24.86 ID:w+CSx/f80

ぐだ男(……さて。電話を切った今気付いたが、BBは『外に出るな』とは言わなかったな)

ぐだ男(アイツが言ったのは、この隠れ家の安全性と利便性のみだ)

ぐだ男(理由はわかる。多分、アイツはジャックのことを警戒してんだろうなぁ)

ぐだ男(いざってときは逃げても構わない、か……余計な気を回してるな。ファッション系ラスボスめ)

ジャック「おかあさーーーん! なんでかわからないけど、中に高橋留美子作品が大量に揃ってるーーー!」

ぐだ男「余計な気を回しすぎだアイツは! 本当にッ!」

ジャック「見ないの?」

ぐだ男「見るよッ!」


212: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 19:15:56.43 ID:w+CSx/f80

ホテル

マシュBB「……別に今日も、昨日までみたいに観光しててもよかったんですよ?」

マシュBB「私だけでカメラのセットアップはできますし?」

デオン「それなんだが、無計画にじゃんけんでマスターに同行するサーヴァントを決めていた弊害が出てな」

エリザ「今日はジャックの計画していた観光プランを実行する予定だったんだけど、ほら、ね?」

マシュBB「ああ。その点をまったく考慮せずに送り込んだから手持無沙汰、と」

マシュBB「アホしかいないんですか、ここは」フゥ

茨木「ふん。バグの化身に言われたくはないな」

マシュBB「そういえば、昨日と一昨日の旅行計画は誰と誰のものなんですか?」

エリザ「昨日が私」

デオン「浅草が私だな」

茨木「明日は吾が計画した『すいーつびゅっふぇ蹂躙計画』よ。池袋にあるらしいからな?」ニヤァ

マシュBB「あ、それ私も興味ありますね。連れてってくれます?」

茨木「……汝を仲間外れにすると、魔酒も自動的に仲間外れになってしまうからな」

茨木「仕方あるまい」チッ

マシュBB「ありがとうございまーす!」ッシャァ!


213: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 19:28:45.99 ID:w+CSx/f80

マシュBB「お、映った映った……!」

デオン「む? ここは廃ビルか? なんでこんなところに」

マシュBB「色々あったんですよねー」

エリザ「そういえばBB。さっき子イヌと電話してたみたいだけど」

マシュBB「説明はしますけど、今は……よし。カメラの自動操縦AIは正常に機能中」

マシュBB「あとはセンパイにバレない限りはオールタイム監視です」

茨木「BBは頭がいいな。何故そんなに残念なのか不思議なレベルの頭の良さよ」

マシュBB「褒めるフリして貶すのやめてくれません?」

エリザ「……なんかもうマシュの姿をしたBBに慣れてきちゃったわ」

デオン「む。しまった。私もだ。もう違和感がない」

茨木「早めに解決しないと取り返しがつかなくなるかもな……?」


214: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 19:40:11.39 ID:w+CSx/f80

ジャック「……」

ジャック「鉄砕牙って初期と終盤で明らかに太さが違うよね」

ぐだ男「読むの早いな!?」ガビーンッ

ジャック「おかあさーん。お腹空いたー」

ぐだ男「はいはい。じゃあ何か作ろうか」

ぐだ男「……」

ぐだ男「インスタントしかねぇな。BBのヤツ、ツメが甘いぞ」

ジャック「お湯はあるよ? 電気通ってるから、ポットもあるし」

ぐだ男「うーん。味気ないけど……仕方ないか」


215: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 19:59:30.06 ID:w+CSx/f80

マシュBB「サーヴァントに食事は必要ないってもうわかってるはずなのになぁ」

エリザ「だって、本当にお腹が空いた気がするんだもの。要求くらいするわ」

デオン「……彼女の場合は本当にお腹が空いているのか疑問だけどな」

デオン「単純に甘えているだけかもしれない」

茨木「『甘えているフリ』をしているだけ、とも言えるな」

茨木「……吾はその気になれば全力でマスターに甘えることができるが、アレは違うだろう」

エリザ「そういうのやめましょう。気が滅入ってくるから」

茨木「くは。すまぬな」

マシュBB「……」

BB(なんかみんな思い思いの方向にぶっ飛んでる割には仲いいんですよねー)

マシュ(特異点で背中を預ける生活を続けていれば、さもありなんです)

BB(私も仲良くしたいなー!)キラキラキラ

マシュ(……ある意味でもう馴染めているような……いえ、なんでもないです)


216: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 20:11:10.05 ID:w+CSx/f80

マシュBB「……あ。忘れてた。そういえばこの状態だと……」

茨木「どうした?」

マシュBB「いえ。二つの人格を独立させた状態で一つの脳にぶち込んでいる状態だと、ちょっと困ったことがあって」

デオン「なんだ。こちらの問題か。いいだろう、もう消えていいぞ」

マシュBB「スイーツビュッフェ行くまで消えません!」

マシュBB「いえ、そんな大した問題じゃないんですよ。ただ『睡眠が必要になる』って副作用があるだけで」

茨木「……別に寝てもよいが」

マシュBB「寝方を忘れました」

エリザ「AI特有の悩みね」

マシュBB「ジャックさんの荷物ってどこです? 彼女には違法ラインの強力な睡眠剤を渡しておいたんですが」

マシュBB「今日はそれ使って寝ます」

デオン「それなんだが、BB。どうしてジャックにだけ色々と危険な玩具を渡したんだ?」

マシュBB「このメンバーの暴走を止めてくれるサーヴァントとして私が送り込んだ子ですからねー」

エリザ「えっ。聞いてないんだけど」

デオン(荷物の中に天然痘ウイルスがあったのは、そのせいか……)

エリザ「まあいいわ。ジャックの荷物はここよ」

マシュBB「さぁて、それじゃあ睡眠薬を拝借してっと……」ガサゴソ

マシュBB「……」

マシュBB「あれ? ない」

デオン「は?」

マシュBB「おかしいですね。ちゃんとここに入れておいたはずなんですが」

茨木「ここにないのなら、ジャックが持っているのではないか?」

エリザ「ああ、アレじゃない? 今、ジャックが子イヌの飲み物に砕いて混ぜた粉末」

マシュBB「ああ、アレですね」

デオン「あ。マスターが寝た」




全員「……」

全員「ジャアアアアアアアアアック!?」ガビーンッ!


219: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 20:37:09.87 ID:w+CSx/f80

ジャック「……さーてとっ。今から色々やっちゃうよ!」

ジャック「マシュと契約しているせいで防毒の加護があるからどうだろうなって思ってたけど……」

ジャック「問題なさそうだね。うーん、薬の類は通るのかな? わかんないや」

ジャック「じゃあさっそく」



prrrrrr!



ぐだ男「う、ぐ……電話……!?」

ジャック「あ、やっぱり効き目薄かった」

ジャック「ひょいっと」


スパッ


ジャック「携帯の処理終了。これで今度こそグッスリだよ、おかあさん!」

ぐだ男「ぐー」スヤァ


220: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 20:44:15.73 ID:w+CSx/f80

エリザ「今から賭けの内容変更していい?」

マシュBB「いやぁー。もうノーモアベットでしょう」

茨木「呑気だな」

マシュBB「……あっ、痛っ! やめっ……!」

デオン「ん?」

マシュ「先輩ーーーッ! 起きて! お願い起きてーーー!」

エリザ「あ。やっと肉体の主導権戻ったわね」

デオン「おかえりマシュ」

マシュ「ただいまです! そんなこと言ってる場合じゃないですけど!」

茨木「……ま、大丈夫であろうよ」

マシュ「えっ?」

茨木「仲間だぞ。信じてみせよ」

マシュ「……」

エリザ「いや丸め込まれちゃダメよ。茨木の言ってることは典型的な詭弁だから」

エリザ「世の中には信じちゃいけない仲間もいるでしょうに」


221: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 20:58:33.66 ID:w+CSx/f80

ジャック「何しよっかな。何しよっかな」

ジャック「……」

ジャック「そういえば茨木、おかあさんのこと食べてたけど……」

ジャック「そんなにおいしかったのかな?」


サクッ


ジャック「うーん……あんまりパッとしないなぁ。私たちの趣味じゃないや」ペロペロ

ぐだ男「ジャック……!」

ジャック「……」

ジャック「やっぱり効き目薄いね? あんまり効いてないでしょ」

ぐだ男「お、前っ……」

ジャック「なぁに、おかあさん。なんでも聞くよ?」

ジャック「……聞くだけ、だけど」

ぐだ男「別に睡眠薬なんてなくっても……俺は抵抗なんかしないぞ……!」

ジャック「……」

ぐだ男「怖がってるのか? いつもはこんな小細工、使わないのに……」


222: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 21:03:37.98 ID:w+CSx/f80

ジャック「……」

ジャック「忘れてたんだけどさ。私たちって、殺人鬼だったんだよね」

ジャック「おかしいよね。公園でアイツを切り刻むまでは、本当に普通の女の子の気分だったんだよ」

ジャック「普通の人が誕生日や自分の名前を忘れないのと同じくらい、私たちは私たちのことを殺人鬼だってことを覚えてるのにさ」

ジャック「だからまあ、ショックだったなぁ。助けた相手に、あんな目で見られるなんてさ」

ぐだ男「あれは仕方なかっただろ」

ジャック「……でも理不尽だよ」

ぐだ男「……」

ぐだ男(まあ、確かに。そう言われると、ぐうの音も出ない)

ぐだ男(別にバケモノに産まれてきたくって産まれたわけじゃないしな)


223: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 21:10:46.67 ID:w+CSx/f80

ジャック「……ねえ。抵抗しないって、どこまでのことを言ってるの?」

ぐだ男「……」

ジャック「茨木みたいに全身噛み傷だらけにする程度なら大丈夫? デオンみたいに父親母親を邪魔者扱いされて排除されるのもOK?」

ジャック「腹を裂かれても、悲鳴を上げないでいてくれる?」ギャランッ

ぐだ男「痛いのはイヤだよ。当然だろ」

ジャック「そっか」

ぐだ男「……でも、そんなことする必要は特にないだろ」

ジャック「……そう?」

ぐだ男「別にさ、そんなことしたくって睡眠薬入れたわけじゃないもんな」

ジャック「……」

ぐだ男「ジャック……おいで」

ジャック「……ッ!」



ヒュッ!


224: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 21:18:50.35 ID:w+CSx/f80

ぐだ男「……ああ、もう。世話を焼かせる……」

ぐだ男「抱き着きたいのなら初めからそう言えって」

ジャック「……ううっ……うえっ……!」

ぐだ男「ほら。体が怠くって、お前の頭を撫でるのにすら一苦労だ。どうしてくれるんだよ」

ジャック「だって……! 昼間に拒絶されたの、本当に……!」

ぐだ男「よくあることだ。これからも何回もある」

ぐだ男「でも大丈夫だ。お前のこと受け入れてくれるヤツなんて、俺含めて他にいくらでもいる」

ぐだ男「……俺は大丈夫だから。薬なんていらなかったんだよ」

ジャック「ごめんなさいっ……! おかあさん、ごめんなさいいっ……」

ぐだ男「……」

ぐだ男「あ、まずい。もう意識が……」

ぐだ男「ジャック……俺は……俺のことを慕ってくれるお前のことを……」

ぐだ男「……」

ジャック「……うう、うええ……!」

ジャック「うえええええええええん……!」


225: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/15(金) 21:24:45.60 ID:w+CSx/f80

マシュBB「……」

マシュBB「ムカつきますね。本当に死んだみたいな顔で寝てますよ」

エリザ「いつの間にか肉体の主導権奪い返しているアンタの方がムカつくわよ」

デオン「マシュー。遠慮はいらないよー。どんどん肉体の主導権を勝ち取っていくんだぞー」ニコニコ

茨木「……ま、吾を従えるマスターが、こんなところで死ぬ道理もあるまいよ」

茨木「信じていたぞ?」

エリザ「ポンコツ首魁のくせして、たまにガチのカリスマ見せるわよね。アンタって」

茨木「たまにではない! 常に出ているから汝が気付いていないだけよ!」

マシュBB「ま、これで峠は過ぎましたかね。後に残っているのは……」

マシュBB「……残って、いるのは……?」

エリザ「……」ニヤァ

マシュBB「……」

マシュBB「あっ」

デオン「気付いたか。まだ峠は残ってるぞ」


228: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 09:52:16.36 ID:7bRVCpvu0

虚構殺人遊戯 才囚学園

巌窟王「……理解に苦しむな。またやるのか。マジックショー」

夢野「マジカルショーじゃ! ……とかお主に言ってもなんか虚しいが……」

夢野「細かいことはよいか。今度は屋外で、この大量の風船を使ったショーをするんじゃ!」

巌窟王「アンジーはどうした? 今回は手伝っていないのか」

東条「捕まえようとしたのだけど、断られてしまったの。何か用事があったようね」

巌窟王「ふむ。今日は妙に落ち着かない様子だったからな。ヤツもヤツで何か考えているのだろう」

巌窟王「まあいい。我が仮初のマスターの理念に従い、お前たちが望むのなら手を貸してやらないこともないが?」

夢野「お主本当にアンジーのことが大好きじゃのう」

巌窟王「俺が? クハハ、まさか!」

巌窟王「俺のマスターは過去現在未来にただ一人。あれとはお互いの利害の一致に伴った薄っぺらな関係しかない」

巌窟王「この関係に抱く想いも、同様に薄っぺらなものだとも」

巌窟王「大体アレは共に歩むにしては幼過ぎる。雛鳥のように後ろをヨチヨチ歩きでついてくる程度が関の山だろうよ」

東条「その割には甘やかしているように見えるけど」

巌窟王「サーヴァントだからな!」ギンッ!


229: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 09:58:52.31 ID:7bRVCpvu0

百田「まあ、確かにアンジーに対して特別扱いはしてねぇだろうな」

百田「テメェは俺たちのことみんなが大好きなんだもんな! わかってるぜ!」ニカッ

巌窟王「……気持ちの悪いことを言うな」

夢野「百田。お主どこから湧いて出てきた」

百田「終一を探してたら派手な風船が大量に見えたからよ。ちょっと寄ってみただけだ」

夢野「ついでじゃ。百田も手伝うがよい。風船がもっと大量に必要だから……って、あ!」

フワッ

夢野「あー。一個無駄にしてしまったわい」

巌窟王「クハハ! 任せろ! あの程度の高さ、造作もない!」

ドンッ!

東条「……跳んだわね」

夢野「あ、キャッチした」

百田「おお。無駄に一回転して校舎の屋根に着地したな」


230: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 10:03:23.45 ID:7bRVCpvu0

巌窟王「クハハハハハ! どうだ!」

百田「無駄にテンション上げてるなー」

夢野「造作もないって自分で言ってたのにのう」

東条「巌窟王さん。そこ結構な急斜面になってるから、気を付けて降りてね」

巌窟王「任せろ! 昇ったのだから降りることなぞ更に容易い――」

巌窟王「む?」

巌窟王(裏庭に誰かいるな……あれはアンジーと最原か?)

巌窟王(一体何をして……)

アンジー「終一ー! アンジーのお婿さんになってー!」キラキラキラ

最原「ええっ!?」

巌窟王「!?!?」ガビーンッ!


ズルゥッ


百田「足を滑らせたーーーッ!?」ガーンッ!

夢野「言わんこっちゃない!」


231: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 10:07:59.79 ID:7bRVCpvu0

巌窟王(バカな……あの子供のように俺の後ろを付いて回っていた夜長アンジーが……!?)

巌窟王(俺はいつかカルデアに帰る。きっとその後、アンジーは幸せな一生を過ごすのだろう)

巌窟王(美術に生き、誰かと出会い、誰かと別れ、誰かと添い遂げ、誰かを見送り誰かに見送られる……)

巌窟王(そんななんでもない、しかし掛け替えのない一生を過ごすのだ……そう思っていた。だが……)

巌窟王(この落下するような浮遊感……俺はショックを受けている?)ヒューッ

百田「うおおおおお! 巌窟王が屋根から落ちたーーーッ!」


ベシャッ


東条「あ、よかった。土の部分に落ちたから、多分死んではいないわ」

夢野「巌窟王ーーーッ!」ダッ


232: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 10:16:58.02 ID:7bRVCpvu0

巌窟王(まさか……こんなに早いとは。神への信仰がなければ、あるいは俺がいなければ何もできない、あの童女が……)

アンジーの幻影『神様ー! 追いかけっこしよー!』

アンジーの幻影2『神様ー! 新しい絵を描きたいなー!』

アンジーの幻影3『神様ー! もうちょっと髪を洗う手つきを優しくしないとハゲちゃうよー!』

東条「大丈夫? 気分はどう?」

巌窟王「気分……だと……?」

巌窟王「……」

巌窟王「胸が張り裂けそうで苦しい」

東条「緊張性気胸になっている恐れがあるわね。処置を開始するわ」

夢野「ヒンッ!! 死ぬな巌窟王!」

巌窟王(相手はあの最原か……俺と舌戦を繰り広げ、勝ってみせたあの探偵……)

巌窟王(……)

巌窟王「認めない……まだ不十分だぞ探偵め……!」

東条「百田くん。そこにあるレンガを取ってくれるかしら?」

百田「お? これか」ヒョイッ

巌窟王「クハハハハハッ! 俺はまだ、認めないぞ!」ギンッ

巌窟王「ここから先に進みたければ俺を倒してから――!」

東条「麻酔!」

ガンッ

巌窟王「」ガクリ

東条「あなたには治療が必要よ」

百田「それ本当に麻酔か?」

夢野「巌窟王ーーーッ!」ガビーンッ!


233: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 10:21:37.93 ID:7bRVCpvu0

ぐだ男「父ちゃんかお前はッ!」ガバァッ

ぐだ男「……夢か……どんな夢だったか忘れたけど……」

ぐだ男「ん。ここは……ああそうか。逃走中だったな」

ジャック「……すー……」スヤァ

ぐだ男「……」

ぐだ男「……後でBBに電話するか。心配されてたみたいだしな」

ぐだ男「次は誰と一緒になるんかなー」

ぐだ男「……」

ぐだ男「エリザだったら今度こそ死ぬかもな……」


236: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 10:55:04.51 ID:7bRVCpvu0

近場の商店街

ぐだ男「だー! やっと見つかった! 公衆電話!」

ジャック「ごめんね。うるさかったから、つい斬っちゃった」

ぐだ男「物理的に斬ることないだろ! 何も!」

ぐだ男「えーと、小銭小銭……」


ジリリリリリリンッ


ジャック「……公衆電話が鳴り始めたけど?」

ぐだ男「ご丁寧にどうも」


ガチャリ


マシュBB『おっはー! 大丈夫ですか。生きてますか。死は救いだと思いますかー?』

ぐだ男「ああ。お前のお陰でなんとかな。もう外を歩いてても大丈夫か?」

マシュBB『大丈夫ですよ。もうあなたたちの罪は綺麗さっぱりなかったことになりました』

マシュBB『ひとまず、どこかでタクシーを拾ってホテルまで来てくださいな』

マシュBB『料金は旅行サーヴァントたちが立て替えますので』

ぐだ男「了解。ジャックを返しに行くよ」

ぐだ男「……で。次に俺と同行するサーヴァントって」

マシュBB『……聞きたいです?』

ぐだ男「……その態度で既に答えたも同然だよ……!」


237: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 10:59:47.33 ID:7bRVCpvu0

休憩します!


238: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 14:06:37.03 ID:7bRVCpvu0

ホテル

マシュBB「センパイ! よかった! 無事だったんですね!」

ぐだ男「おお、マシュ! 心配かけるようなことは何も起きなかった……ぞ?」

ぐだ男「……」

ぐだ男「……?」

デオン(凄いな。この短時間でもう違和感を覚えてるぞ)

エリザ(面白いから黙ってましょう)プププ

マシュBB「センパイに何かあったらと思うと……私……私……!」

マシュBB「センパーイ!」ダッ

ガシッ

マシュBB「……抱き着こうとしたんですけど、どうして抵抗するんですか?」ギリギリ

ぐだ男「い、いや。なんでだろう。悪寒が酷いっていうか……」ギリギリ

マシュBB「センパーイ。後輩からの好意は素直に受け取るべきですよー?」ニコォ

ぐだ男「……」

ぐだ男「BBじゃねぇかコイツ!」ガビーンッ

茨木「おお。凄いな。バレないように最低限の演技はしていたのに、もう気付いたか」

ぐだ男「マシュの表情でBBの笑い方すんのやめろ! 死ぬほど気持ち悪い!」

マシュBB「オブラートに包むとかできないんですかね?」


239: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 14:21:36.34 ID:7bRVCpvu0

かくかくしかじかBBかわいい

ぐだ男「お前なー……マシュに迷惑だからそういうのやめろって……」

マシュBB「えへっ?」

茨木(凄いな。マスターに関する監視についての話題には一切触れずに、旅行サーヴァントのサポートのために来たという口実で誤魔化したぞ)

デオン(伊達にラスボスじゃないんだなぁ)

エリザ(真相を抱えたまま泥を被って肝心なところを隠すのは大得意なヤツだからね)

マシュBB「別にいいじゃないですかー。マシュさんにも一応許可取ってますしー」グリグリ

ぐだ男「事後承諾だろ、その話だと。どう考えても。脇腹のあたり指でグリグリすんのやめろ」

マシュBB「セーンパーイ! 許してくださいよー! 私だって頑張ってるんですよー!」ガシッ

ぐだ男「腰のあたりに纏わりつくのやめろ! 鬱陶しい!」

マシュBB「ほらほらー! 色々と押し付けてあげますからー!」グイグイ

マシュBB「あ、でも心まで好きにできるとは思わないでくださいね! 既に私、好きな人いますので!」

ぐだ男「もう何回も聞いてるからわかってるよ!」

エリザ「……」

エリザ「あれやばいんじゃない?」

デオン「何が?」

エリザ「だってマシュの人格は眠ってるわけじゃないんでしょ?」

茨木「あっ」

マシュBB「……あれ? なんか体温が不自然に上がってきました。あれぇ?」カァァ

デオン「BB! 今すぐマスターから離れろ! マシュの人格の方が限界に近づいてる!」

マシュBB「げっ! さっきから妙に静かだと思ったら!」ガビーンッ!

ぐだ男「……」

ぐだ男「そうだ! お前今、マシュじゃん! やばい、無邪気にじゃれすぎた!」

エリザ(BBと普段からそんなことやってんの?)

デオン(酔狂だなぁ)


240: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 14:33:26.77 ID:7bRVCpvu0

マシュBB「今クールダウン中です。いやー、参った参った。初心な女の子とボディをシェアするのって大変ですね」

エリザ「はっ! 純情さで言えばあなただって」

マシュBB「スミス&ウェッソーーーン! あの竜娘を黙らせてよー!」

マシュBB「もーう、BBちゃんはしょうがないなー!(裏声)」

マシュBB「はい! M500---!(裏声)」チャリラチャッチャチャーン

エリザ「えっ」

マシュBB「ファイア」カチッ


ドバァァァァンッ!


エリザ「ぎゃああああああ! 危ねぇーーーッ!」ガビーンッ

茨木「これを扱っていたのが狂スロットであれば間違いなくサーヴァントでも死んでいただろうなぁ」

ぐだ男「日本で当たり前みたいにリボルバーをぶっ放すなーーーッ!」


241: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 14:40:23.14 ID:7bRVCpvu0

ぐだ男「……で。大体予測はできているが、今日俺に同行するサーヴァントって……」

マシュBB「アレです」

デオン「アレだ」

茨木「アレよ」

ぐだ男「……」

エリザ「満を持して登場した……そう! 私よ!」

ぐだ男「ですよね……」

マシュBB「ご安心を。一応、彼女からは『槍以外の拷問器具や武器』は取り上げてますので」

ぐだ男「槍があればチェイテ城呼べるんだから関係ないだろ……」

マシュBB「……気休めには充分でしょう?」

エリザ「ふふっ。妙な心配はしなくても大丈夫よ子イヌ」

エリザ「今日はしないわ。今日はね」

ぐだ男「……今日は、か……」


242: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 14:43:10.96 ID:7bRVCpvu0

ジャック「おかあさーん!」タッタッタッ

ぐだ男「お。ジャック。どうかしたか?」

デオン「む。そういえばさっきから姿が見えなくなっていたな。どこに行ってたんだ?」

ジャック「荷物漁ってたー!」

茨木「あの愉快な玩具群を……?」

ジャック「これあげるー!」

ぐだ男「……これ何?」

ジャック「GPS-! 行方不明になっても安心! すぐ見つけてあげるね!」ニコニコ

ぐだ男「あ、ありがとう……」

ぐだ男(行方不明になるような目に遭うのか……)

エリザ「別れの挨拶は済んだかしら。じゃあ、行くわよ!」


244: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 18:08:19.64 ID:7bRVCpvu0

マシュBB「……さぁて。ここからは私たちVSエリザさんの知恵比べになりますね」

デオン「そしてエリザはその知恵比べにすぐ飽きて即行でいつも通りの悪行に戻るだろうな」

茨木「容易に予測できすぎる……」

ジャック「大丈夫大丈夫。早速最初の知恵比べには勝ってるから」

マシュBB「……荷物を漁ってきただけじゃなかったんですか?」

ジャック「そんなに大したことはしてないけど、荷物の内容の確認はしてきた」

ジャック「あのね? デオンのときに使われたチャフを覚えてる?」

デオン「ああ。ちゃんと纏めてペットボトルに詰めてジャックに返したヤツだろう?」

ジャック「で、それを更に私たちが改めて散布装置にぶち込んでみようかな……」

ジャック「ってところで考え直して、改造したの」

マシュBB「え? 改造?」

ジャック「あのね? あれってピンを外してから数秒で起爆するようになってたけど、ピンを抜いた途端に起爆するようにしたんだよ」

ジャック「で、中身も変えた。今アレの中に入っているのは、デオンに対する天然痘みたいなエリザへの対抗策だよ」

マシュBB「……えっ? アンデルセンさんに作ってもらったアレ?」

ジャック「アレ」


245: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 18:13:45.53 ID:7bRVCpvu0

エリザ(ふっふっふ……まさか連中は思ってもないでしょうね)

エリザ(私がチャフをジャックの荷物の中からこっそり持ち出してきたなんて!)

※バレてます。

エリザ(今は自動操縦状態になっているドローンが私たちを見張っている状態だけど)

エリザ(さて、ここでチャフをバラまいたら果たしてどうなるかしら?)

エリザ(ドローンは使用不可。その間に私は子イヌを連れてどこかへ蒸発)

エリザ(さぞ驚くことでしょうねぇ! 間抜け面を拝めないのが残念だわぁ!)

エリザ(さあ! 早速コレを使って……)

エリザ「……」

エリザ「こ、子イヌ。ちょっと聞きたいことが……」

ぐだ男「なに?」

エリザ「これ、ピンってどこにあるんだと思う?」

ぐだ男「……え。これチャフじゃん。なんで持ってるの」

エリザ「え、ええと……」

ぐだ男「使っちゃダメだぞ」

エリザ「……」

エリザ「……はい……」シュン


246: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 18:21:44.64 ID:7bRVCpvu0

ホテル内

どっかの学士『ああんの、どこに出しても恥ずかしいド低級サーヴァントがああああああ!』

マシュBB「という声がどこからか聞こえてくる程度には予想以上におバカでしたね」

ジャック「……せっかくの『人間化アンプル』が……」

茨木「人間化?」

デオン「……まさか、アンデルセンに作ってもらった品物というのは……」

マシュBB「人外を条件付きで人間へと変える宝具……だったんですが」

マシュBB「ほら。人魚姫は声を代償に人間へと変わっていたでしょう? それと同じものがあの中に入っていたんです」

デオン「普通なら声が出せなくなるというのは紛れもなく副作用、デメリットなんだろうが……」

茨木「エリザに対してのみは『竜の力が使えなくなる』のと『声が出せなくなる』のとで、メリットしか存在せんな」

マシュBB「作らせるのめっちゃ苦労したんですよー! サンクトペテルブルクにカンヅメにさせたりして!」

マシュBB「そう! デオンくんちゃんさんも大好きな、あのサンクトペテルブルクにぶち込んだりして!」

デオン「マシュに感謝しろ。特に感謝しろ。さもなくばこの場でお前の首を斬り落していた」

ジャック「落ち着きなよー」


247: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 18:36:12.23 ID:7bRVCpvu0

エリザ「あっ! そうだ! カラオケ! カラオケというものに行ってみたいわ!」

エリザ「私、日本に来たら絶対にコレだけはやっておきたいと思っていたもの!」

ぐだ男(絶対言うと思った!)ガビーンッ

ぐだ男(さて、ここでエリザをカラオケに連れて行ったとしよう。被害人数は如何ほどになるだろうか)

ぐだ男(ソニックブレスがカラオケの個室内で留まるわけもなく、おそらく防音装置を突き破って隣の部屋の人間も死亡)

ぐだ男(更にはわけのわからない共振作用が起き、建物そのものにダメージが行く)

ぐだ男(大地震か終末が来たかのように揺れる建物。エリザの声のダメージが比較的少ない離れた距離にいた者も逃げ遅れ……)

ぐだ男(最終的な被害者は三桁を下らないだろう!)シャキーンッ!

ぐだ男(ということを彼女に素直に言ったところで)

エリザ『いくらなんでもそこまで大きな声は出ないわよ!』

ぐだ男(という『自分自身が音痴である』という点を完全無視した反論で強引に連れていかれてしまうだろう)

ぐだ男(考えろ……! 被害者が一人たりとも出ない、誰もが幸せになる結末を夢想するんだ……!)

ぐだ男(何か……何かないか……!)



エミヤ『――ついて来れるか』

ぐだ男(エミヤ……! 俺に力を貸してくれ……!)


248: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 18:40:28.54 ID:7bRVCpvu0

ぐだ男(今打てる最善の手がある! それは!)

ぐだ男「その前にさ。俺、昨日は家に帰ってなかったんだ」

ぐだ男「お母さんのところに帰って安心させたいんだけど」

エリザ「あ、そうね。家族は大事だわ」

エリザ「いいでしょう。まずは先にそっちね!」

ぐだ男(先延ばし! ひとまずコレで時間を稼ぐ!)

ぐだ男(考えろ……逆転の一手をその間に考えるんだ……!)


249: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 18:46:20.58 ID:7bRVCpvu0

池袋

マシュBB「うーん。エリザさんがピンを抜いて散布装置を起爆させてくれれば全部丸く収まったのですが」

ジャック「おかしいね。頭脳戦って知能での殴り合いのはずなのにね」

デオン「相手のバカさ加減を計算に入れていなかったせいで逆にこちらがドツボに嵌まるとは」

茨木「実はわざとやっているのではないか?」モヒモヒ

マシュBB「エリザさんですからねー。どちらとも言えるはずです」

マシュBB「……」

マシュBB「さっきからなんか視線を感じるのですが」

デオン「茨木を見ているのだろう。体格にしてはありえないほど食べているからな」

茨木「む? 食べ放題のすいーつびゅっふぇなのだろう? 食べて当たりまえなのではないか?」

ジャック「ひとまずこの場にいる全員の目玉を抉れば視線は気にならなくなるよ?」

マシュBB「ナイスアイディーア!」グッ

デオン「やめろ」


251: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 19:40:22.81 ID:7bRVCpvu0

マシュBB「……いや。対抗策はまだ残されてますね」

デオン「アンプル以外でか?」

マシュBB「歌姫の方をどうにもできないのなら、干渉できる場所は限られるでしょう?」

ジャック「……ああ、なるほどね」

茨木「舞台か」

マシュBB「ピンポーン!」

デオン「できるのか?」

マシュBB「この大都市全域を停電させたら、流石にカルデアからの粛清は免れないでしょうから……」

マシュBB「それ以外の方法でカラオケボックスを潰す方法は……」

マシュBB「いえ、違いますね。舞台をぶっ潰すのではなく、歌姫を舞台に行かせない方向で考えるべきです」

デオン「……どうやら考え付いたようだな。認めたくないが、お前の頭脳に関しては信頼している」

マシュBB「あはっ! もっと素直に褒め称えてくださいよー!」

マシュBB「……さて。やりますか」ニヤァ


252: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 19:48:43.01 ID:7bRVCpvu0

ぐだ男の家

ぐだ男「ただいまー!」

母「あら。お帰りなさい。昨日はお楽しみでしたね?」

ぐだ男「冗談でも息子に向かって言うセリフじゃないィ!」ガビーンッ

母「……で。そちらの子は?」

エリザ「お初にお目にかかります。エリザベート・バートリーと申しますわ」ペコリ

ぐだ男「え」

エリザ「今日は彼の誘いに甘え、こうして付いてきた次第です」

エリザ「この国には来たばかりで、右も左もわからない小娘ですが、どうかよろしくお願いいたします」ニコリ

ぐだ男「……!?」

ぐだ男「あっ」

ぐだ男(そういえばコイツ、忘れがちだけど貴族だった!)ガビーンッ!

母「あらあらまあまあ……」

母「随分と上品な子ね」

ぐだ男(エリザのことを評しているとは思えないような言葉が出てきた!)


253: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 19:55:08.58 ID:7bRVCpvu0

母「……」

母「その角と尻尾は?」

エリザ「あっ」

ぐだ男「まあそうなるよね! そこ気になるよね!」

エリザ「ど、どうしよう子イヌ! せっかくキメたのに早速化けの皮が剥がれちゃう!」アタフタ

ぐだ男「あー……」

ぐだ男「別にいいんじゃないか? 外行きの態度で固める必要はないって」

エリザ「むいー……!」

ぐだ男(演技でできるレベルを遥かに超えていたけどな)

ぐだ男(やっぱコイツ、お嬢様なんだなぁ……)


254: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 20:11:43.90 ID:7bRVCpvu0

ぐだ男(さてと。家まで来たのはいいが……果たしてコイツの興味を引くものを俺は用意できるだろうか)

ぐだ男(ゲームか? 小説か? いや……どれも効果は微妙だな)

ぐだ男(音楽ならコイツの興味を引けるだろうが、余計にカラオケに行きたいとか言い出しかねないしな)

ぐだ男(どうする!)ギンッ

母「……この尻尾、本物?」

エリザ「お母さまなら触ってもいいけど……?」ブンッブンッ

ぐだ男(隙を見てBBに電話……携帯はジャックに壊されたので固定電話限定だが……)

ぐだ男(歌姫の方をどうにかすることはほぼ不可能だろうから、舞台の方をどうにかしてほしいが)

ぐだ男(いや、アイツならそんな生易しいことは考えないか。やるとしたらそう)


ドカァァァァンッ!


エリザ「きゃっ」

母「え? 爆音?」

ぐだ男(階段とエレベーターの両方を爆破して俺たちを家に孤立させるとか……)

ぐだ男「……」

ぐだ男「手ェ早ッ!」ガビーンッ!


255: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 20:26:42.64 ID:7bRVCpvu0

マシュBB「そう! センパイの家はマンションの一番上! その端!」

マシュBB「つまりエレベーターと階段の両方を潰してしまえば……」

デオン「マスターは下に降りられない。家の中で孤立する」

マシュBB「あーっはっはっは! まあサーヴァントなら下に降りられるでしょうが?」

マシュBB「旅行サーヴァントは原則、目立つことはしないんですよ! できないんですよ!」

マシュBB「だってそもそも申請も許可も偽造ですからねぇ! そこを突かれないためには大人しくするしかない!」

茨木「そこをエリザが忘れていたら?」

マシュBB「私たちの詰みです!」

デオン「ひいてはBBの罪だな」

ジャック「さよならBB。いなくなったらすぐに忘れたいサーヴァント選手権第一位だったよ」

茨木「吾らは汝の勇姿をやはりすぐに忘れたい」

マシュBB「……」

マシュBB「びえええええええええええんっ!」ダバーッ!

デオン「あ、ついに泣いた」

マシュ「……嘘泣きじゃないですね。肉体の主導権私に渡して、本当に引っ込んでしまいました」ポロポロ

ジャック「まだ涙止まってないけど?」

マシュ「嘘泣きじゃないですから……流石にみなさんイジメすぎです……」


256: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 20:44:18.69 ID:7bRVCpvu0

BBの日記
みんな酷いです。本当に酷いです。私はただみなさんが面白おかしく無様に足掻いている姿を見ていたいだけなのに。
手足をもがれた虫のように無意味にグネグネしている様を見ていたいだけなのに。

何故理解してくれないのでしょうか。利害は一致しているのに。

……ん? よく考えたらこちらの自業自得でした! ヤッホーーーウ!
さて。あとはエリザさんの知能にかけるしかないですね。私たちの目論見通りに行ってくれれば、あとは何も問題はありません。

あ、そうだ。また巌窟王さんの学級日誌が届いたんでした。
ついでに巌窟王さんが撮ったらしき写真も数点。卒業アルバムに備えろ、というメモ書きも。

……は!? まさか私に作れと!? 流石にそこまでやれないです! こっちも忙しいですし!

写真のデータをコピって送り返しましょう。えいっ。


258: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 21:27:02.42 ID:7bRVCpvu0

虚構殺人遊戯 才囚学園

巌窟王「……なんということだ……卒アルの編集の当てが外れた……」

巌窟王「アンジーと俺でやれるだろうか……」

巌窟王「……」

巌窟王「クハハ! 考えていても仕方ない、か。待て、しかして希望せよ、だ!」ギンッ

巌窟王「ひとまずアンジーにこのことを知らせないとだな……」

巌窟王「アイツはまた自分の研究教室に引っ込んでいるのだろうか」スタスタ



五分後

巌窟王「……やめろと言ったのだが、やはり俺の似姿のろう人形を作っていたか」

巌窟王「しかしいないな。どこに行った?」

???「チッ。ここはダメか」

巌窟王「……今、誰かいたか?」

巌窟王「……」

巌窟王「何故だ? 胸騒ぎがする……」


259: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 21:39:42.66 ID:7bRVCpvu0

ぐだ男「……なんでだろう。俺自身にはまったく危機は迫ってないはずなのに、胸がゾワゾワする」

エリザ「カルデアにいるサーヴァントが何か危機的な目にでも遭ってるんじゃない?」

エリザ「今は関係ないわよ。休日だし」

ぐだ男「そう、だな。俺にはどうにもできないか……」

エリザ「あーあ。カラオケ行きたかったのに」

母「エレベーターと階段が同時に壊れるなんて、こんな偶然あるのねぇ」

エリザ「ねぇ?」

ぐだ男(絶対に偶然じゃない)

ぐだ男(……)

ぐだ男「あ。そういえば母さん。食糧は大丈夫?」

母「缶詰めと米くらいならあるわよ」

ぐだ男「そっか……じゃあ一応大丈夫かな」

エリザ「缶詰め……あれ美味しいわよね。割と」

ぐだ男(意外とエリザの機嫌もいいし……)


260: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 22:26:26.75 ID:7bRVCpvu0

ぐだ男「メシの加工と盛り付けくらいは俺がやるよ。母さんまだ二日酔い抜けきってないでしょ」

母「普段はあんなに飲まないのに、なんであんなにあおったのかしら?」

ぐだ男(つくづくごめんなさい)

エリザ「あっ! 料理なら私も得意だけど?」

ぐだ男「お前は絶対に台所に入るな」

エリザ「」

ぐだ男「俺だってまだ死にたくない」

エリザ「栄養はちゃんと考えてるのに……」エグエグ

ぐだ男「味を考えろ! 味を!」

エリザ「パラケルススみたいな味は整ってるけどそれ以外が意味不明なかき氷よりマシじゃない!?」

ぐだ男「どっちもどっちだッ!」


261: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 22:43:28.21 ID:7bRVCpvu0

母「……ふふっ。仲がいいのね」

エリザ「あっ」

エリザ「……」カァァ

ぐだ男「恥ずかしがらなくていい。大体のことは許せる人だから」

エリザ「もうちょっとしおらしくしていようって思ってたのよ……」

エリザ「……いいふうに見られたいって思って当然でしょ?」

ぐだ男「……」

ぐだ男「そうだな。俺もそうかも」

エリザ「え」

ぐだ男「俺の家にお前を呼んでさ。俺のテリトリーでもてなしてさ」

ぐだ男「……お前に笑って欲しいって思ってるよ」

エリザ「……」

エリザ「はっずいわね。お互いに。顔から火が出そう」カァァ

ぐだ男「俺もだ」

母(初孫は近いわねー)


262: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/16(土) 23:05:12.08 ID:7bRVCpvu0

prrrr

ぐだ男「……このタイミングでの電話……」

母「はいはい、今行きますよーっと」

ぐだ男「いい! 多分俺あてのヤツだから!」


ガチャリンコ


マシュBB『私が来た!』

ぐだ男「やっぱりな」

マシュBB『話が早いですね。ひとまず言いたいことが一つ』

マシュBB『エレベーターの方は一日で修理が終了する程度の損傷しか与えてないので、頑張って!』

ぐだ男「……」

マシュBB『今夜はお楽しみですね?』

ぐだ男「……」

マシュBB『……電話越しで無言の圧を放つの、やめてくれません?』

ぐだ男「ロクでもないこと考えさせたらお前の右に出るヤツはいないよ」

ぐだ男「悪の素質がないだけ新宿のアーチャーよかマシだけどさぁ」

マシュBB『そうだ。やっと伝える機会が来たので教えておきますね』

マシュBB『あのチャフの散布装置、ちょっとした仕掛けが施されてます』

ぐだ男「仕掛け?」

マシュBB『あれをエリザさんが使うと、エリザさんは人間化した上に声が出なくなります。使うかどうかは任せますが』

ぐだ男「……もう使わないでいいだろ」

マシュBB『芽はおおよそ摘みましたが、念のためです。それでは』

ぐだ男「ああ。じゃあな」


264: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 07:52:40.27 ID:XMU1sJYp0

マシュ(……BBさんはいつの間にかカルデアにいた謎のサーヴァントですが)

マシュ(先輩とは仲がいいですよね)

BB(ま、色々とあったんですよー。さっきも言いましたけど好きな人は別にいますんで、そう心配しなくても大丈夫です)

BB(恋人? 思い人? そういうのとは無縁ですね)

BB(強いて言うならモルモットと美人研究員。どんなに良く言っても利害の一致に伴った相棒?)

マシュ(……良く言い過ぎです)

BB(面倒くせぇー……相棒でもアウトなんですか……)

BB(私がセンパイにベタベタするのがイヤなら、先回りしてあなたがベタベタしてればいいのに)

マシュ(いや、それは……)

BB(変な遠慮や臆病が産むものなんて、非生産的なものばかりですよ。私とか)

マシュ(……?)


265: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 08:05:07.08 ID:XMU1sJYp0

BB(そういえば、どうするんです?)

マシュ(どうするとは?)

BB(もう残ったサーヴァントはあなただけですけど。センパイとの同行サーヴァント)

マシュ(……)

マシュ(……ハッ!?)ガビーンッ

BB(え。今気づいた?)

マシュ(ど、ど、どうしましょう……何かお土産とか買った方がいいのでしょうか。あわわ)

BB(あははっ! 面白いほど狼狽してますねぇ!)

BB(あはははははははは……)

BB(あー、もう! 世話焼けるなぁ!)


266: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 08:17:11.15 ID:XMU1sJYp0

エリザ「缶詰めも、ちょっと調理すれば結構バケるものねー。おいしかったわよ?」

ぐだ男「エミヤならもうちょっと上手くやれたんだろうけどなぁ」

エリザ「贅沢は言わないわ。今は、だけど」

ぐだ男「助かる」

母「お風呂が沸いたわよー」

ぐだ男「……先に行っていいぞ」

エリザ「じゃあ遠慮なく……」

エリザ「……」

エリザ「……好みの子がいれば『入浴剤』にしたのに」

ぐだ男「忘れたころにぶっこんでくるのやめろ!」


267: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 10:58:46.41 ID:XMU1sJYp0

母「……」

母「セアカサラマンダーは浮気を許さない爬虫類だそうよ?」

ぐだ男「突然なに!?」ガビーンッ

ぐだ男「……あとセアカサラマンダーはトカゲっぽいけど両生類だよ!」

母「あなたの部屋、そういえば音は漏れないような作りだったわね」

ぐだ男「余計な気を回さなくていいから!」



風呂場

エリザ「……そういえばネロとかあの発情狐とか、マスターと一緒に風呂入ったとか言ってたわね」

エリザ「どうせなら私も一緒に……」

エリザ「……恥ずかしすぎて死んじゃいそうだからパスね」


268: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 11:14:48.11 ID:XMU1sJYp0

茨木「なんだ。ジャックのときよりも平和ではないか」

デオン「流石にアイツもやることなすこと先回りされたら仕方あるまいさ」

ジャック「好みの女の子もいないみたいだしねー」

茨木「……そういえば、今更気にすることでもないかもだが」

茨木「吾の場合の対抗策はどのようなものだったのだ?」

ジャック「神便鬼毒酒だったよ。ジュースみたいな缶に入れてた」

マシュBB「冷蔵庫に入れなくっても常にキンキンに冷える、ちょっとした謎技術も使ってました」

茨木「ん? 待て。酒呑が神便鬼毒酒を他の誰かに振る舞うことなぞ」

マシュBB「もちろんありえませんでしたよ。なので臭気から成分をできる限り分析して模倣した神便鬼毒酒レプリカです」

マシュBB「酒呑さんに味見させてみたら『流石に味は数段劣るけど、これと言って何が悪いって点もあらへんなぁ』と笑ってましたよ」

マシュBB「安酒らしい味わいだー、とか言って」

ジャック「……ん? 待って。茨木。知らなかったの?」

茨木「なに?」

ジャック「だって、チャフだけじゃなくって新便鬼毒酒レプリカも無くなってたんだよ?」

ジャック「私たちはお酒を飲まないし、デオンも安酒には興味ないだろうし……マシュは?」

マシュBB「知らないって言ってますけど」

デオン「……ジュースみたいな缶に入れていた、と言っていたな?」

茨木「冷蔵庫に入れなくともキンキンに冷えていたんだったか?」

全員「……」



マシュBB「ま、まさかですよね?」


270: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 16:08:18.18 ID:XMU1sJYp0

ぐだ男「……女性の風呂って長いんだよなー」

ぐだ男(エリザに関しては角とか尻尾とか長い髪とか、洗わなきゃいけないポイントが大量にあるから更に)

ぐだ男「暇だ……そして今度こそ平和だ……」

prrrrr!

ぐだ男「電話?」


ガチャリンコ


マシュBB『センパイ! 多分まだ間に合います!』

ぐだ男「一体どうした?」

マシュBB『これは詳細を省くが、結論を言うとセンパイは死にます』

ぐだ男「一体どうした!?」ガビーンッ!

マシュBB『エリザさん、着替えと一緒に何か缶のようなものを持っていきませんでしたか!?』

ぐだ男「……」

ぐだ男「なあ。前々から薄々感付いてたけど、やっぱりお前監視してるだろ」

マシュBB『……』

マシュBB『……バトンタッチ』

ぐだ男「あ?」

マシュ『……ハッ! えっ!? BBさん!?』

ぐだ男「BBはお前……いや、違うな。お前マシュか! 紛らわしい!」

マシュ『BBさんは引っ込んでしまいました。ああもう、都合が悪くなった途端に!』


271: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 16:13:26.24 ID:XMU1sJYp0

マシュ『さっき発覚したことなのですが、おそらくエリザさんはジュースと間違えて缶に入った神便鬼毒酒を持って行ってます!』

ぐだ男「マジで?」

マシュ『もしも! もしアレをエリザさんが飲んだら、悪酔い必至です! 今までの工作が全部パァです!』

マシュ『なんとしてでも飲まれる前に取り上げてください!』

ぐだ男「取り上げろって言ったって……どこにあるんだ?」

マシュ『どんな状況でもキンキンに冷える特殊加工がされているということなので、おそらくエリザさんはそれを……』

ぐだ男「ああ、わかった。風呂上りの冷たいジュースは美味しいもんなぁ」

ぐだ男「時間が惜しい。色々言いたいことはあるが、また後で、だ」

マシュ『御武運を! 先輩!』


272: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 16:19:52.51 ID:XMU1sJYp0

エリザ「ふぅー。いいお湯だったわ。ちょっと長風呂になっちゃったけど」

エリザ「でも備えあれば嬉しいのよ! キチンと水分は持ってきているわ!」

エリザ「まったくもう。BBはジャックばかり贔屓しすぎなのよ。私のことも少しは労ってよね」

エリザ「オヤジ臭い趣向だけど、誰も見ていないし。さあ今こそ……」グッ


バターンッ!


ぐだ男「エリザァ! それを飲むなーーー!」

エリザ「……」

エリザ「……えっ」

ぐだ男「ぎ、ギリギリだったか! まあいい! とにかくそれをこっちによこせェ!」ダッ

エリザ「あ、ちょっ、やめ……これ私の……」ヒョイッ

ぐだ男「いいから!」スカッ

エリザ「良くないわよ! ていうか私、バスタオル一枚なんだけど! やめ……!」ヒョイッ

ぐだ男「ここまで来てー! BBたちの工作を台無しにするわけにはいかないんだよォ!」スカッ

ぐだ男「生きるためにだ!」

ぐだ男「うおおおおおおおおおおお!」

エリザ「きゃっ」


ハラリッ

ドターンッ!


273: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 16:28:47.56 ID:XMU1sJYp0

ぐだ男「……掴んだ! 回収成功! SCP財団でもやっていけるんじゃないか、俺は!」

エリザ「……あ、あう……!」カァァ

ぐだ男「お?」

ぐだ男「……」

ぐだ男(全裸のエリザを組み敷いている)

ぐだ男(誰が?)

ぐだ男(……俺だ!)ガビーンッ!

エリザ「……い、イヤァ……心の準備が……まだなのにィ……!」エグッ

ぐだ男「前々から気になってたんだけど、お前確か結婚したの十五歳だよな? 男慣れしてなさすぎじゃないか?」

エリザ「い、今の私は十四歳よぅ……!」

ぐだ男(いけない。混乱しすぎて変なこと口走った! あわわわわ!)


274: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 16:40:34.95 ID:XMU1sJYp0

エリザ「うう……で、でも……男はみんな狼なんですものね……」

ぐだ男「えっ」

エリザ「……いいわよ、来ても……怪物を殺すのはいつだって人間でしょ……?」

ぐだ男「えっ。えっ」

エリザ「……茨木がアンタにしたみたいに、私のことも食べてもいいわよ?」

ぐだ男「エリザさぁん!? 決意固めるの早すぎじゃない!?」ガビーンッ

ぐだ男「なんでこういうときだけ諦め早いんだ!」

エリザ「……興味ないの?」

ぐだ男「……」

ぐだ男(今それを考えたくはなかった! 白い肌! 上下する胸! どこからどこまで柔らかそうなカラダ)

ぐだ男(そう! うっかり手元に飛び込んでしまったこのチャンス! 無駄にするにはあまりにも惜しい!)

ぐだ男(普段は高圧的で嗜虐的な性格が先行してて絶対考えることはないが、コイツ一応美少女なんだよなぁ!?)

ぐだ男(そうだ……このチャンスを拒むのに必要なのは鉄の心……!)



エミヤオルタ『――ついて来れるか』

ぐだ男「……」

エミヤオルタ『……』

エミヤオルタ『ん? おい。おい。返事をしろ。ついてくるんだよな? ついて来れるんだろう?』アタフタ

ぐだ男(うおおおおお! 当然だ! 俺は……俺は……!)ガタガタ!


275: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 16:51:40.63 ID:XMU1sJYp0

エリザ「……それとも……私に魅力はない?」スッ

ぐだ男(葛藤している内に、組み敷かれているエリザに空いている右手を握られた)

ぐだ男(空白に等しい脳内に、それを拒む余剰などあるわけもなく、エリザに導かれるままに移動したそれは――)

エリザ「……ちょっとはあるわよ」


ムニュ


ぐだ男「――」

ぐだ男(しっとりと濡れた胸へと置かれた)

ぐだ男(決して大きくはない。だが、触れた先からくっついて、少しずつ沈み込んでいくようで――)

エリザ「っ」

ぐだ男「あ、ごめん。痛かった?」

エリザ「……別に、いい……」プイッ

ぐだ男「……」

ぐだ男(俺はどうしたらいい!? 答えろ! 答えてみろ! 俺の脳内のエミヤオルタ!)


ダァンッ


エミヤオルタ『もう知らん。理性だけは殺してやったからありがたく思え』スタスタスタ

ぐだ男(エミヤオルタ貴様ァァァァァァァ!)ガビーンッ!


276: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 17:01:25.18 ID:XMU1sJYp0

プッツーン!

ぐだ男(き、切れた……俺の中で何かが切れた。決定的な何かが……)

ぐだ男「エリザ……」

エリザ「んっ……!」



母「さっきドタバタ音がしたけど、大丈夫ー?」ヒョコッ

二人「あっ」

母「……」

母「……ごめんなさい」シュンッ

ぐだ男「いや、いいんだよ! 助かったよ! なんかクールダウンした一瞬で!」

エリザ「で、出てって! 今更さけど凄く恥ずかしくなってきたから!」アワアワ

ぐだ男「うん、ごめん! 本っ当ごめん!」バッ

母「初孫チャレンジ失敗」ボソッ

ぐだ男「今なんて言った!?」ガビーンッ!


278: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 22:21:40.35 ID:XMU1sJYp0

ホテル

マシュBB「風呂場周辺にカメラ取り付けてなかったの痛かったなぁ」

茨木「まあ絶対に面白いことにはなっておっただろうな」

茨木「……ふむ。神便鬼毒酒レプリカは回収終了か」

茨木「吾の嫌いなものは毒入りの酒だぞ? あんな胸糞悪いものを用意して……いい度胸よな?」

マシュBB「胸の大きさなら自信があります!」

マシュBB「……」

マシュBB「……今はマシュさんの体ですけど!」

デオン「マシュだってそれなりにあるぞ」

ジャック「これで今度こそトラブルの種は消えたかなぁ」

マシュBB「……まさかエリザさんが神便鬼毒酒を持っていったことについて、私に怒る気はないですよね?」

マシュBB「ジャックさんの荷物を勝手に漁ったのはエリザさんですよ?」

マシュBB「そもそもジャックさんにそんな物を持たせたお前が悪い、という反論も筋違いです」

マシュBB「この旅行に乗ったのはあなたたちですしね」

デオン「……そうだな。私たちが全員悪い。だが」

茨木「必死よな。そこまで吾たちに怒られるのがイヤか?」

マシュBB「精神的な耐久度そろそろ残ってないんですよ」

ジャック「結構メンタル弱いよねー。変なところで強靭なのに」

マシュBB「さて。じゃあそろそろ寝る時間ですかね。まあエリザさんのこと、布団は別々に注文するでしょうが」


279: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 22:24:27.95 ID:XMU1sJYp0

エリザ「……」

エリザ「一緒の布団で寝たい」

ぐだ男「意外な提案だな」

エリザ「……ダメ?」

ぐだ男「俺はいいよ。でもお前、さっきあんなことがあった後で」

エリザ「お願いだから決心鈍るようなことを、これ以上言わないでよ……」

ぐだ男「……」

エリザ「……わかるでしょ?」カァァ

ぐだ男「……」ダラダラダラ


280: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 22:33:50.88 ID:XMU1sJYp0

マシュ「わかりません。わかりませんッ! 何一つとして!」ズガァァァンッ!

茨木「ぎゃあっ!? 突然出てきおったな!?」

マシュ「こ、こんな……お母さまが同じ屋根の下にいるのに、そんな……!」

マシュ「先輩! まさかこんな提案に乗ったりはしないですよね!?」

マシュ「色々な意味で危険すぎます!」

バチバチッ

マシュ「ぐっ」

マシュBB「……ビックリしたぁ。いきなり肉体の主導権を強奪されました」

デオン「奪還の間違いだ外道」

ジャック「私たちだけなら、それっぽいことをする前に二人を二度とくっつかないように解体できるけど?」

デオン「アナスイ感あふれる解決方法はやめろ」

デオン「止める権利は私たちにはない。ただ……」

茨木「ただ?」

デオン「……エリザ一人を抱くのなら、私も相手をしてもらわないと不公平だなぁ?」ニヤァァ

茨木「汝は鬼か?」

ジャック「本物の鬼に言われるあたり色々終わってるよね」

デオン「うるさいぞ」


281: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 22:41:21.05 ID:XMU1sJYp0

ぐだ男(考えろ……今のエリザはBBたちの妨害工作によって徹底的に牙と翼を折られた無垢な子竜だ)

ぐだ男(抱こうと思えば抱ける。特に拒絶はされないだろう)

ぐだ男(……というかあまりにも魅力的すぎて多少のデメリットは目を瞑ってもいいくらいだが……)

ぐだ男「……」

エリザ「……」カタカタ

ぐだ男「……はあ」

ぐだ男「やめよ。流石に震えてる女の子襲うほど狼になれないよ」

エリザ「……ヘタレ」

ぐだ男「お互い様だ。ほら、布団は二枚敷くぞ」バサッ

エリザ「……怖いのは確かにそうだけど」

エリザ「ちょっとくらいのリスクなら目を瞑ってもよかったわ」

ぐだ男「……やっぱりサーヴァントとマスターって似るのかな。俺も似たようなこと考えてたよ」


282: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 22:48:43.61 ID:XMU1sJYp0

エリザ「……布団、くっつけて」

ぐだ男「あいあい。電気消すぞー」

パチンッ

エリザ「うん。あのね、マスター」

ぐだ男「なんだ?」

エリザ「……寝ている間、手を握ってるくらいはいいでしょ?」

ぐだ男「それくらいならお安い御用だな。ほら」

エリザ「……ん」キュッ

エリザ「え、へへ……あったかい」

エリザ「……寒くなったらくっついてもいいでしょ?」

ぐだ男「それは」

エリザ「勘違いしないで。くっつくだけよ」

ぐだ男「……勝手にすればいいんじゃないか?」

エリザ「ありがと……」

エリザ「……なんでかしら。カラオケにも、スイーツビュッフェにも行ったわけじゃないのに」

エリザ「本当、なんでもないことしかしてないのに。凄く幸せだわ」

ぐだ男「……それはよかった」


283: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 22:56:49.27 ID:XMU1sJYp0

エリザ(……まあそれはそれとして、頭痛は酷いわね)

エリザ(コイツ、人が好すぎるわ。竜の娘と同じ部屋で寝るなんて)

エリザ(……ふ、ふふっ。寝ている間に拘束することなんて私には簡単よ)

エリザ(延長コード。ガムテープ。服。無意味に置いてあるダンベル。その他様々なもので雁字搦めに縛り上げることは簡単よ)

エリザ(BBは私の槍以外のすべてを拷問器具を奪ったつもりでしょうけど、拷問なんて身の回りのもので簡単に済ませられるわ!)

エリザ(指一本を噛み千切ってやろうかしら……腕一本をへし折ってやろうかしら……両目を抉って飴玉みたいに舐めてみたいわ!)ゾクゾクッ

エリザ(とっても頭が痛いの。それくらいなら許してくれるでしょう?)

ぐだ男「エリザ」

エリザ「んっ? なに?」

ぐだ男「俺も幸せだよ」

エリザ「……」

ぐだ男「いや、まあ、それだけだ。うん。もう寝よう?」

エリザ「……」

エリザ(また今度にしましょう)


284: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/17(日) 23:10:58.58 ID:XMU1sJYp0

茨木「……特に何も起こってないようだな?」

デオン「チッ」

ジャック「白百合の騎士が聞いて呆れるなぁ」

マシュBB「消化不良なら私と賭けチェスでもします?」

デオン「やめておく」

マシュBB「おや。生前ではかなりやったものだと聞いていましたが?」

デオン「流石にカモる相手くらいは選ぶさ」

茨木「というかデオン。生前そんなくだらないことやってたのか」

デオン「略奪よりは幾分かマシだと思うが?」

ジャック「どっちもどっちだよー」

マシュBB「……さてと。それじゃあ明日は……」

デオン「マシュの番だが……まさか貴様まで行くとは言わないだろう?」

マシュBB「一人じゃ心細いんですって」

茨木「本当にそう言っているのだとしたら魔酒よ。頼る相手を致命的に間違っておるぞ」

ジャック「ウサギの足に願掛けした方が千倍生産的なのに」

マシュBB「み、見返してやるぅ……!」ワナワナ


287: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 08:22:30.49 ID:Zkbjj15e0

虚構殺人遊戯 才囚学園

赤松(巌窟王さんが私たちを守ってくれたおかげで、この極限の状況下においても私たちは正気を保っていられた)

赤松(きっと頑張れば全員で脱出できるはず……そう思った矢先だった)

赤松(アンジーさんの殺人未遂事件が起こったのは)

赤松(第一発見者は巌窟王さんと、それに同行していた最原くん)

赤松(現場は三階の空き部屋三つの中の、真ん中の部屋。その床下)

赤松(アンジーさんは何故か泥酔した状態で、荒縄で雁字搦めに縛り上げられ、無抵抗に医療用ヒルの群れに血を吸われていた)

赤松(助け出されたアンジーさんは尚も意識不明。生死の境をさまよっている)

赤松(こんな惨い殺し方でアンジーさんを葬ろうとした人が……私たち十六人の中にいる……?)

モノクマ「犯人を議論したいのなら裁判場を貸してあげてもいいよ! 面白いしね、うぷぷ!」

赤松(そして始まった……命はかかってないけど、緊張感だけは本物の、疑似学級裁判が)


288: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 08:32:18.99 ID:Zkbjj15e0

王馬「いや議論するまでもないだろ! こんなグロい殺し方でアンジーちゃんを殺そうとするのは……!」

王馬「超高校級の昆虫博士の獄原ゴン太しかいねぇーだろうがよォーーー!」ズバァァァンッ!

獄原「ち、違うよ! ゴン太は虫さんに人殺しをさせたりしないんだッ!」アタフタ

春川「でも現実に、あの医療用ヒルは獄原の研究教室で育てられていたヤツだよね?」

獄原「う、うん。そうだけど。でもそもそも、ゴン太の研究教室にいたヒルさんを全員かき集めたとしても」

獄原「あんな……人一人を殺せるような量の血を吸ったりできないんだよ!」

東条「……確かに。獄原くんの研究教室にいたヒルだけで人を殺せるとは思えないわね」

東条「体格の小さい星くんなら別だけど、今回襲われたのは夜長さんなのだし」

最原「ゴン太くん。発想を変えてみよう。どうやったらあの数のヒルだけで人を殺せるようになるのか」

獄原「い、イヤな発想の変え方だね……」

最原「ごめん。でも超高校級の昆虫博士であるキミの力が必要なんだ」

巌窟王「……例えば、だが。ヒルが飲んでいたアンジーの血液に何らかの『混ぜ物』がしてあったとしたら、どうだ?」

最原(……混ぜ物……?)

最原(いや、でも意外だな。生徒同士で争わせるのは理念に反するだろうに。巌窟王さんがヒントを与えるようなことを言うなんて)

最原(……考えるのは後にしよう。ヒルにゴン太くんの想定以上の、それこそ人が死にかねない量の血を吸わせる方法……!)

最原「アレしか考えられないよね。発見時のアンジーさんは何故か酷く酔っていて、酒臭かった」

最原「……多分、ヒルを狂わせた元凶は『アンジーさんの血中アルコール濃度』……平たく言えば酒だよ」

百田「さ、酒だぁ?」


289: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 08:39:28.39 ID:Zkbjj15e0

獄原「あ、そっか。それならありえるよ」

獄原「ヒルさんたちにとって、アルコールは麻薬に等しいからね。満腹中枢がおかしくなっちゃうんだ」

獄原「もしも血を吸われている人の血中に、大量にアルコールがあったとしたら……」

獄原「うん! あの数のヒルさんたちだけでも、一人を殺す程度なら充分足りると思うよ!」キラキラキラ

王馬「空気読めよゴリラ! そんな誇らしげに言うな!」

獄原「ご、ごめん」

王馬「まあそれは置いといて……酒? 学園の中に酒なんてあったっけ?」

最原「あったと思うよ。さっき『酒の持ち主本人』から教えられたから間違いない」

東条「……私の研究教室の隠し扉の先よ。今まで言う機会がなかったけど、ワインセラーがあったの」

天海「東条さんの?」

東条「……でも私は犯人じゃないわよ」

天海「さて、それを決めるのは、俺でもキミでもないっすけどね」

東条「……」


290: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 08:49:35.07 ID:Zkbjj15e0

茶柱「で、でも本当に、アンジーさんはお酒を飲んだっていうんですか?」

春川「あるいは血中に直接注射された……とも考えられない?」

巌窟王「いや……アンジーは間違いなく酒を口から飲んだはずだ」

巌窟王「最原。その根拠、お前なら答えられるだろう?」

最原「……」

最原(なんだ? さっきからの巌窟王さんの態度。まるで僕を試しているような……?)

最原「ええっと……うん。アンジーさんの口の中は、何かを無理やり突っ込まれたみたいに荒れ放題だったんだ」

最原「多分だけど、あの荒縄で雁字搦めに縛り上げた後で、無理やり酒瓶を口の中に押し込まれたんだろうね」

夢野「き、聞けば聞くほど、今回の犯人はエグすぎるぞ……!」ガタガタ

キーボ「……そういえば、あのアンジーさんを縛り上げた荒縄。あれは真宮寺くんの研究教室にあったものでは?」

真宮寺「あ、本当だ。よく気づいたネ」

百田「なんだ? 今回の犯人は、やたらあっちゃこっちゃから材料を調達してんな」

春川「獄原の研究教室の医療用ヒル。東条の研究教室の酒。真宮寺の研究教室の荒縄……」

春川「どれも鍵がかかってない研究教室だから、これで容疑者を限定するには弱すぎるけど」

最原(無視するのは無理、っていう程度には気になるな……)

最原(……ゴン太くん、東条さん、真宮寺くんの中に、犯人がいるのか……?)

最原(アンジーさんを殺そうとした犯人が)


291: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 08:58:29.78 ID:Zkbjj15e0

カルデア

BB「おおー……気になる。先が気になりますよ、この展開……」

BB「犯人は一体誰――」



prrrrr!


BB「っと、いいところなのに!」

ガチャリンコ

BB「はいはい! こちら可愛いBBちゃんです!」

マシュ『あ、あの……さっきから肉体の主導権私に渡して、どこに行ったのかなって思って……』

マシュ『心配になって電話したんですけれども……』

BB「えっ」

BB「……あっ! もう朝!? 嘘でしょお!?」ガビーンッ!

BB「リアタイで見たかったのにいいい!」


結局BBは今回も見逃した


292: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 09:09:36.42 ID:Zkbjj15e0

ホテル

マシュBB「あー……あーあーあー……」

マシュBB「体がもう一つ欲しい」

デオン「次にそんな悍ましいことを言ったら今すぐカルデアに戻って斬ってやるからな」ギリィッ

茨木「万死に値する」

ジャック「裸に剥いて雪山に放置したい……」

マシュBB「そこまで言います!?」ガビーンッ!

マシュ(犠牲は私一人で充分です)

BB(マシュさんまで!)


293: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 09:17:41.97 ID:Zkbjj15e0

マシュBB「さてと。じゃあ作戦会議でもしますか。しばらく二人で相談しますので、話しかけないでくださいねー」

デオン「……余計な入れ知恵はするなよ、BB」

マシュBB「変なことは言いませんよ。大胆なことは言うかもしれませんが?」ニヤァ

茨木「デオン。次に、なんて悠長なことは言わずに今コイツを斬るべきでは?」

デオン「マシュの名誉のためにも、いっそのこと体ごと殺るのも優しさか……」ギャランッ

ジャック「マシュ……大好きだよ……!」エグッ

マシュ「やめてください! 大丈夫ですから!」

デオン「冗談は置いといて、そろそろエリザとマスターが起きる時間だな」

茨木「監視再開だな」

ジャック「わーい!」


294: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 09:23:53.85 ID:Zkbjj15e0

休憩します!


295: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 18:15:33.47 ID:Zkbjj15e0

旅行サーヴァント概評(BBちゃん独断と偏見込み)

マシュ・キリエライト
むかしの自分を見ているようでイライラする。
私とセンパイがベタベタしているのを見てモヤッとした気持ちになるのは、まあ別にいいとして。
泣き寝入り率がかなり高いのがネックすぎます。いい子ちゃんすぎてかなりつまらない子。
ただ、こういう真面目な人ほど一旦坂を駆け下りれば止まらなくなるので、そこら辺だけは楽しみです。

シュヴァリエ・デオン
エリザさんの拷問癖、茨木さんの堪え性の無さ、ジャックさんのキレッキレな殺人癖。
それらすべてを無表情で流して引っ張っていける強さを持っているのに、なんで私のことだけ見逃してくれないのか理解不能です。
ジッサイコワイ。
あの王妃がいない場所だと自分に甘く他人にももっと甘い、みたいなスタンスを取っているようです。
私にも甘くしてもらえませんかね。

エリザベート・バートリー
私にとってはとても馴染みの深いサンシタその一。
頭の中は糖度ガン上げのスイーツ系サーヴァント。
デオンさんに並んだ古参のサーヴァントなので、バカっぽい言動の割に経験値はすさまじく高いです。
皮肉なことに経験値の高さのせいで著しいテンションのカーミラ化が起きていますが、そこを指摘したらガチで殺されかねないので内緒です。

茨木童子
酒呑童子の腰巾着、あるいは金魚のフン。
ひとまず甘いお菓子を与えておけば文句は言わないので、(使い勝手は)いい子。
更に、このメンバーの中では意外なことに気遣いが一番できます。
他のメンバーもこの子くらい頭スッカラカンならなぁ。

ジャック・ザ・リッパー
私がこの旅行に同行させたクレーバーサイコロリ。
目的はサーヴァントたちが暴走したときに、その凄まじい俊敏でもって制圧すること。
……なのですが、うっかりしてました。この子自身も暴走率高いんです。
一歩間違えたら大惨事でした。彼女のサイコ加減舐めてたなぁ。
次はもう間違えません。


296: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 18:26:43.49 ID:Zkbjj15e0

エリザ「……すかー……」スヤァ

ぐだ男「……」

ぐだ男(背中に思いっきりくっつかれてるぅー……)

ぐだ男(ほとんどないも同然だが、胸のあたりが柔らかくって気持ちいい)

ぐだ男(薄いけどないわけじゃないのだ!)

ぐだ男(とか言っている場合じゃないな。これは。どうしよう)

ぐだ男(エリザを起こさないように布団から出れるだろうか?)

ぐだ男(……)

ぐだ男「出来る。出来るのだ」

ぐだ男「ゆっくりそーっとそーっと」

エリザ「ハッ」パチリ

ぐだ男「寝覚め良すぎ!」ガビーンッ!

エリザ「……」

エリザ「……おはよ」カァァ

ぐだ男(火竜じゃないはずなのに体温がめっちゃ上がってきた)

ぐだ男「あ、ああ。うん。おはよう」

エリザ「昨日寒かったから、くっついたわ。いいって言ったでしょ?」

ぐだ男「……その……色々柔らかくって……落ち着かないんですが……」

エリザ「サイッテー!」バシッ

ぐだ男「俺に当たるなよ!」


297: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 18:36:30.25 ID:Zkbjj15e0

ぐだ男「……朝になったな。確認するべきことは一つだ」

エリザ「え? 何? 夢じゃないかどうかの確認? 拷問技術があるからすぐにできるけど?」

ぐだ男「ほっぺ抓る程度に留めておけよ。そうじゃなくって」

ぐだ男「エレベーター、そろそろ修理終わったかなって」

エリザ「ああ……」

エリザ「……あんまり長居すると里心付いちゃいそうだから、もう帰る準備するわね」

ぐだ男「了解。じゃあ俺はエレベーターの確認してくる」

エリザ「修理できていたらさっさと帰るわ。お母さまに挨拶してからだけど」

ぐだ男「……」

ぐだ男「ところで里心って……お前、ホテルでも上手くやってるんだなぁ」

エリザ「心外ね。あっちにいるサーヴァントたちはみんな仲間よ」

ぐだ男「BBもか?」

エリザ「忌々しいけどね。腐れ縁よ」

ぐだ男「……そうか」


298: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 18:45:23.83 ID:Zkbjj15e0

ホテル

デオン「……ふむ。アイツ、身内には甘いな。ちょっと信用しすぎじゃないか?」

ジャック「あー。普段は憎まれ口ばっかり叩いてるくせに、いざってときには一番最初に泣いちゃうからねー」

ジャック「ほら、終局特異点でマシュが蒸発死したときもさ」

デオン「懐かしいなぁ。確かにこっちまで胸が痛くなるくらい泣いてたなぁ」

茨木「仲間のために泣けるのに、なんで他の人間に対しては……」

デオン「ははは。茨木。そこまでだ」ニコニコ

ジャック「多分その台詞はそれ以上言ったら私たち全員に刺さる。やめておこう?」ニコニコ

茨木「都合の悪いところから目を逸らす天才だな汝ら」

茨木「……む?」

デオン「どうした?」

茨木「BBとマシュはどうした?」

デオン「……ッ!?」

ジャック「あっ、いない」


299: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 18:52:56.27 ID:Zkbjj15e0

デオン「……くそっ! やられた! BBにマシュを連れていかれた!」

ジャック「やっぱり余計な入れ知恵される前に殺すべきだったねー? マシュごとでもいいからさ」ギャランッ

茨木「よせよせ。流石にもう魔酒も成長したのだ」

茨木「なんでもかんでも鵜呑みにするような子供ではない」

デオン「確かにそうだが……」

デオン「……」

ジャック「カルデアにいるサーヴァントに連絡してBBを暗殺してもらう?」

デオン「難しいな。私たちの申請と許可の偽造を担当しているのがそもそもBBだ」

デオン「カルデアにそんな連絡を入れた途端に何をされるか……」

茨木「静観しかあるまいよ。まあアイツも流石に限度は知っておろう」

茨木「命懸けで悪ふざけをするというのなら、こちらも命を狙うが、それだけだ」

デオン「……仕方ない。剣を向ける先がないのなら、な」

ジャック「保留! だね!」


300: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 19:03:47.04 ID:Zkbjj15e0

東京某所

BB(ふっふっふー! これですよ、これ! 私が送ったプレゼントボックスの中には私の人格以外にも色々入ってたのです!)

マシュ(な、な、ななな……)

BB(大胆ベビードール、スケスケネグリジェ、甘々フリル付きブラ&パンツ……)

BB(色々ッ! そう! 本っ当に色々と持ってきましたよ! あなたのために! あなたのために!)

マシュ(恩着せがましい! 着ませんよ、こんなもの!)

BB(ああっれー? 照れちゃってる系ー? マシュちゃんキャーワーイーイー!)

マシュ(急にギャル調にキャラを変えないでください! 誤魔化せませんよ、そんなのでッ!)

BB(……)

BB(リスクなしにリターンは得られない)

マシュ(は?)

BB(ガッカリです。あなたはこれまでの特異点で、一体何を学んできたというのですか?)

マシュ(!?!?)ガビーンッ!

BB(様々な犠牲があったはずです。勝ち続けてきた以上、それは決して無駄な犠牲ではなかったはずですが)

BB(散々打ちのめされてきたでしょう? そして、過程があるからこそ結果は実を結ぶということを知ったはずです)

マシュ(……)

BB(……欲しいんでしょう? というより、他の誰にも渡したくないんでしょう?)

BB(センパイのこと)

マシュ(それは……)

BB(誤魔化す必要はないんですよぉ。このグレートデビルBBちゃんが、その願いを叶えてあげますからねー)

マシュ(……それは……)

マシュ(……)

BB(ふふふー)ニヤァ


302: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 19:47:50.88 ID:Zkbjj15e0

ホテル

エリザ「帰ってきたわよー!」キラキラキラ

デオン「うざったいほど上機嫌」

茨木「余程いいことがあったのであろうよ」

ジャック「頭痛は?」

エリザ「かつてないほど酷いから、後でホテルにいる一般人を食べるわね!」

ぐだ男「やめてくれ……」

デオン「安心してくれマスター。せめて私たちの旅行が終わるまでは死体が発見されないように頑張る」

ジャック「プロに任せて!」

茨木「最悪の場合は残飯処理をする覚悟はできておるぞ!」

ぐだ男「そんな妙なところでやる気を出すなよ!」ガビーンッ!

ぐだ男「……で。最後は……残っているのは一人だけか」

デオン「……マスター。アイツは」



マシュBB「はいはーい! 呼びましたかー!」キラリーンッ

デオン「……」ゲンナリ

茨木「どこから生えおった」

マシュBB「えへっ」


303: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 19:55:03.43 ID:Zkbjj15e0

ぐだ男「なあ。BB。お前本当にマシュと一緒に来るつもりなのか?」

マシュBB「ええ。マシュさんにもキチンと許可は取りましたし?」

ぐだ男「お前ちょっと強引すぎるからマシュが遠慮してんだよ。なあ?」

マシュ「……いえ。色々相談した結果、です。BBさんにも来ていただきます」

ぐだ男「そうか?」

デオン「マシュ。本当にそれでいいんだな?」

マシュ「……デオンさん」

マシュ「私には、いたずら心が足りないそうです」

デオン「……なるほどな」

ぐだ男「ん? 今の一言で何が伝わったんだ?」

デオン「なら私はもう何も言わないが……」

デオン「せめて取り返しの付かない行為だけは自分自身の手でやるんだ。他人の手に任せるな」

マシュ「……できる限り頑張ります」

茨木「あーあー。良い良い。デオンの言い方はちょっと過保護すぎるのだ」

茨木「結局、納得できれば何でもよい。人任せであろうとな?」

デオン「茨木ッ!」

ぐだ男「……何を言い争ってるんだ?」ハテ

ジャック「マシュの教育方針の対立」


304: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 20:00:59.49 ID:Zkbjj15e0

茨木「悪意と積極性が足りないという点においては吾も同意見だしな……」

デオン「マシュには元々必要のないものだろう」

茨木「いや? 万人にとって必要なものだぞ? 大体汝はなぁ……」

エリザ「ねーねー。私がマスターとどんなことをしたのか聞かないのー?」

ジャック「別に聞かなくってもわかるよー」



アーダコーダ


マシュBB「……じゃ、今のうちに行きましょうか。センパイ?」ニヤァ

ぐだ男「慣れないなぁ。BBの笑い方するマシュ」

マシュBB「私の笑い方ってそこまで特徴的です?」

ぐだ男「マシュがやるにしては邪悪すぎる」

マシュBB「うーん。なんか段々死にたくなってきた」


305: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/18(月) 20:15:05.69 ID:Zkbjj15e0

デオン「……む? しまった! あの二人、いや三人もう行ってしまったぞ!」

茨木「無駄話に興じ過ぎたか。まあよい。まだ充分間に合う」

エリザ「え? 何? マシュに関しては私たちもガッツリ干渉する系?」

エリザ「後で馬に蹴られても仕方ないわよー?」

ジャック「馬に蹴られた程度で死ぬような体してないくせに」

デオン「じゃあさっさと自室に戻って各自準備を整えた後で尾行を開始――」


パァンッ!

キャー!


覆面「このホテルは我々が乗っ取ったァ! お前らは全員人質だ!」

覆面2「我々の要求はこのホテルに『たまたま』泊まっていた政治家の身柄である!」

覆面3「げへへへぇ! 大人しくしていれば全員無事で済むぜ! だが『今日一日』は絶対に俺たちと一緒だがなぁ!」

デオン「」

エリザ「」

茨木「」

ジャック「……」

ジャック「このタイミング、偶然だと思う?」

デオン「ははは。そんなわけないだろう?」ビキビキ

茨木「やられたな。アイツ、とことん吾らを足止めするつもりのようだ」ギリィッ

エリザ「頭痛が酷くなってきたわ」ズキズキ

覆面4「んっ!? おい貴様ら、何をしている! さっさと腹ばいになって――」


バキィッ


デオン「ちょっと黙ってろ!」

覆面4「ひでぶ」

エリザ「……ちょうどいいわね。一人ずつ一人ずつ……まとめて料理してあげるわ」

ジャック「BBの差し金……だという自覚はないとしても、生かす価値ないしね」ゴゴゴゴゴ

茨木「本当の略奪というものを見せてやろうか」ゴキゴキッ

覆面1「え、えーっ!?」ガビーンッ!



その日の内に事件は解決した。
が、時間がかかり過ぎたため、四人がマシュとBBに干渉することはついぞ叶わなかった。


310: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 08:56:28.70 ID:+f7COWIx0

BB(んふふー。地道な情報操作の賜物ですねー。あの四人は今日一日ダイハードですよ)

マシュ(なんてことを……後であの四人にリンチされていても庇いきれませんよ?)

BB(ウッソでしょ、庇う気ですか? 死にたいんですか?)ガーン!

マシュ(死ぬような目に遭うとわかっていてこんな愚策用意したんですか?)ガーン!

BB(……これ以上話し合っても見解の相違で殴り合うだけですね)

BB(というわけで)

マシュ(というわけで?)

BB(センパイと! ベタベタします! 無意味に!)

マシュ(どういうわけでッ!?)ガビーンッ!



マシュBB「センパーイ! 手、繋いでください! 手!」

ぐだ男「お前やることなすこと突拍子もないな」

マシュBB「いいじゃないですか、ほら! エスコートですよエスコート!」

ぐだ男「はいはい」ギュッ

マシュBB「できれば恋人繋ぎでお願いします!」

マシュBB「いや絶対恋人繋ぎでお願いします!」

ぐだ男「……何を企んでる?」

マシュBB「疑心暗鬼はよくないと思うんです。私がいつも何かを企んでいると思ったら大間違いですよ!」

ぐだ男(胡散臭ぇー。アラフィフのおっさんより胡散臭いよ)


311: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 09:03:16.24 ID:+f7COWIx0

マシュ(ちょっ……BBさん! 肉体の主導権をこっちによこしてください! 恥ずかしいです!)

BB(あっはっはー! 別にいいじゃないですか! 感覚は全部、どちらの人格にも共有させてるんですから)

BB(ああっ、しゅごいいい……センパイの体温と、私たちの体温が恋人繋ぎから段々混ざり合って……)ハァハァ

マシュ(無駄にエロく言わないでください!)

BB(……でも嬉しいんでしょう?)

マシュ(はい!)

マシュ(……ああ、いや……えーと……)

マシュ(ああーーー! もーーー!)ジタバタ



ぐだ男「お前顔真っ赤だぞ。大丈夫か?」

マシュBB「……私は大丈夫です。私は」

ぐだ男「マシュは大丈夫じゃないんだな……」

マシュBB「なんか無駄に汗ばんできたので、向こうについたら冷たい麦茶とか欲しいです」

ぐだ男「わかった」


312: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 09:17:30.44 ID:+f7COWIx0

マシュBB「……正直、手を繋いだ程度で尻尾フリフリするワンコな後輩の方が思考回路エロいと思うんですよね」

ぐだ男「お前それマシュに聞こえるように言ってる?」

マシュBB「……えへっ」キャルーンッ

ぐだ男「BBのそういう都合の悪い質問をされたときに雑に誤魔化すところを俺は一番信用していない」

マシュBB「さ、流石にマスターですね……デオンさんも似たようなこと言ってましたよ……!」

マシュBB「でもそれは置いといて! ねえ! 多分私よりもマシュさんの方がエロいって点には賛成でしょう!?」

ぐだ男「追い詰められたときに仲間を巻き込んでメガンテするクセも修正しろ。すぐにだ」

マシュBB「ずるいー! こっちの非を指摘するだけ指摘して全然答えになってないー!」

マシュ(聞きたくもないので別にいいですッ!)


313: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 09:35:32.37 ID:+f7COWIx0

マシュ(しかし……恋人繋ぎしているというのに、お二人ともまったくいつも通りですね)

BB(まあ再三、マスターと私は関係を調整しましたからね。仲間である以上の関係はないって、お互いに位置づけたりして)

マシュ(……わざわざそんなことを……)

BB(私は私で好きな人いますしねぇ)

マシュ(……こうは思ってはいけないのでしょうが、それでもこうやって気安く触れ合える関係はちょっと羨ましいです)

BB(ほう。なるほど)

BB(そんな無神経な言葉を吐いちゃう悪い子にはおしおきしてくれましょう)

マシュ(えっ)



マシュBB「うりゃっ」ギュウ

ぐだ男「痛っ! なんで急に握力強くしてんだよ!」

マシュBB「急に! 急にマスターの手を握り潰したくなって! 急に!」

ぐだ男「お前本当に自由だなぁ! こ、この……大人しくやられてたまるか!」ギュウ

マシュBB「フハハハハハハー! サーヴァントの力は不活性だとは言え、デミサーヴァントに勝てるものかー!」ギュウウ!

ぐだ男「負けるわけにはいかないんだよーーー!」ギュウウウ!

マシュBB「ぐうおおおおおおあああああ!」ギュウウウウ!

ぐだ男「うおおおおおおおおおおおおお!」ギュウウウウウ!

マシュ「……せ、先輩……痛い、です……!」カタカタ

ぐだ男「うおおおおおおお……?」

ぐだ男「……」

ぐだ男「……ゑ?」

マシュ「うう……」フルフル

ぐだ男「……」

ぐだ男「BB! 貴様ァーーーッ!」ガビーンッ!


314: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 09:44:52.64 ID:+f7COWIx0

BB(はいバトンタッチー。後はよろしこー。また後で来ますねー)

マシュ(BBさんーーーっ!?)ガビーンッ!

マシュ(……)

マシュ(……い、いえ。大丈夫です。BBさんにできて私にできない道理はありません)

マシュ(そう。この程度……先輩と手を繋ぐ程度、どうとでも!)



マシュ「あ、あの……先輩。見ての通り、BBさんから一方的に肉体の主導権を返されましたので……」

マシュ「ひ、引き続きエスコートをお願いしますね?」ニコォ

ぐだ男「……」

マシュ「先輩?」

ぐだ男「うおっ? お、おおん……んん……」アタフタ

マシュ「……」

マシュ「なんでっ! BBさんのときは普通で! 私のときだけテンパってるんですかッ!」ガビーンッ!

ぐだ男「い、いや。だってさっきまでは相手がBBだったし……BBだぞ?」

ぐだ男「多少ぞんざいに扱ったところで普段の言動と行動からしてもお釣りがくる、あのBBだぞ?」

ぐだ男「で、でもお前……マシュの場合はさ……大事にしないといけないじゃないか……」カァァ

マシュ(やめてーーー! お願い、さっきみたいに飄々としててくださいよ先輩ーーー!)

マシュ(なんかこっちまで死ぬほど恥ずかしくなってきちゃいますからーーー!)カァァ


315: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 09:53:41.34 ID:+f7COWIx0

ぐだ男「そ、その……手、ごめんな。大丈夫か?」スッ……

ガシィッ

マシュ「手! 離そうとしたら! 許しませんからねッ!」

ぐだ男「えっ」

マシュ「じゃないとカルデアに帰り次第、先輩とBBさんはデキてるって根も葉もない噂をバラ撒いてやります!」

ぐだ男「ええっ!?」ガビーンッ!

マシュ「なので絶対に私の手を! 離さないでください! 絶対にッ!」



BB(プスー。クスクスクス。必死ー!)プギャー!

マシュ(黙っていてください!)

BB(噂をバラ撒くとか、そんなのできないくせにー。技術とか以前に良心的にー!)クスクスクス

マシュ(ああーーーッ!)プンスカ!


317: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 16:10:58.50 ID:+f7COWIx0

カルデア

BB(やっぱり気になるんですよねー。体をマシュさんに任せた後はポップコーンとコーラを持って巌窟王さんの鑑賞会です)

イシュタル「ん? あ。BBじゃない」

BB「あ。配布の方のイシュタルさん」

イシュタル「遅かったわね。もう裁判は終わっちゃったわよ」

BB「は?」

ナーサリー「ぐすっ……まさかこの事件にあんな裏があったなんて驚きだったのだわ」エグエグ

BB「ナーサリーさんまでっ!?」ガビーンッ!

ナーサリー「まさかアンジーを襲ったのが●●●(ネタバレ防止のため伏字)で」

イシュタル「しかも襲われている最中にアンジーは●●●を守るために●●を●●●かったなんて」グスン

ナーサリー「裁判終盤の最原の覚悟ももう素晴らしかったのだわ! ●●●を●●ためにあえて自分で●●●を●●て――」

BB「ぎゃあああああああああああッ!」ガビビーンッ!


なんかいつの間にか巌窟王のモニターがカルデア中で流行ってた。
そしてBBの本体は致命的なネタバレを食らい、少し寝た。その後、ネタバレを食らったことを思い出し、泣いた


318: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 16:27:06.70 ID:+f7COWIx0

マシュ「……」

マシュ「なんか先ほどからBBさんの元気がありません」

ぐだ男「本体の方に何かあったのかもな。打たれ弱いから殴っていいのは殴られたときだけだ」

ぐだ男「そら。家。ついたぞ」

マシュ「……ん……」

ぐだ男「……」

二人(どのタイミングで手を離せばいいのかわからない……!)

ぐだ男(まさか家の中に入るまで、か……そんなバカな……鍵を取り出せないな……)

ぐだ男(いや、鍵が入ってるポケットは空いてる方の手の側だ。問題はない)

ぐだ男(問題があるとしたら恥ずかしいこと!)

マシュ(勢い任せで手を繋ぐべきじゃなかったのかもしれません……!)

マシュ(な、なんかもう、緊張からか唇がカサカサに……!)

マシュ(リップが欲しいです、凄く!)


319: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 17:08:02.11 ID:+f7COWIx0

二人(扉の前まで手を繋いで来ちゃったよ)

ぐだ男(……)

ぐだ男(いや。もう考えるのをやめよう。相手はマシュだ! 俺の相棒のマシュなんだ!)

ぐだ男(手を繋ぐ程度ならなんでもない!)

ぐだ男「よーし、マシュ。それじゃあこのまま家に入るぞ!」

マシュ「はい! マシュ・キリエライト、吶喊します!」

ぐだ男「いいか。俺が鍵を開けた後、一、二の三で中に入り一発かますぞ」

ぐだ男「ただいまー! とな!」

マシュ「完璧な作戦です! やはり私のマスターは世界一のマスターですね!」

ぐだ男「鍵は開けた。行くぞ。一、二の三!」


ガチャアアアンッ!


二人「ただいまーーー!」

部屋「」ガラーンッ

ぐだ男「誰もいねぇーーーッ!」ガビーンッ!

BB(ちょっと意識を取り戻したら、なんですかこのノリ)

マシュ(勢いで誤魔化さないとやってられなくって……!)


320: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 17:35:39.37 ID:+f7COWIx0

やっと手を離した

置手紙「」ポツン

ぐだ男「……置手紙がテーブルの上にある」

ぐだ男「どらどら」

ぐだ男「……」

ぐだ男「……」汗ブワッ

マシュBB「どうしたんですか?」

ぐだ男「え、あ、あの……」

ぐだ男「今日、両親、帰ってこん」

マシュBB「へえ」

ぐだ男「なんか実家帰るって……」

マシュBB「急ですね。昨日のこともありますし、明らかに気を使われてます」

ぐだ男(もうコイツ、監視について隠すつもり毛頭ないな)

マシュBB「……」カァァ

マシュBB「……あっつ! この部屋暑くないですか!?」

ぐだ男「……BB。多分だが……言いづらいんだけどさ」

ぐだ男「マシュの心拍数が上がってるだけだ」

マシュBB「むっつりエロ娘」

マシュ「不名誉なこと言わないでくださいッ!」ガァッ

ぐだ男(スイッチもう頻繁に切り替わるようになってるなー)


321: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 17:59:57.54 ID:+f7COWIx0

ぐだ男「ひとまず休むか。何か飲み物出すよ。テレビのリモコン渡すから適当にくつろいでくれ」

マシュBB「はいはーい。ぬるいジュースはお断りですよー」

ぐだ男「厚かましいヤツめ」スタスタ

マシュBB「さてと。この時間だとニュース以外何もやってないと思うけど」ピッ


テレビ『ご覧ください! 現在、ホテルはテロリストにより占拠されております!』

テレビ『しかしホテルの中ではテロリスト側に何らかのトラブルが起こっている様子です!』

テレビ『ここから見えるのはホテルのロビーだけですが、そこら中に大量の血や脂肪由来の油がぶちまけられており――』


ピッ


マシュBB「センパーイ! 後で何か映画借りてきましょうよー! 何もやってなくてつまらないですー!」

ぐだ男「後でなー」

マシュ(……まあ、先輩には見せられないですけど……)

BB(休日ですもの。休んでいてもらわないと、ね?)


322: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 18:13:52.60 ID:+f7COWIx0

エリザ「さあ。言いなさい。あなたたちが時限爆弾を仕掛けたってのはもう割れてるの。どこに仕掛けたの?」

グチャバリッ!


覆面1「……ひ、ぎ、い……」ガタガタ

茨木「あー。ダメだぞエリザ。舌が縦に真っ二つに裂けておるではないか。拷問しても喋らせようがない」

ジャック「ていうか何をしたらこんな愉快なことになるの?」

エリザ「口の中に包丁を突っ込んでアッパーしただけだけど……?」キョトン

デオン「キョトンとするな。だけって言うほど小さいことでもないぞ」

エリザ「えー。いいじゃない。どうせホテルからは誰も逃げられないように陣地作成で閉じ込めてるんだから」

エリザ「使い物にならないヤツは趣味で拷問して、それ以外は普通に拷問すればいいのよ!」キラキラキラ!

ジャック「趣味って言っちゃったよ」

デオン「今更だからどうとも思わないけどな」

茨木「白百合の騎士は真っ黒だなぁ?」

デオン「ん。こっちのヤツは比較的口が無事じゃないか。こっちを使おう」グイッ

茨木「それもう主要な内臓くらいしか残ってないように見えるが」

デオン「いや? 死んだふりしているだけだ。意識もハッキリしてる。ほら、白目の辺りを触るとわかりやすい」

ペタッ

覆面2「いぎっ……」

デオン「な?」

茨木「な? じゃないが」

エリザ「しょうがないわねー。趣味じゃない拷問に切り替えるとしましょうか」

覆面2「ひ、い……殺して……殺して……!」ガタガタ

デオン「何を勘違いしているんだ?」

ジャック「あなたたちに生かす価値がないのは確かだけど、殺すつもりも毛頭ないよ?」

茨木「安心しろ! 全員生きてここを出られるぞ!」キラキラキラ

エリザ「じゃあ尻に玩具を入れるわよー! せーのっ!」

覆面2「あ、ぎ、が……!」ガタガタ

覆面2「ぎゃああああああああああッ!?」


最終的な死亡者はゼロだった。めでたしめでたし


324: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 20:12:58.97 ID:+f7COWIx0

マシュ(……あの四人が今どういうことをしているのか、わかりませんか?)

BB(私にはわかります。元気にやっているようですね。マスターの理念に従って、誰一人として殺さずに事態を収める気のようです)

マシュ(よかった。それなら大事には至らなそうです)

※既に至っています

ぐだ男「冷えた麦茶を持ってきたぞー」

マシュBB「あ。ありがとうございまーす!」

マシュBB「いやぁー。ずっと体が熱かったから、やっとコレでクールダウンでき」

マシュBB「ぶへぁーーーッ!」ブーーーッ!

ぐだ男「ぷふっ……! めんつゆだ」プルプル

マシュBB「げっふ……ごほっごほっ……せ、センパイぃぃぃ!」

ぐだ男「これで監視の件はチャラにしてやる。助けられたのは事実だが、無許可はダメだ。無許可は」ニヤニヤ

マシュBB「よくもだましたアアアアア! だましてくれたなアアアア!」ガシィッ

ぐだ男「ぐえええええ! やめろ! 首を締め上げるな!」ジタバタ

マシュ(本当に仲がいいですね……)


326: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 20:28:30.34 ID:+f7COWIx0

仕切り直し

マシュBB「ふーん、だ!」

ぐだ男「そう怒るなって。これで色々チャラにしてやったんだからさ」

マシュBB「それはそれ! これはこれです!」

マシュBB「私は人間をいじくるのは大好きですが、人間に弄られるのは大嫌いなんですよ!」

ぐだ男「クズヤロー」

マシュBB「……自覚はありますが、もうちょっと歯に衣着せるとか……」

ぐだ男「俺は出来る限りお前のことを庇ってやるが、いつか庇いきれないほどのリンチ受けるぞ?」

マシュ(その忠告、もうちょっと早ければ……)

BB(覚悟の上です!)

マシュ(潔い!)ガビーンッ!

ぐだ男「で。何か映画借りたいんだっけか? 近くにレンタルビデオ屋があるからそこに……」

ぐだ男「……」

ぐだ男「……やっちまった。有効期限が切れてるに決まってるじゃないか」

マシュBB「ん。ああ……そっか。何年かぶりの帰郷ですものね」

ぐだ男「……うちに何本か映画のディスクあるから、それでなんとか暇を潰そう」

マシュBB「あーあ。センパイとデートできる口実ができたと思ったのになー」ニコニコ

ぐだ男「心にもないことをノータイムで口から垂れ流す技術は大したものだと思うよ」

マシュBB「流石にちょっとも動揺させられないと思うと女としての自信失くしちゃうんですけどー!」プンスカ!


327: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 20:38:56.49 ID:+f7COWIx0

マシュBB「……あ。そうだ。じゃあこうしましょう」

ぐだ男「あ? またロクでもないことをマシュに吹き込む気か?」

ぐだ男「流石にそうそう何度も俺は引っかからな――」

マシュ「……先輩とデートできる口実が、できたと思ったのですが……」カァァ

ぐだ男「」

マシュ「……」

マシュ「だからっ! なんでっ! 私のときだけ本気で狼狽えるんですかッ!」

ぐだ男「お前が慣れないこと言うからだろ……!」

ぐだ男「あー……あーあーあー……!」

ぐだ男「……映画取ってくる!」

マシュ「あ、先輩……!」

ぐだ男「……」

ぐだ男「マシュが望むのならどこにだって連れて行くよ」

マシュ「……」

ぐだ男「えーとファミリー向けのヤツは……」

マシュ「……」

BB(どこにでもって、なんです? ピンク色の城みたいな休憩所的なところでも?)クスクスクス

マシュ(もーーー!)プンスカ!


328: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 20:55:29.61 ID:+f7COWIx0

BB(今更なんですが、やっぱり私がいなくってもマシュさんってどうとでもできるのでは?)

BB(ていうかむしろ私が邪魔ですよね?)

マシュ(……わかってるくせに、そんなことを言うんですね)

BB(ふふっ。グレートデビルもちょっとは天使的なこと言いますよ)

BB(今ここでチャンスをあげましょうか? あなたが消えろと言えば綺麗さっぱり、私の人格データを消去してあげますよ)

マシュ(それは……)

BB(こうやって選択肢を投げかけておいた方が、後悔は大きくできそうですしね)

マシュ(……私があなたを切り離せないってことを計算に入れた発言ですね)

マシュ(凄まじく卑劣です)

BB(あなたに一番必要なものですよ)

マシュ(欠けていることは認めますが必要だとは思いません)

マシュ(……でも私は……)

BB(すりーとぅーわん、どばーーーんっ! タイムアーーーップ!)

マシュ(早いですよ! 確かに消えろなんて言うつもりなかったですけど!)ガビーンッ!

BB(ふふふ……私に任せておいてください……!)

マシュ(……不安です)

BB(誰だってそうですよ。初めてはいつだって)

BB(……私に身を委ねていれば、人生で一番幸せな夜になります)

BB(安心なんてできなくってもね)

マシュ(……)

BB(さあ。マシュさんは陥落しましたよ。あとはあなたが堕ちればすべてカタがつきます)

BB(楽しみにしてくださいよ。セ、ン、パ、イ)


330: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 21:20:35.12 ID:+f7COWIx0

数時間後

マシュBB「ううっ……えぐっ……ロボとーちゃん最高すぎるでしょ……!」エグエグ

ぐだ男「……」ドンビキ

マシュBB「え。なんです? なんで引いてるんですか?」

ぐだ男「いや、すまない。お前にまだ映画で泣く、みたいな普通の女の子の感性が残ってることにビックリして」

マシュBB「いくら何でも失礼すぎやしません!?」ガビーンッ!

ぐだ男「だから悪かったって……なんか詫びに作るからさ」

マシュBB「おや。もうそんな時間……外も暗いですね、確かに」

ぐだ男「時間がかかるから、なんなら風呂入ってきてもいいぞー」

マシュ「……」ギクリ

BB(……ふむ。この段階で仕掛けると食事と被ります。惜しいですが、まだです。まだ)

マシュ(了解……)

マシュBB「ふふっ! それじゃあお湯お先にいただきまーす!」

ぐだ男「おーう」


331: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 21:28:01.01 ID:+f7COWIx0

マシュBB「ふー……いいお湯でした!」ツヤツヤ

ぐだ男「……」

ぐだ男「よかった。お前のことだからスケスケのネグリジェでも持ってきてるんじゃないかと心配してたんだが」

ぐだ男「普通のパジャマだ……普通の……!」

マシュBB「普通で悪かったですね?」

ぐだ男「いや、いい。とてもいい。お前が普通のことをしているってだけで泣くほど感動する」

ぐだ男「ほら。今日はハンバーグだ。ジャックのために何回も試行錯誤したから、俺の作れるヤツの中では一番の自信作だぞ?」

マシュBB「わあ!」

マシュ(実際、マスターの作るハンバーグは美味しいですよ)

BB(……へえ。そんな特技が……)

BB(ま、どうせエミヤさんには負けるんでしょうけどね)

マシュ(あれと比較するのはいくら何でも残酷すぎますが……)

マシュ(これはこれで美味しいんです。先輩にしか出せない味ですから)

マシュBB「じゃあ遠慮なく……!」

ぐだ男「おう。盛り付けたらすぐに食っていいぞ。ちょっとしたデザートも用意してる」

ぐだ男「コンビニスイーツだけど」

BB(彼氏力高ァ)

マシュ(……BBさん?)

BB(いや、取らないですけどね?)


332: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 21:38:19.87 ID:+f7COWIx0

数十分後

マシュBB「……ふはー……美味しかったー!」

ぐだ男「ん。そうか。そりゃよかった」

ぐだ男「……マシュはどうだったよ。感覚は共有してるんだろ?」

マシュ「あ、は、はい! とても! いつも通り美味しかったです!」

ぐだ男「よかった」

ぐだ男「んじゃあ食器をカタしてくるから。布団はまだ後でいいだろ?」

マシュBB「んー。すぐに寝っ転がりたいですー」

ぐだ男「ソファにでも転がってろ。牛になりたきゃな」

マシュBB「あーい」ステステ

ぐだ男「……」

ぐだ男(やっと……やっと平和を手に入れた!)

ぐだ男(茨木には噛まれ、デオンには両親を酒で潰され、ジャックと逃避行し、エリザとToLoveるダークネスした昨日までとは違う!)

ぐだ男(今度こそ! 今度こそ俺は平穏無事な日常を取り戻したぞ!)

ぐだ男(BBがいるのが不安だが、マシュがいれば滅多なことは起こらないだろう!)

ぐだ男(マシュがいれば!)




BB(って、思ってるんでしょうねぇ……)

BB(……今の内ですね。ふふふ)

マシュ(……はい)

BB(BBちゃんによるマジカルメイクアーーーップ!)キラリーンッ!


333: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 21:46:13.55 ID:+f7COWIx0

ぐだ男「おーっし。食器もカタしたし、次は布団でも敷くかー」

ぐだ男「寝るかどうかは置いといて、そろそろ寝っ転がれる場所くらいは欲しくなるころだろうし……」

ぐだ男「ん」


ゴソゴソ


ぐだ男「寝室から何か音が……」

ぐだ男「ああ、そっか。監視してたんだもんな。布団の場所くらいは知ってるに決まってる」

ぐだ男「……前までは全員、俺と一緒に寝ることを注文してたけど……今日は相手がマシュだしな」

ぐだ男「流石に今日は別室で寝るか、さもなくばソファで寝るかだな」

マシュ「せ、せんぱーい……ちょっと来てくれませんかー?」

ぐだ男「お? どうしたマシュ。ファブリーズが欲しいんならすぐに持ってくるけど」ガチャリッ

ベビードール着用マシュ「……あ、あの……」



ぐだ男「」

ぐだ男「」

ぐだ男「……!?!?」

マシュBB「感想はどうしたんですか? セーンパァーイ?」ニヤニヤ

ぐだ男「BBィーーーッ!」ズガァァァァンッ!


334: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 21:52:37.50 ID:+f7COWIx0

ぐだ男(うっ……この匂いは……!)

マシュBB「あーっはっはっはっは! 迂闊に部屋に来てしまったあなたが悪いんですよ!」

マシュBB「そう! この部屋に充満しているのは媚薬効果のあるお香です!」

マシュBB「キアラさんプロデュースなので効果には保証付き! 抗える人間など誰一人として」

ぐだ男「いや俺は大丈夫だけど」

マシュBB「えっ」

ぐだ男「防毒の加護があるし……」

マシュBB「あっ」

マシュBB「……いけない。強力にしすぎた。前のジャックさんの睡眠薬とは違って完全に毒にカウントされちゃいましたね」

マシュ(詰め甘すぎです!)

マシュBB「でもまあ、ははっ! こんなものは最初からダメ押しに過ぎないですしね!」

マシュBB「本番はこれからですよ、セーンパーイ!」

ぐだ男「おい。おい。何のつもりだ。マシュはどうした?」

マシュ「ええっと……一応、無理やりってわけじゃないんですけど」

ぐだ男「な、なにィ……?」

BB(おや。私が強要してこんなことをしていると思っていた。信用がないですねー……)

マシュ(まあ実際この状況見たら……)

BB(あ、違うか。私に信用がないんじゃなくって、マシュさんが信用されすぎなんですね)

マシュ(……)


335: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/19(火) 21:58:19.50 ID:+f7COWIx0

マシュBB「……ねえセンパーイ。このベビードールってぇー、肩紐の部分をちょっとズラすとー」

マシュBB「簡単に下に下がっちゃうんですよー?」スルッ

ぐだ男「何ィーーー!?」ガビーンッ!


ダッ


ぐだ男「や、やらせんぞ! マシュのためにもそんなことはさせたりしない!」ガシィッ

マシュBB「ははっ! 退室せずに私の方に来る……と、思いましたよ! 計算通りです!」

マシュBB「その勇者的思考回路がアダになる!」

ぐだ男「えっ?」

マシュ「せ、先輩……!」グイッ

ぐだ男「うわっ」グラッ


バターンッ


BB(さあ……溺れる夜の始まりです)

BB(ちょっとずつちょっとずつ。確実に。マスターの理性を終わらせてあげます)


340: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 19:47:32.08 ID:r91pMgOq0

虚構殺人遊戯 才囚学園

巌窟王「……」

最原「……アンジーさん。まだ眠ってるね。いつ起きるのかな」

巌窟王「そうそう遠くはあるまい。モノクマの処置は、悔しいが適確だったからな」

巌窟王「無駄にサイボーグ化などはされていないことは東条も確認している」

最原「それがこの学園ではありえそうだから怖いんだよね……」

巌窟王「……」

巌窟王「最原。一つ聞かせろ」

最原「なに?」





巌窟王「どの時点で気付いた? 今回の犯人を俺が殺す気だと」

最原「……」


341: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 19:51:52.14 ID:r91pMgOq0

最原「疑似学級裁判の序盤」

巌窟王「そんなに最初か」

最原「一番最初に『あれっ』て思ったのは、普段はそんなことは滅多にしない巌窟王さんがヒントを与えるようなことを言ったとき」

最原「前回、前々回の学級裁判だと『自分自身でも本当にわからないこと』を純粋な興味で暴いた結果、議論が発展した、みたいなパターンだったから」

巌窟王「それだけか?」

最原「まだあるよ。これが一番の理由かな」

最原「犯人がアンジーさんの口の中に酒瓶を突っ込み、ヒルの許容限界を超えた血液を吸い出させた……」

最原「このトリック、よくよく考えると被害者がアンジーさんってところに致命的な穴がある」

最原「サーヴァントの巌窟王さんならまず最初に気付いたはずだ」

巌窟王「……」

最原「……令呪で呼べたはずなんだよ。だって、酒で溺死させないために、アンジーさんの意識はハッキリしてたはずなんだから」

最原「荒縄で雁字搦めにされていようと関係ないんだ」


342: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 19:58:59.35 ID:r91pMgOq0

巌窟王「……見事、と言ったところか。あのシャーロック・ホームズがお前のことを知ったら頭を撫でたがるだろうな」

最原(たまに巌窟王さんって変な冗談言うな……)

巌窟王「俺が気付いていたはず、というところまで推理の中に入っていたな」

最原「じゃないと犯人を殺そうと思うくらい怒らないと思って」

巌窟王「……アイツは我がマスターの理念を踏みにじった」

巌窟王「やり方こそは歪んでいたかもしれないが、意志自体は間違っていない。それにも関わらずな」

巌窟王「しかも『アンジーは巌窟王を呼ばない』という点を考慮に入れて凶行に及んだのだ」

巌窟王「これで犯人に怒らなければ、何が復讐者か」

最原「最後の令呪。これを失ったら今度こそ巌窟王さんは生き返れない。だから……」

巌窟王「……犯人も、アンジーも大馬鹿者だ」


343: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 20:10:27.07 ID:r91pMgOq0

巌窟王「アンジーが死ねば、どうせこの空間での現界の維持はできなくなる。どっちにしても消えるというのに」

最原「消える前に他のマスターと契約すれば消えない、みたいなこと言ってたけど」

巌窟王「……」

最原「……まあ僕たちにはいらない知識、だよね」

アンジー「ん……!」

巌窟王「む」

最原「アンジーさんっ!」

アンジー「う、う、うう……!」ガタガタ

巌窟王「……もう容態は安定したはずだが」

最原「違う。これは体じゃなくって心の方の問題だ……!」

最原「凄くうなされてる!」

アンジー「か、神様……!」ガタガタ

巌窟王「アンジー! 俺はここにいるぞ!」

アンジー「……ルチャの……女神様……」

巌窟王「……」




巌窟王「は?」

アンジー「ルチャの神様が愉快な腰つきで無理やり迫ってくるよおおおお……!」エグエグ

巌窟王「」

最原「ど、どんな夢かはまったくわからないけど、ありえないほどうなされてる!」ガビーンッ!


344: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 20:15:47.65 ID:r91pMgOq0

某ルチャの女神『オーレッ! あなたもマスターたるもの、強くなくっちゃいけませーん!』

某ルチャの女神『その心意気、覚悟。資格は充分です! 我が加護を受けて超高校級のルチャドーラとして覚醒するのデース!』

アンジー「いやだああああ……いやだよおおおお……! 他の神様信仰したくないよおおお……!」ガタガタ

アンジー「もう高さ足りてるよおおおお……!」エグエグ

巌窟王「」

最原「アンジーさん! しっかりして! アンジーさーーーん!」

巌窟王「……」ズーン

最原「巌窟王さん! 頭抱えてないで誰か呼んできて……巌窟王さん! 巌窟王さーーーんっ!」



その後、アンジーがあと十回『ルチャの女神様いやだ』とうわごとを繰り返したあたりで彼女は目を覚ました。
ついでに何故かケツァルコアトルの加護を手に入れていたが、本気でいらなかったので捨てた。


巌窟王は身内の不祥事を心の底からアンジーに謝ったようだ。めでたしめでたし


346: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 20:50:13.22 ID:r91pMgOq0

ぐだ男家

ぐだ男(前回までのあらすじ)

ぐだ男(ベビードールを着たマシュに組み敷かれた)

ぐだ男(もう何がなんだかわからない)

ぐだ男「……」

ぐだ男「もう知らん。寝る」スヤァ

マシュBB「はいビンター!」パシィンッ

ぐだ男「痛ェ」

マシュBB「据え膳食わぬは男の恥という言葉を思い出してください!」

ぐだ男「お前が出してる据え膳はタバスコ入りなんだよ! 食えるかッ!」

マシュ「そ、そこまで……イヤですか……?」

ぐだ男「あ、いや、マシュのことは全然……」

ぐだ男「ああもう紛らわしい!」

マシュBB「とか言いながら、今日はずっと、どっちの人格が出ているかは百発百中で当ててるんですよ」

マシュBB「愛の成せる業ですね! そんなに私のことが好きなんですか?」

マシュ「……そ、そうなんですか? 先輩はBBさんに叶わぬ恋を?」

ぐだ男「うおーーー! もうシームレスに人格が切り替わってるーーー!」ガビーンッ!


347: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 20:55:32.94 ID:r91pMgOq0

ぐだ男「BBの笑顔はBBの笑顔でわかりやすいんだよ!」

ぐだ男「マシュはマシュでなんか声が優しくて安心する! だけだ! それだけ!」

ぐだ男「ってことで、離してくれませんかね。ピタリ賞的なアレで……」

マシュ「ダメです」

マシュBB「当然ダメです」

マシュ「絶対にダメです」

ぐだ男「ち、ちくしょう……! 俺に一体何をする気だ……?」

マシュBB「ぶっちゃけこのまま私たちに食べられちゃってください!」

ぐだ男「食べ物が不足してたんなら後で買ってくるから……」

マシュ「いいえ。残念ですが性的な意味で、です」

ぐだ男「……」

マシュ「ごめんなさい……」

ぐだ男「謝るくらいなら言わなきゃよかったのにさぁ……!」


349: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 21:05:33.09 ID:r91pMgOq0

ぐだ男「……」

ぐだ男「BB! お前! マシュになんか吹き込んだろ!」

マシュBB「何を根拠に?」

ぐだ男「いくら何でも行動が突飛すぎる!」

マシュBB「うーん……まあ確かに吹き込んだっちゃ吹き込みましたが」

マシュBB「突飛ではないですよ。伏線はいくらでもありました」

ぐだ男「え。そうだっけ?」

マシュBB「時間は大体去年の年末、冠位時空神殿ソロモン攻略戦に遡ります」

ぐだ男(お前そんときいなかっただろ)

マシュBB「私はそのときいなかったですけどね!(泣)」

ぐだ男「泣くな鬱陶しい!」


350: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 21:12:32.79 ID:r91pMgOq0

マシュBB「人理焼却式ゲーティアとの対戦。マシュさんの脱落。ドクター・ロマンの決死の宝具」

マシュBB「まあなんやかんやあったものの、人理焼却は阻止され、世界は御覧の通り元通りとなりました!」

マシュBB「その際、死んだと思われていたマシュさんも何故か蘇生しており……」

マシュBB「あなたたちはどこまでも続く蒼天の下、その偉業と勝利の美酒を噛み締めたのです」

マシュBB「……」

マシュBB「で? だから何?」

ぐだ男「は? いや、だから何って……それで終わりだろ?」

ぐだ男「いや、亜種特異点の発生はまだ止まってないけど、おおよそそれで全部終了したはずだ」

マシュBB「これで? いやいや……終わってないですよ。一つ重大な忘れ物をしていたはずです!」

マシュBB「なんかもう、さらっと流されちゃってマシュさん自身も気付くの遅れてたんですけどね!」

ぐだ男「あー……?」


351: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 21:18:16.26 ID:r91pMgOq0

マシュBB「……別にそれのために辛い闘いを耐えてきたわけじゃありません」

マシュBB「あなたちは純粋に、生きたかっただけ! 最後の最後まで足掻いてただけ!」

マシュBB「でも『あって当たり前のもの』を度外視していい理由にはならないんですよねぇ!」

ぐだ男「それは?」

マシュBB「戦いを生き残ったあなたたちの幸せ」

マシュBB「……具体的に言うと集大成がないんですよ! キスとか告白だとかセックスだとか色々あるでしょうに!」

ぐだ男「あー……」

ぐだ男(具体例は素直にうなずきたくないが、言いたいことはわかる)

ぐだ男「……俺はマシュが生きてたってわかったときは凄く嬉しかった」

ぐだ男「俺自身も生きててよかったって、本当に思えたんだ」

ぐだ男「ということをマシュ本人にもキチンと伝えたんだが、まだ足りなかったか?」

マシュ「……」

マシュBB「話が早くて助かります」ニコォ


352: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 21:32:32.18 ID:r91pMgOq0

ぐだ男「……当たり前か。お前本当に死にかけてたもんなあ。あの終局特異点は本当に危なかった」

ぐだ男「報酬が足りないって言われたら『そらそうだ』としか言えないって」

ぐだ男「……」

ぐだ男「で、その話がなんで今に繋がるんだ?」

マシュBB「終局特異点攻略直後は、まあ別にそれでもよかったのです」

マシュBB「ですが、それから数か月、カルデアで過ごしていく内にマシュさんの脳内にはモヤモヤが溜まっていきました」

マシュBB「そして私がこの旅行で、そのモヤモヤの正体を言語化してあげたのです!」

ぐだ男「モヤモヤの正体……」

マシュBB「いい子ちゃんすぎてつまらない」

ぐだ男「……え? それが正体?」

マシュBB「結構重要ですよ、これは」

マシュBB「ていうかこの旅行の最中、ずっとそうでした」

マシュBB「あとのことはマシュさん本人から聞けばいいと思います」


353: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 21:38:55.78 ID:r91pMgOq0

マシュ「私は……私の性格をこれと言って悪いとは言えません」

マシュ「言えませんが、ちょっと寂しいとは思うんです」

ぐだ男「ずっと一緒だったんだから寂しがる要素なんて」

マシュ「……先輩がかかずらっているサーヴァントのみなさんは大体全員問題児です」

ぐだ男「ん……!?」

マシュ「この旅行の最中だけじゃなくって、ずっと前から思ってました!」

マシュ「『あれ? もしかして、私って先輩から手のかからない子だと思われているのでは』って!」

マシュ「いえ、確かにBBさんの言う通り、言語化のされていないモヤモヤした気持ちだったのですが!」

ぐだ男「待て。待て。マシュ、待って」アタフタ

マシュ「もうこの際言わせていただきます。後戻りはできないので!」

マシュ「手のかからない良い子である旨味が薄すぎるんですよッ! 先輩、私はもっと構ってほしいんです!」

ぐだ男「……ま、マジで……?」

マシュBB「マジです」


354: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/20(水) 21:44:15.51 ID:r91pMgOq0

マシュ「これは……これだけは本当に訊ねたくなかったのですが」

マシュ「……覚悟を決めるために聞かせてください」

ぐだ男「……な、なに?」




マシュ「先輩。私のこと、妹か何かだと思ってません?」

ぐだ男「」

マシュBB「……答えてくださいよぉ。イエスかノーかで」ニヤニヤ

ぐだ男「え、えーと、それは……!」

ぐだ男「……」

マシュBB「……」

マシュBB「はいギルティ。荒療治の必要ありですね」

ぐだ男「な、なにっ!?」

マシュ「先輩……私だって……私だって……!」

マシュ「先輩の全部が欲しいんです」シュルリ

ぐだ男「」


357: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/21(木) 19:05:13.48 ID:JJTmOlHz0

ぐだ男(薄暗闇の中、ヤケクソ気味のマシュが服を脱いだ)

ぐだ男(というかマシュが着ている服はボディラインが完全に透けて見えるベビードールだけだったのだけど)

ぐだ男(つまり今ので全裸になっちゃったんだけど。肌色やら肌色やら肌色やらでわけがわからなくなってきた)

ぐだ男(大きくて形のいい胸とか、すべすべしてて思わず手が吸い込まれそうなくびれとか、吸い付きたくなる鎖骨とか……)

ぐだ男(……し、思考を止めるな! 今俺がかけるべき言葉は一つ!)

ぐだ男「マシュ!」

マシュ「なんですか?」

ぐだ男「俺は服を着たままやりたいです!」

ぐだ男(ちがあああああう! そうじゃない! 服を着てくれと言いたかったんだ俺は!)

マシュ「わかりました」セッセッ

ぐだ男(それでいいのか後輩!)ガビーンッ!

マシュBB「それでいいんですかマシュさん……」

ぐだ男(BBにすら言われちゃったよ!)


358: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/21(木) 19:24:48.15 ID:JJTmOlHz0

ぐだ男「……マシュ……一つ聞かせてくれ」

ぐだ男「俺はお前にとっていいマスターじゃなかったのか?」

マシュ「最高のマスターです。今も、過去も、未来でだって」

マシュ「……ただ今までの私はあまりにも欲しがりませんでした」

マシュ「いつもいつも先輩はたくさんの素敵なサーヴァントのみなさんに言い寄られて……」

マシュ「マスターはそれらの願いに出来る限り応えてました」

マシュ「それを見て度々思ってたんです。『私の取り分が妙に少ないな』って」

ギュッ

ぐだ男(マシュが体を押し付けるように抱き着いてきた)

ぐだ男(俺も薄いTシャツとかスウェットパンツとかだけなので、もうほとんどダイレクトにお互いの体温が伝わる)

マシュ「……で、ふと気づいたんです。ジークフリートさんの話を聞いて、フッと」

マシュ「求められたらそれなりに応えるけど、求められなければ何もしない」

ぐだ男「……」

マシュ「先輩はそこまで割り切ってません。求められてなくっても、見るに見かねたらやるときはやる人です」

マシュ「でもそういう傾向は、ちょっとはありました」

マシュ「本当に遅くなりましたよ。私に対しての先輩の対応が妙に冷たい理由は……」

ぐだ男「……お前が言ってなかったからだ」

マシュ「だからもう黙るのはやめにしたんです。私だって欲しい。できれば身も心も全部」

ぐだ男(冷たくした気はないんだけどなぁ……)

ぐだ男(……いや。マシュがそう思ったのなら、その気がなくとも意味はないか)

ぐだ男(かなり悔しいな……)


359: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/21(木) 19:39:22.21 ID:JJTmOlHz0

ぐだ男「……そう思い始めたのは多分、デミサーヴァントの力が使えなくなってきてからだろ」

マシュ「……」

ぐだ男「俺さぁ。安心してたんだよ。ちょっと肩の荷が下りた気分だったんだ」

マシュ「足手纏いがいなくなって、ですか?」

ぐだ男「お前がいて心強いと思ったことは何度もあるけど、足手まといなんて思ったことは一度たりともないよ」

ぐだ男「亜種特異点に初めて行ったとき、隣にマシュがいなくってさぁ」

ぐだ男「『あ、俺がしくじってもマシュは大丈夫だな』って」

マシュ「え……」

ぐだ男「最悪の場合は別のヤツをレイシフトさせればいいんだしさ。どんな裏技でもダヴィンチちゃんならできるだろ」

マシュ「先輩。先輩は私たちにとって唯一の人です! なのに、そんな……」

マシュ「自分のことを『代わりがいる』なんて悲しい目で見てたんですか!?」

ぐだ男「いつか言ったはずなんだけどなぁ。本当はさ、世界には俺みたいなヤツはいくらでもいるんだって」

ぐだ男「あの場にいたのが俺以外でも、多分お前の手を取ってたよ」

マシュ「そんなこと……」

ぐだ男「話を脱線させたな。あのな、俺は別にデミサーヴァントの力が使えないお前を冷遇してたわけじゃない」

ぐだ男「今までお前に頼り過ぎてたんだよ。だからちょっと修正しようと思っただけだ」

マシュ「……」


360: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/21(木) 19:50:49.90 ID:JJTmOlHz0

ぐだ男「終局特異点での戦いが終わって、お前がサーヴァントの力使えなくなって」

ぐだ男「初めて気付いた。やっぱりアレ、仮に偶然だろうと常人がやっていい偉業じゃない」

ぐだ男「俺はずっと隣にマシュがいたから救われてたけど、それもやっぱり異常だったよなって」

ぐだ男「ずーっとお前頼り。ずーっと……ずーっと……」

ぐだ男「……かっこ悪いだろ。そんなのさ」

マシュ「先輩……! 私は、先輩の役に立ちたくて! 立ちたいのに!」

マシュ「なのにサーヴァントの力が使えなくって……どんどん先輩が離れて行っちゃう気がして……!」

マシュ「それでも先輩に頼ってほしかっただけなのに……!」ポロッ

ぐだ男「泣くなよ。俺が悪かったんだ」

ぐだ男「お前は頼られたくって構われたかった。で、俺はお前にこれ以上頼りたくなかった。それだけだ」

ぐだ男「……話し合えば簡単にわかった道理なのになぁ。全然マシュのこと見てなかったよ」

ぐだ男「ゲーティア倒して油断しきってたのかなぁ」


361: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/21(木) 20:04:37.60 ID:JJTmOlHz0

ぐだ男「ごめん。本当にごめん。マシュのことを忘れたことなんて一度もないよ」

ぐだ男「ただちょっと休んでほしかっただけだ」

マシュ「……先輩」

ぐだ男「つっても裏方で相変わらず頑張ってるんだけどさ。上手くいかないなぁ」

ぐだ男「まだお前に頼ってる。頼りたくないのにさ」

ぐだ男「……頼らざるを得ないくらい、お前の存在はでかいんだ」

マシュ「先輩……!」

ぐだ男(安心させるために、マシュの背中に手を回す)

ぐだ男(……やっぱり小さくて柔らかい。出来る限り守ってやりたいと思う)

ぐだ男(現実はまったく逆だけど)

ぐだ男「……」

ぐだ男(まあここまで本気で腹割って話し合ったんだから、もうこんな強引な手は取らないだろう!)

ぐだ男「と、いうわけでマシュ! こんなことをしなくっても、俺はお前のことを大事に」

マシュ「……ん……!」


チュッ


362: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/21(木) 20:19:30.04 ID:JJTmOlHz0

ぐだ男「……?」

ぐだ男(キスされているという事実に気付いたのは、マシュが顔を離したときだった)

ぐだ男(随分と長い間、唇が触れ合っていたような気もする)

マシュ「……確かに。私は離れて行ってしまう先輩を繋ぎとめるために賭けに出ました」

マシュ「本音を聞いた以上、もうこの行動に大した意味はないのかもしれません」

マシュ「が」

ぐだ男「が?」

マシュ「……もう本当に、純粋な好奇心で」

マシュ「先輩と一緒になりたくなってしまいました」

ぐだ男「」

マシュ「……先輩、どうか私を愛してください」

マシュ「お願いです。私を存分に使ってください」

マシュ「代わりなんていません。あなただけです。あなただけがマシュ・キリエライトを好きにできます」

マシュ「地球上でただ一人、あなただけが」

ぐだ男「」





ぐだ男(計算を間違ったーーーッ!)ガビーンッ!

ぐだ男「待て。マシュ。待て。待ってく――」

マシュ「んんっ……!」


チュッ……ジュプッ


ぐだ男「んんっ……!?」


363: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/21(木) 20:29:08.58 ID:JJTmOlHz0

BB(ぶ……ひゃははっ……ひーっひーっ……!)ガタガタ

BB(ヴァーーーッカですねぇ、センパイ! あなたの中に悪性なんてこれっぽっちもないんですから!)

BB(本音をぶちまけたらそれこそ本気にされちゃって当たりまえじゃないでーすかー!?)ゲラゲラゲラ!

マシュ(先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩)

マシュ(先輩を癒す先輩を慰める先輩を解き放つ先輩を愛す先輩に愛される先輩を先輩と先輩に)

BB(……)

BB(……流石にちょっと背中押しすぎちゃったかなー……?)ガタガタ


365: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 17:51:31.30 ID:N77FKkIM0

BB(……んん。同じ肉体をシェアしてるから多少はわかりますね)

BB(これは深い悲しみ。マスターの持つ空虚さに気付いてあげられなかった罪悪感)

BB(……あと多少の利己心。『私なら彼を助けてあげられる』という慢心と願望)

BB(これですよ。ちょっと背中を押しただけで両方ともに崖の下に落ちて行っちゃうんだからなー)

BB(いやー、本当楽しくて楽しくて仕方ないなぁ!)プププ

ぐだ男(実はマシュを拒む理由は何もない)

ぐだ男(いや、正直な話、マジでマシュのことは妹に近い何かだと思っていたが)

ぐだ男(くれるというものを拒む理由が俺には微塵もない!)

ぐだ男(強いて言うなら、そう。問題がたった一つ。マシュでも俺でもない第三者)

ぐだ男(BBがマシュの中でゲラゲラ笑っているんだと思うと本当に悔しくて憎らしくて仕方ない!)

ぐだ男(ふざけやがってぇ! 後で覚えてやがれよ!)


ジュ……プッ……


マシュ「ん……ぷはっ……んんっ……!」

ぐだ男(……それはさておいて何回ディープな方のキスをするんですかね!)

ぐだ男(ぐ、ぐう……思考が纏まらない……というか纏める方が確実に無理だコレ……)

ぐだ男(ていうかもう現実感がない。夢か何かだと言われたら信じてしまうだろうな)


366: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 18:10:24.67 ID:N77FKkIM0

ぐだ男「あの、マシュ。忘れてないか? お前の中には今BBがっ……!?」ゾクッ

ぐだ男(Tシャツの中に手を入れられた。直で背中をなぞられる)

ぐだ男(どっちの汗かはもうわからないが、汗ばんでペタペタしていた。不快ではないけども)

マシュ「そんなことを気にしている余裕はもうありません」

マシュ「ちゃんとわかってもらいたいんです。私にとってあなたは替えがきかないんだってことを」

ぐだ男(あまりにも高く買いすぎだと思う。他にいいヤツなんていくらでも……)

ぐだ男(……)

ぐだ男(……一瞬、ゲーティアに吹き飛ばされたマシュの背中がフラッシュバックした)

ぐだ男(あー。これだなぁ。あのときのと同じ絶望感を味わうのが怖いんだなぁ)

ぐだ男(だよなぁ。逆の立場になったら凄く怖いものなぁ)

ぐだ男(残されるヤツの悲しさを俺はよく知ってる)

ぐだ男(……もう替えがいるなんてこと、気軽に言えないんだな)

ぐだ男(……)

ぐだ男(とかなんだとか考えている内にTシャツ脱がされてるんだけどッ!?)ガビーンッ!




BB(あともうちょっとー。あと少しー。ルンルン)キャピキャピ


367: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 18:26:39.89 ID:N77FKkIM0

ぐだ男(落ち着け。まだ慌てるような時間じゃあわわわ)

ぐだ男(考えろ。考えるんだ。このままBBに笑われながら取り返しの付かない行為をするのは、こう……)

ぐだ男(マジで死んだ方がいい屈辱だ! 一生ネタにされるぞ!)

BB(ちぃ。観測者の存在がそのまま観測対象に影響を与えてしまう。観測者効果クソ食らえです)

BB(私はただ単に、今まで後輩だと思って見下して来ていた女の子に、センパイがよがる姿をドミノピザ片手に見ていたいだけなのに!)

ぐだ男(とか思っているんだろうな。わかるわかる。ざっけんなボケッ!)

ぐだ男(俺とマシュの関係を見世物にしてんじゃねーよ!)

BB(と、辛うじて残った理性で考えているのでしょうが、それもいつまで続きますかね?)

マシュ「先輩……あの……」

ぐだ男「ん?」

マシュ「……ごめんなさい、首筋。痕が残っちゃいました、ね」ニヘラ

ぐだ男「……あ」

ぐだ男(首筋吸われてたッ!?)ガビーンッ

ぐだ男(……いや、なんか気持ちいいなー、とは思ってたが!)

BB(思考回路は順調に鈍ってますねー。フレーフレーマシュさーん! あと少し、もう少しー!)


368: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 18:36:56.37 ID:N77FKkIM0

マシュ「……あ、先輩……!」

マシュ「よかった。先輩も愉しんでくれていたようで」ニコリ

ぐだ男(どこに意識を向けて言っているのかはあえて語るまい)

ぐだ男(というか俺がそれを考えたくない)

マシュ「……もう、遊びは終わりでいいですよね。充分です」

マシュ「私の方も準備はできてますから……」

ぐだ男(どこの準備が完了だって?)

ぐだ男(……いや、これも考えるべきじゃないな!)

マシュ「先輩。先輩。先輩」

ぐだ男(うおおおおおおおお! もうダメだーーー!)

ぐだ男(ていうか俺も我慢の限界だよチクショウ!)

BB(計算通り。ダメだ……まだ笑うな……堪えるんアハハハハハハハハハ!)ゲタゲタ



……ドォーーンッ


ぐだ男&BB(んっ?)

BB(爆発音? どこから……?)

ぐだ男(……あっ)

BB(……まずい。あのテログループ、いくら何でも時限爆弾まで渡すのはやりすぎました)

ぐだ男(突破口が見えたぞ!)キュピーンッ!


369: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 18:43:07.25 ID:N77FKkIM0

ぐだ男「マシュ。ストップだ。今、何か聞こえなかったか?」

マシュ「え?」

ぐだ男「……いや。聞こえたぞ。今の音は……ホテルの方角からか!?」

BB(おそらく適当にこじつけ言っているだけでしょうが、残念なことにこればっかりは的中でしょうね)

ぐだ男「悪いマシュ! ちょっとテレビを見てくる!」

マシュ「あ、先輩!」

ぐだ男「服を着こんで着こんで」サッサッ

ぐだ男「おーし! マシュもゆっくり来いよ! ゆっくりな!」ダッ

マシュ「あ……」

マシュ「……」

マシュ「……ッ!?!?」

BB(あ、いけない。こっちも正気に戻っちゃいました)

マシュ(え、え……私……今まで一体何を……?)

マシュ(……あ、やだ。私、濡れて……い、いやあっ……!)

BB(はいはーい。ここから先はバトンタッチー。ちょっと休んでてくださいな)

BB(よくできました)

マシュ(あうううううう……!)


370: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 18:53:08.09 ID:N77FKkIM0

ちょっと時間は遡る

エリザ「やーっと見つけた! 時限爆弾まで仕掛けるなんて正気とは思えないわ!」

デオン「人をあそこまで『生かしたまま』壊せるお前が言うのなら実際正気じゃないんだろうな」

茨木「アレを思い出したぞ。ほら、亜種特異点の新宿でファントムが作ってたあの人形」

ジャック「あー。あれと同じくらい心壊れちゃったよねー。生きてるけど」

エリザ「……え? 別にいいんじゃないの? 愛があれば奇跡は起こるものだし」

エリザ「もし仮に奇跡を起こせないのなら、愛を受けてなかったってことでしょ?」

エリザ「それなら心と体が生きていようと、死んでいるのと変わりないじゃない?」

茨木「要は生きてる価値なしと言っているのだな」

デオン「それを決めるのはお前じゃない」

デオン「……が、まあどうでもいい。実際エリザのお陰でここまでたどり着けたわけだしな」

デオン「さて。ここまで来れたのは僥倖だが……」

デオン「……どうやって処理するのか考えてなかったな」

全員「あ」


371: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 18:59:54.97 ID:N77FKkIM0

エリザ「うーん、爆発物処理班を呼ぶ? 今からでも外に待機している警察とか呼び込めるけど」

エリザ「私の陣地作成を一時的に解除すれば」

茨木「それは難しいであろうなぁ? 外にいる警察はそもそも『ここに爆発物がある』という発想すらないに違いない」

茨木「吾らが情報を流してなかったからな?」

ジャック「私たちで解体できる?」

デオン「……む……これは……無理だな。絶対に無理だ」

ジャック「根拠は?」

デオン「桜のマークが刻印されてる」

茨木「BB製か」

エリザ「アイツの頭脳を上回る自信があるのならやってもいいけど?」

ジャック「無理ー」

茨木「残る手段は一つしかあるまいよ」

デオン「我々サーヴァント四騎の誰かが、自己犠牲覚悟で爆弾を処理する……」

デオン「まあ簡単に言えば爆弾を抱え込んで爆発を抑え込むなり、爆発の及ばない遠くまで抱えて走るなり、だな」

エリザ「それ大丈夫?」

茨木「死にはしない。魔術的な要素は一切ない、極めて現実的な爆弾のようだな?」


372: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 19:02:58.77 ID:N77FKkIM0

デオン「と言っても大怪我はする。ということで、もしものときのために治療スキルのあるジャックは除外だ」

ジャック「わーい」

デオン「あとの三騎で、じゃんけんで決めるか。誰が犠牲になるか」

エリザ「うえー。負けたくないー」

茨木「時間も惜しい。さっさとやるぞ」



じゃーんけーん!


373: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 19:07:57.26 ID:N77FKkIM0

ホテル屋上

エリザ「……ねえ。みんな。マスターに伝えてくれる?」

デオン「……」

ジャック「ううっ……」エグエグ

茨木「……エリザ……」

エリザ「私はね? あなたたちと一緒に戦えて……マスターに召喚されて……」

エリザ「人理を救えて、心の底から誇りに思うわって!」



バサァッ


デオン(エリザは竜の羽を大きく広げ、空へ空へと飛んでいく)

デオン(カウントダウンはもう、残り三分もないだろう)

デオン(それにも関わらず、エリザは尚も笑顔だった)

デオン(胸を打つような笑顔だった)



エリザ(私は……カルデアのアイドル、エリザベート・バートリー)

エリザ(マスターの敵を、打ち滅ぼす者よ)



ドカァァァァァァァンッ!


374: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 19:11:26.11 ID:N77FKkIM0

ヒュウウウウウッ


ベシャッ


エリザ「ぐえっ」

デオン「おかえりエリザ」

エリザ「じ、死ぬぅーーー……治療、早く……」

ジャック「はぁい」テキパキテキパキ

茨木「……」

茨木「これ流石にマスターにバレるであろうなぁ?」

デオン「仕方ない、と考えよう」

デオン「疲れた。しかも夜風が冷える。中に入るぞ」

エリザ「お風呂入りたーい」

茨木「火薬臭いから当然よな?」



数十分後、マスターがホテルに到着した


376: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 20:09:30.20 ID:N77FKkIM0

ホテル周辺

ぐだ男「……なるほど。事情はわかった」

デオン「すまないが、私たちはベストの選択しかしていないと断言しよう」

デオン「エリザの拷問技術があったからこそ時限爆弾を発見できたんだ」

エリザ「……ねえー。もう抜糸していいー? これ見栄え最悪なんだけど」

ジャック「いいよー。元から軽傷だったし」

ぐだ男「……BB。何か釈明は?」

マシュBB「釈明? さて、そんなことをする必要は特にありませんね」

マシュBB「カルデアのサーヴァントたちの活躍によって、世界からまた一つゴミが減った」

マシュBB「しかも誰一人として死なずに。これをハッピーエンドと呼ばずに何と呼びましょう?」

茨木「コイツ……白々と……」

ジャック「一番のゴミはBBの思考回路だよねー」

ぐだ男「お前らなあ……」

ぐだ男「……」

ぐだ男「反省してないヤツに怒っても無駄だな」

ぐだ男「なら代わりにいい点を見よう。俺がいない間、よく頑張った」

ぐだ男「集団を引っ張ったのはデオンで、爆発物の処理はエリザだったな」

デオン「……ふふっ。当然さ。私は騎士だからね」

エリザ「まあ爆発物の処理に関してはじゃんけんで負けた結果だけど」


377: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 20:18:15.57 ID:N77FKkIM0

ぐだ男「茨木は……多分暴走しがちなメンバーにブレーキかけてたんだろうな。少しずつ」

茨木「ん。まあ、な。といっても本当に最低限だぞ?」

ぐだ男「最低限でもブレーキ役いなかったらそれこそ本当に死人出てたぞ」

ぐだ男「ジャック。お前は治療役か。見栄えは確かに最悪だが、よくやった」

ジャック「えへへー」

ぐだ男「BB……」

マシュBB「はいはい。お叱りは受けますよっと」

ぐだ男「経過はどうあれテログループが一個消えた。結果はまあ上々と言えなくもないし、別にいいだろ」

マシュBB「……おや」

ぐだ男「でもさあ……だけどさあ……」

ぐだ男「今度の今度こそホテルが営業停止になっちゃったけど、どうするの?」

全員「……」


378: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 20:28:45.89 ID:N77FKkIM0

デオン「ふっ。またマスターの家にお世話になるな」キラキラキラ

ぐだ男「受け入れるわけねーだろ」

デオン「!?」ガビーンッ

ぐだ男「流石に五人は無理だ。五人は。うちの広さ知ってるだろ?」

茨木「確かにこの人数で押し掛けるのは無理よな」

ジャック「私たちは一度も行ったことないから知らないんだけど」

エリザ「……無理ねえ。あのお母さまも流石にいい顔しないでしょう」

ぐだ男「……BB。尻ぬぐいくらいはできるだろ?」

マシュBB「当然、と言いたいところですが!」

ぐだ男「おい」

マシュBB「替えの宿は! ありません!」

ぐだ男「おいおいおいおいおいおい!」

デオン「マシュ。本当に、本当にすまないのだが」

エリザ「私たちの憂さ晴らしのために犠牲になってちょうだい」

ジャック「恨まないでね? 恨むならBBと一体化しちゃった不運を恨んでね?」ギャランッ

茨木「宴の始まりよ。派手にぶちあげるぞ」ゴキンッ!

ぐだ男「待てェ! 落ち着けお前ら! マシュには何の罪もないだろ!?」

BB(やっぱり私は庇ってくれないんですね?)

マシュ(これに関しては仕方ないかと!)


379: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 20:34:33.56 ID:N77FKkIM0

マシュBB「だっていらないじゃないですか」

デオン「一応私たちはサーヴァントだが、元人間だぞ。出来る限り閉鎖された空間で、誰の目も憚ることなく休みたいこともある」

マシュBB「そんな時間はないですし」

エリザ「はあ? そんな時間はないって……」

エリザ「あっ」

ジャック「……ん!?」

茨木「……なるほど。そういうことか」

ぐだ男「ん? どうかしたか?」

デオン「……すっかり忘れていたぞ」

デオン「私たちは明日帰国だ」

ぐだ男「……えっ?」


380: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 20:44:03.78 ID:N77FKkIM0

ぐだ男「ちょっと待て、今計算するぞ」

ぐだ男「最初の日に茨木、次にデオン、次にジャック、次にエリザ、次にマシュ……」

ぐだ男「俺は一週間の休みを貰ってたんだ。あと二日残ってるぞ」

デオン「私たちはそうじゃない。ちょっとだけ短かったんだ」

マシュ「流石にマスターの休みをガッツリ全部奪うわけにはいかないので……」

ジャック「あー……まだ遊びたかったなー」

茨木「よりによって最終日がこれか」

エリザ「私、爆発しかしてないわよ!」

茨木「嘘吐けェ! 明らかに一番好き勝手やっておっただろう!」ガァ!

ぐだ男「じゃあお前ら、このまま空港に……」

マシュBB「ってことになりますかねぇ?」

マシュBB「まあ帰るのは明日の早朝ですから、マシュさんはまだセンパイの家に泊まれますが」

マシュ「……あ、の。先輩……」

ぐだ男「マシュ?」

マシュ「……はぐらかされてしまいましたけど、今度『自分には替えがきく』なんて悲しいことを言ったら」

マシュ「どんな状況であったとしても、絶対に先輩のその空虚さを奪い尽くします」

マシュ「……絶対ですよ?」

ぐだ男「……」

ぐだ男(おっかねぇー……! 強くなったなぁ、マシュ)

ぐだ男(BBのせいだと思うとムカつくが、アイツの闇とマシュの光があわさって最強に見える)


381: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 20:48:39.76 ID:N77FKkIM0

エリザ「……」

デオン「……」

ジャック「……」

茨木「……」

四騎(マスターの首筋に痕がついてる……)

デオン「チッ。走り回っていたから決定的な瞬間を見逃したな」

エリザ「後でBBに録画データを譲ってもらいましょうか?」

茨木「絶対ボられるぞ」

ジャック「いざってときにはナイフで脅すから大丈夫だよー」

BB(実はそのときの録画はしてなかったりして……)

BB(ふふ。弱みは私だけが握る予定でしたからねぇ)

マシュ(……やっぱりBBさんは意地悪です)

BB(積極的なだけです! 誰よりも!)


382: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 20:56:34.97 ID:N77FKkIM0

マシュBB「じゃ、四人は空港近くの24時間営業のファミレスにかけこんでいてください」

マシュBB「朝になったらそっちで合流です」

デオン「いいだろう」

デオン「……帰ったら諸々覚えておけよ、BB」

エリザ「逃げ切れるとは思わないことね?」

マシュBB「……ふふっ」

マシュBB「じゃ、さっさと帰りましょうか。センパイ!」ギュッ

ぐだ男「ああ」

マシュBB「……二回戦の用意はできてますよ?」

マシュ(できてませんが!?)ガビーンッ!

ぐだ男「胃が取れそうになるから勘弁してくれ……」

ぐだ男「それとなBB。お前、俺とマシュが快楽に溺れた場合はな?」

マシュBB「うん?」

ぐだ男「感覚を共有しているお前の方まで快楽に溺れる羽目になるだろ? それはいいのか?」

マシュBB「……」

マシュBB「あっ」

ぐだ男「今まで気付いてなかったんかいッ!」ガビーンッ!

マシュBB「い、いえ。実際共有しているのは感覚だけですし」

マシュBB「私が処女失うわけじゃないですしぃ……」アタフタ

ぐだ男「うーん、どうしよう。急にやる気が湧いてきた。お前相手ならいくらでもやれそうだ」

マシュBB「い、意地悪ぅ!」

マシュ「ていうかダメですよ、何言ってるんですか先輩!」

マシュ「仕返しのためだけの行為なんて、それこそ不健全です!」

ぐだ男「話がややこしくなるからいい加減に体の共有を切ってくれよぉ……!」


383: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 21:01:00.99 ID:N77FKkIM0

数時間後 ぐだ男家

ぐだ男「マシュとBBは寝たか」

prrrrr!

ぐだ男「……あいよ」

ガチャリンコ

BB『本体の方は眠らないんですよ』

ぐだ男「知ってる。そろそろ来るだろうなと思ってた」

BB『さて。サーヴァントたちとの休日、振り返ってみたら如何でしたか?』

ぐだ男「……」

ぐだ男「お前にこんなことを言うのは甚だ不本意だが、楽しかったよ」

ぐだ男「いつか見せたいと思ってたしな。俺の故郷」

BB『……ふふふ。そうでしょう? そうでしょうとも』

BB『最後の最後にドデカい思い出を作ってあげたかったんだけどなー残念だなー』

ぐだ男「お前な……」


384: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 21:10:47.65 ID:N77FKkIM0

ぐだ男「別にマシュの体を借りる形でなくっても、お前もこっちに来ればよかったのにさ」

BB『……御冗談を。私は裏からすべてを操るタイプの黒幕が一番似合ってます』

ぐだ男「そうかい」

ぐだ男「……寂しくなったらいつでも言えって。お前もため込むタイプだろ」

BB『非常に申し訳ないんですが、センパイ相手にぶちまける気はないんですよ』

BB『そういうのができるのはたった一人だけ。その一人はもう二度と会えないんですが』

ぐだ男「救えないヤツだ」

BB『ええ。自覚はありますとも』

ぐだ男「……願うだけならしてやるよ。いつかお前が、どんな形でもいいから救われればいいなって」

BB『反吐が出るほどのお人よしですね』

ぐだ男「自覚はある」

BB『……まあ、でも、あなたの存在が、ちょっとした暇潰しになってることは伝えておきます』

BB『あなたがいれば、元から救いなんていりませんよ』

ぐだ男「愛の告白か?」

BB『ドロドロに溶かしますよ?』

ぐだ男「……なんかもう話せば話すほどギスギスしてくるからやめよう。不毛だ」


385: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 21:21:44.90 ID:N77FKkIM0

BB『ていうかそんなクソ軽口がポンポン叩けるくせに、なんでマシュさんに対してはこう……』

BB『遠慮しすぎでは?』

ぐだ男「お前はお前! マシュはマシュ!」

ぐだ男「第一、あそこまで抵抗したのはお前の存在があったからだって!」

ぐだ男「裏でゲラゲラゲラゲラ笑ってる姿が幻視できるようだったぞ!」

BB『一生ネタにして笑いものにした挙句、結婚スピーチでもツラツラどんなプレイしたのか述べてやろうと思ったのに』

ぐだ男「鼻毛むしるぞッ!」ウガァ

BB『美少女に鼻毛なんて生えませんー!』

BB『……え? あ、イシュタルさん。どうかしましたか?』

ぐだ男「お?」

BB『は? ケツァルコアトルさんが? 抜け駆け? 勝手に加護を?』

BB『いや何してんですかあなたたち! 無駄に干渉したら巌窟王さんに怒られちゃいますよ!?』

ぐだ男「……もう切るか?」

BB『ごめんなさい! こっちが急に忙しくなっちゃったので!』

BB『それでは!』


ガチャリンコ ツーツー


ぐだ男「……」

ぐだ男「明日で終わり、か」


386: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/22(金) 21:32:21.83 ID:N77FKkIM0

ファミレス

デオン「……楽しかったな」

茨木「そうだな。異論はない。禍根もな」

ジャック「私たちはもっと遊びたかったよ」

エリザ「そんなこと言ったらキリがなくなっちゃうわよ……?」

エリザ「……」

エリザ「……ッ!?」ガビーンッ

デオン「どうした?」

エリザ「茨木ッ! アンタ、確かTOKI●のサイン欲しいからって酒呑にサイン色紙とペン貰ってたわよね!?」

茨木「持っていたが……会えず終いだったので真っ白だぞ」

エリザ「それを今すぐ貸しなさい! 今すぐッ!」

デオン「どうした。一体何が……」チラッ

デオン「……」

デオン「何ィ!? 安室奈美●! 安室奈●恵がいるじゃないか!」ガビーンッ!

茨木「ああ、あのマーリンの次として無駄に有名になった……」

エリザ「不名誉なこと言わないで! 元から有名よ! 何の罪もないマーリンを刺殺したくなっちゃうわ!」

ジャック「マーリンかわいそう」

エリザ「あ、ちょ、来た。こっち来てる! 安室奈美●こっちに来て……キャーーー!」



こっちはこっちで旅行の最後を楽しんでいた


389: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/23(土) 19:11:12.55 ID:8iFdA6Ic0

巌窟王の学級日誌
最近アンジーの夢見がすこぶる悪い。
理由はわかっている。カルデアにいる神性持ちサーヴァントがこぞってアンジーに加護を与えようとするため起こる副作用だ。

『日系のツインテ美少女が有料で八極拳叩き込もうとしてくる』とか『喋るクマのぬいぐるみ携えた巨乳美女が弓術教え込もうとしてくる』とか『ロリな外見した双子の美少女がバイザー付けたデカい女の人に乗って追ってくる』とか、悪夢の内容は様々だ。

あまりにも不憫すぎるのでBBに苦情を送った後で、入間に助けを求めた。

普段は酷い言動のせいで勘違いされがちだが、彼女は面倒見がいい。強く頼めば断らない。
それと、最初は魔術の存在を一切認めていなかったが、俺の力を正しく認識した後はそのすべてを解析しにかかっている。黄金の脳細胞だとかなんだとかは戯言に等しいが、豪語するだけのことはある。

『対症療法になっちまうが、ひとまず夢なんか見ようがない世界に行けば問題ないはずだ。俺様に任せておけ』

と、言っていたが、もしかして三階の隠し部屋の奥にあった妙な機械を使うつもりなのだろうか。
楽しみにしておこう。


390: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/23(土) 19:18:43.27 ID:8iFdA6Ic0

巌窟王「ふむ。なるほど。確かにこれならばアンジーも夢は見ないだろうな」

巌窟王「……む? 入間め。ケアレスミスだな、これは。仕方ない、俺が修正しよう」

巌窟王「卒業アルバム作りのために培ったノウハウが生きたな」カタカタカタ

巌窟王「む? 入間か。クハハ、お前のミスを俺が今修正してやったところだぞ! 喜べ!」

巌窟王「……ん? 何故泣く? そこまで嬉しかったか?」オロオロ


391: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/23(土) 19:23:28.92 ID:8iFdA6Ic0

早朝のぐだ男家

ぐだ男「……」

ぐだ男「なんか巌窟王が余計なことをする夢を見た気がする……」

マシュ「あ、先輩。起こしてしまいましたか」

ぐだ男「マシュ。もう出るのか?」

マシュ「ええ。本当は書置きを残してこっそり出るつもりだったのですが」

ぐだ男「……二日後、またカルデアでな。やることはまだまだ残ってるぞ」

マシュ「はい。わかっています、マイマスター」

マシュ「……じゃ、行きますね」

ぐだ男「おう。じゃあな」


ガチャリンコ


ぐだ男「……見送りするまでもないよな。すぐ会えるんだし」


393: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 07:13:32.92 ID:fUQobVMC0

ファミレス

マシュBB「みなさーん! お待たせしました、BBちゃんの到着ですよー!」

デオン「マシュ。マスターとの二人きりの夜、楽しんできたかい?」キラキラキラ

エリザ「ふふっ。ちょっとは大人になったのかしら、マシュ」キラキラキラ

茨木「魔酒よ。ドリンクバーというものは余程飲まない限り元が取れないらしいな?」キラキラキラ

ジャック「マシュー! 会いたかったー!」キラキラキラ

マシュBB「わー。みんな清々しいほどにBBちゃんを無視。凄い笑顔ですね」

デオン「お前はもう消えろ。用は済んだはずだ」

エリザ「本当に。本当にイヤだけど、必要とあらば土下座だってしてやるわ。消えて」

マシュBB「うーん、そんな無駄に覚悟を決められましても」

ジャック「え? 何? 感謝されたいの? ありがとうBBがいてくれて助かった消えてお願いだから」

茨木「しっしっ」

マシュBB「なんかもうみんなBBちゃんのこと好きなんじゃないかって思えてきました」


394: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 07:27:18.08 ID:fUQobVMC0

デオン「BB。一緒に旅行できて一瞬『楽しいな』と思ったことは認めてやる」

デオン「認めてやるがそれは錯覚だと思うことにしたぞ。昨日の仕打ちでな」

マシュBB「別に悪意があったわけじゃないんですけどねぇ」

茨木「悪意ゼロであんなことができるのなら根っから邪悪なのであろうな。わかるわかる」

ジャック「……もしかして酒呑童子のこと思い出してる?」

茨木「いやエリザの昨日の所業思い出してた」

エリザ「何故ェ!?」ガビーンッ

マシュBB「何故とか言ってのけるあたりが一番、ね……?」ニコリ

エリザ「困ったような笑顔をこっちに向けないで! 何が『ね?』よ!」


395: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 07:41:51.06 ID:fUQobVMC0

マシュBB「確かに時限爆弾とか銃の正規品とかを流したのはやりすぎかなーって思いましたけど」

マシュBB「ここまでしないと焚きつけられないと思ったんですよ! 仕方ないじゃないですか!」

デオン「何が仕方ない、だ」

ジャック「……正規品?」

茨木「ジャック? どうかしたか?」

ジャック「いや……あの人たちと戦っている間、アサシンの方のエミヤに銃の写真を送ってアドバイスを貰ったりしてたんだけど」

ジャック「あの人たちが持ってた銃の中に正規品なんて一つもなかったよ?」

マシュBB「えっ?」

デオン「……BBから配布されたものを更に売って資金にでも変えたんじゃないか?」

茨木「だとしたら問題だが……BB。絶対に黙っていろ。一応、汝も仲間なのだからな」

マシュBB「うーん、まあそれは当然ですが、気になりますね。後で本体の方に諸々調べさせてみます」


396: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 08:16:14.66 ID:fUQobVMC0

カルデア

BB「むう……消えた正規品の銃、か……」

BB「確かに売ればかなりの金にはなりますが、一体どこに消えたんでしょうね」

BB「……ん? あれ。エリザさんのせいで顔が半壊してたから解析が遅れましたが、これって……」

BB「昨日ホテルを襲ったの全員木っ端の構成員じゃないですか。バイト感覚で社会に楯突いてるタイプの」

BB「じゃあ正規品じゃなかったのは銃だけじゃなくって構成員も……」

BB「……そういえば彼らが狙ってた政治家、今の居場所は……」カタカタ




BB「……あっ! 空港!? 嘘でしょ!?」


400: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 16:44:43.78 ID:fUQobVMC0

空港

BB(ちょっとマシュさん! 人格交代! 大変なことがわかっちゃいました!)

マシュ(……今ちょっと取り込み中なのですが)

BB(いいから!)

マシュBB「みなさん! あの正規品の銃の居所がわかっ……」

マシュBB「あれ。茨木さんだけですか?」

茨木「BBか」

マシュBB「あれ? なんで縛られて……あれ。私も。あれ?」


ズドォンッ!

キャー!


テロリストA「静かにしろ。見せしめにされたいか?」

マシュBB「……」

マシュBB「あの。もしかして遅すぎました?」

茨木「吾らが空港に入った途端コレよ」

マシュ(カルデアのBBさんと私の中のBBさんで人格が独立しているって割にはこういうこと起こりますよね)

BB(だって実際に二つの人格を同時起動させてると滅茶苦茶頭痛くなるんですもの。片方はスリープさせてますよ)


401: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 16:56:13.51 ID:fUQobVMC0

茨木「吾はいざというときに他の人質たちの盾になれるから、あえて人質の中に紛れ込んでおる」

マシュBB「マシュさんは?」

茨木「鈍くさいから普通に捕まった」

マシュBB「マシュさん……」

茨木「まあ魔術とは何の所縁もない連中が相手だから、どんなに武装しようが吾らは問題ない。ないのだが」

マシュBB「一つ。空港を占拠しているから、どう少なく見積もっても人数が昨日とはケタ違い」

マシュBB「二つ。人質の救助が終わっていないので下手に動くと今度こそ死人が出る」

マシュBB「三つ。ここ明らかに『見せしめスタジオ』ですよねー。彼らの要求にちょっとでも陰りが出たらそれでもアウト」

マシュBB「……それ以前に、この状況自体が私たちにとってはアウトです」

茨木「一歩間違えたらテレビに映るぞ。化粧に気合は入れてきたか?」

マシュBB「んなわけないでしょう。私たち本当はここにいちゃいけないし、ここにいることがバレてもいけないんですよ」

マシュBB「ダヴィンチちゃんに怒られるー……」ガクリ

茨木「こうなってくると哀れよの。安心しろ、吾らもちょっとは庇ってやる。ちょっとは」

マシュBB「誇張でもなんでもなくマジでちょっとでしょうね」


402: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 17:15:24.01 ID:fUQobVMC0

茨木「というかなんでこんなことが起こった? 空港の占拠なんて一朝一夕の計画性ではできん」

茨木「にも関わらずヤツらの目的は例の政治家の身柄。昨日とまったく同じだ」

茨木「ここにいる人質はついでの札に過ぎん」

マシュBB「まあー簡単に言っちゃえば、昨日のテロが上手く行くなんてこの人たちもさらさら思ってなかったってことですよ」

マシュBB「まさかあそこまで徹底的に大失敗するとか思ってないし、爆弾に至ってはあんな方法で処理されると思ってなかったんです」

茨木「陽動……?」

マシュBB「というより演出ですねぇ。昨日のヤツは上手く行けば『テロ対政治家の戦いに罪のない市民が犠牲になった』的な結果になるはずだったんです」

マシュBB「その後、失敗したテロを生き残った政治家を改めて本気でこの人たちが殺す」

マシュBB「そういう筋書き。まあ下処理がエリザさんたちのせいで全部ぶち壊しになっちゃいましたが」

茨木「今回もぶち壊すぞ」ニヤァ

マシュBB「……」

BB(センパイを呼びましょう。今回ばかりはサーヴァントだけだと荷が重すぎます)

マシュ(そんな……)

BB(……私もイヤですけどね。今日ばっかりは)


403: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 18:41:52.49 ID:fUQobVMC0

ぐだ男家

ぐだ男「ふんふんふーん……」ルンルン

母「あら。上機嫌ね」

ぐだ男「ああ。だって当然だろ。一年以上ぶりに友達に会うんだからさ!」

ぐだ男「お母さんたちにも会いたかったけど、それと同じくらい友達にも会いたかったんだ」

ぐだ男(世界を救う理由の半分くらいは、自分が元いた世界を取り戻すことだったからな)

ぐだ男(アイツらとの思い出が無ければ、あそこまで強くなれていない)

ぐだ男(過去があるから今がある。あの偉業は、あらゆる意味で一人では絶対に成し得ないものだ)

ぐだ男(カルデアでの人間関係も大事だけど、こっちも大事だもんな。だから楽しいんだ)



prrrr!



ぐだ男「……電話?」

ガチャリンコ

ぐだ男「はいこちらぐだ男」

BB『……本当にすみません、センパイ。今回はネタ抜きで謝らせてもらいます』

ぐだ男「……」

ぐだ男「何があった?」

BB『まだ気づいてないんですね。テレビでも見ればわかるかと』

BB『私たちは今羽田空港です』

ぐだ男「……」


404: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 18:48:21.05 ID:fUQobVMC0

数分後

ぐだ男「わかった。今回ばかりは俺がいないと死人なしで事を収めるのには苦労するって話だな」

BB『……いっそイヤだ、と突っぱねてくれればこちらもどれだけ救われたか』

ぐだ男「なんだ。知ってたのか。今日俺が何をするのか」

BB『そちらのカレンダーにマスターの筆跡で予定が書いてありましたからね』

BB『余程楽しみにしていたんだろうなって、マシュさんと二人で話してました』

ぐだ男「流石に人命には代えられないさ。じゃ、空港行くな」

ぐだ男「お母さん! 携帯貸して!」

母「いいけど、どこに行くの?」

ぐだ男「友達のところ」

母「気を付けていってらっしゃいね」

ぐだ男「ああ! 行ってきます!」


405: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 19:02:29.71 ID:fUQobVMC0

BB(……ふと思うことがあるんですよねー)

マシュ(突然なんです?)

BB(いや、マスターって人理焼却事件に巻き込まれたとき、その時点で過去がなくなっちゃったんじゃないかって)

BB(確かに彼の、どんなサーヴァントでも使役できるコミュ力は大したものですが)

BB(それと引き換えに、それ以前の人間関係が途絶えがちになってしまった)

BB(……私たちと仲良くしないと生き残れないから無理に仲良くしているんじゃないかって)

BB(そう思ったことありません?)

マシュ(……)

マシュ(少し前ならそう思ったかもしれません。でも、もう先輩との絆は本物です)

マシュ(百歩譲ってそうだったとしても、私たちでそれを補えばいい話です)

BB(奪ってばかりな気がしますけどねぇ。茨木さん、デオンさん、ジャックさん、エリザさんなんか顕著ですよ)

BB(マスターと一緒に戦っているんだから、マスターに甘えて当然、みたいに思ってます。確実に)

BB(彼に一体何を与えられるっていうんですか。生きる権利?)

BB(彼自身も言っていましたが、人理焼却事件は彼以外の誰かがあそこにいても解決してましたよ)

BB(あんな辛いことしなくっても、他の誰かが英雄になってくれたはずです)

マシュ(……BBさんは、このまま彼が故郷に残った方がいいと考えてるんですか?)

BB(多少は)

マシュ(絶対にイヤです)

BB(……マシュさんも大概、意地悪です)

マシュ(先輩自身、絶対にそう言うはずです。絶対にカルデアに帰ってきます)

BB(あなたの思い込み……いや、願望である可能性は?)

マシュ(ありません。必ず果たされる現実です)

マシュ(私はマスターを信じています)

BB(信心……あまりにも残酷ですね。その願いが重圧になってるかもしれないのに)

BB(……ま、私が言うことじゃありませんが)

マシュ(……)


406: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 19:16:56.75 ID:fUQobVMC0

空港の片隅

デオン「ふむ。まずいな。あのテロリストグループ、空港内に散っていた人質になっていない人間を虱潰しに探している」

エリザ「広いところに集めて交渉材料を増やすつもりなのねー。せせこましいことだわ」

ジャック「私たちだけなら逃げ切れるけど」

ジャック「……ていうかそろそろ仕掛ける?」

デオン「さて……人質の方は茨木がなんとかするだろうが、それにも限度があるだろうしな」

エリザ「かと言ってこうやってドブネズミみたいにコソコソするのもねぇ」

デオン「何か不都合が?」

エリザ「端的に言うわ。飽きた」

エリザ「即死させること前提なら人質は全員助けられると思うけど?」

デオン「マスターに怒られたくなかったらやめておけ」

ジャック「……でも飽きたっていうのは確かに、私たちも同じかな」

ジャック「やっちゃおうよ、もう」ジャバジャバ

デオン「仕方ない。確かにザコ相手にここまで神経質になるのもバカらしいしな」

デオン「ところでジャック。その手で振ってるペットボトルはなんだ?」

ジャック「……」ニヤァ


407: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 19:30:21.55 ID:fUQobVMC0

ジャック「さっきそこのアイスクリーム屋で盗んで来たドライアイスを、自販機で買ったミネラルウォーターのペットボトルに入れたもの」

エリザ「ああ。それってアレでしょ? 簡易的な」

ジャック「フラグメントグレネード」ブンッ!


ボォンッ!


グァァァ!


ジャック「タイミングを見計らって、破裂する直前で目と鼻の先に投げれば」

デオン「普通に失明するな。くだらない小細工だが、結構威力は出るだろう」

デオン「おっと。いけない」

テロリストB「ひ、ひいい……目! 目がぁ……!」

テロリストC「な、何ッ!? なんだ!? 一体何が起こっ――」


ブンッ グサッ


テロリストC「……え?」ボタッ

テロリストC「え。な、に? 棒が、俺の腹から出て……来……」

バタリッ

エリザ「棒じゃなくって投擲した私の槍なんだけど」

テロリストB「あぎいいいい!」ジタバタ

デオン「始めるか」バキィッ

テロリストB「ぎゃんっ」

エリザ「うわっ……筋力Aのくせにサッカーボールキック? 死ぬわよ?」

デオン「自分の身を振り返って物を言え。そっちの方が死亡率高いだろう」

エリザ「いいのよ別に。ジャックがいれば」


ズポォッ


ヒュパッ


エリザ「ほらー。抜いた途端に傷口が元通りー」

ジャック「いえいいえーい!」

デオン「先を急ごう」

エリザ「はいはーい。またまた一方的な蹂躙の始まりね」

ジャック「バレないように一人ずつ確実に仕留めてこー!」


408: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 19:44:49.70 ID:fUQobVMC0

マシュBB「……まずいですね。痺れ切らして、あの三人が動き出しました。ハッキングした監視カメラから覗いた限りやりすぎです」

茨木「そうであろうなぁ。吾もあっちに行けばよかったなぁ、と考えて来たところよ」

茨木「明らかな格下相手にビクビクするのもバカらしい、とでも思ったのであろうな?」

マシュ「これ、もしも気付かれたら人質が……」

茨木「さて。どうであろうな。アイツらが相手にしているのは今は警察」

茨木「警察からの攻撃だ、という確信を得たら確かに人質を殺すであろうが」

マシュBB「実際には全然そんなことはないわけですからね。確認作業に手間取って、人質をどうこうするという発想に至るのはもう少し先ですよ」

茨木「仮に人質をどうこうする、ということになったら吾がどうにかするしな」

茨木「くくく。吾を人間の盾に使うとは……あの三人も随分と不遜よな」

マシュ「先輩……」


409: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 19:57:35.29 ID:fUQobVMC0

ぐだ男「さて。空港に辿り着いたはいいが」

ぐだ男「当然だが中に入れないぞ! どうしたらいい?」

BB『人払いします! その隙にセンパイは中へ!』

BB『おそらく入口には見張りのテロリストがいますが、それは自力でなんとかしてください!』

ぐだ男「無茶なことを言う!」

ぐだ男「……で、人払いって具体的には何をする気だ?」

BB『センパイ。私は告白します。実は、センパイのことを監視していました。ドローンとか使って!』

ぐだ男(『とか』って……)

BB『ちなみにそのドローン、自爆機能付きです』

ぐだ男「えっ」





警察「ん? なんだ? 何かがこっちに飛んで――」


ドカァァァンッ!


キャァァァァ!


ぐだ男「」


410: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/24(日) 20:02:01.76 ID:fUQobVMC0

BB『後でテログループに全部罪を押し付けるので大丈夫ですよ』

ぐだ男「ふざけんな!」

ぐだ男「……ああ、でも確かに人がどんどん逃げていく!」

BB『さあ! センパイ!』

ぐだ男「わかってる! 俺のサーヴァントたちに人殺しをさせたりしない!」

ぐだ男「ましてや、せっかく守った現代の人たちを!」ダッ

警察「ん? キミ! 爆発が起こっている、そっちの方向に行くのは危険だ!」

警察「早くこっちに戻ってきぶへぁっ!」ガツンッ

ぐだ男「ドローンが警察の人の顔に当たったーーー!」ガビーンッ

BB『爆発しないから大丈夫ですよー!』

ぐだ男「本当ごめんなさい!」


412: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 18:17:12.68 ID:jVL+MJmq0

ぐだ男「よし! 空港の中に侵入成功!」

BB『センパイ! 三時の方向!』

ぐだ男「あいあい!」バッ


ズドォンッ


テロリストD「!?」ガビーンッ

ぐだ男「BB! このまんま逃げて空港内で撒くぞ!」

BB『えっ。倒すんだと思いました』

ぐだ男「えっ」

BB『えっ……ガンドくらい撃てますよね?』

ぐだ男「あれ礼装ないと撃てねぇーよ! それより早く逃走経路!」

テロリストD「……」グッ

ぐだ男「あ、やべ。遅かった」


ガンッ


??????「ふいー。間に合った間に合った。キミー、こんなところに来ちゃダメだよー。危ないよー」

ぐだ男「……んっ? なんか聞き覚えのある声が……」

BB『あ。件の渦中にいる政治家さんですね。やっぱり捕まってませんでしたか』

ぐだ男「はっ?」


413: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 18:21:42.04 ID:jVL+MJmq0

アストルフォ?「いやー。たまたまボクがここを通りがかったからいいものを。一歩間違えたら脳天ずばーんだよ」

ぐだ男「……」

ぐだ男「アストルフォか? ちょっと歳食ってるように見えるけど……」

アストルフォ「あれ? キミ、ボクのこと知ってるの?」

ぐだ男「は?」

BB『別に言う必要はなかったので今まで言ってませんでしたが、その人がテロリストと対立してた政治家さんです』

ぐだ男「どう見てもアストルフォなんだけど……」

BB『聖杯戦争の歴史は結構長いですからねー。一体くらいは受肉したサーヴァントもいるでしょう』

BB『ついでに、当然ながら現代の人との基礎スペックが桁違いですので、社会の中心に食い込むことも間々ありますって』

ぐだ男「ちょっと待って。ちょっと待って。わかった。コイツがカルデアのアストルフォじゃないことはわかったが」

ぐだ男「だからってよりにもよってなんで政治家!? コイツに政治任せたら世界滅ぶぞ!」ガビーンッ!

アストルフォ「えへへー。それほどでもー」

ぐだ男「褒めてないッ!」


414: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 18:28:49.13 ID:jVL+MJmq0

アストルフォ「いやー。とある聖杯戦争で受肉した後、なんやかんやあってフランスの政治家にまで祭り上げられちゃったんだけどさー」

以下トルフォ「これが中々楽しくってやめられなくなっちゃってー」テレテレ

ぐだ男「世も末だ……」

トルフォ「で、まあ対テロ法案とか大胆な外交政策だとか色々ぶち上げている内に、変なのに絡まれるようになっちゃってね」

トルフォ「まあ大体自力でなんとかしてたんだけど」ウン

ぐだ男「自力で……なんとか……」

BB『もう思考が追い付いてませんね』

トルフォ「理性蒸発してたからさー。生前と同じように宝具がどんどんあっちゃこっちゃに流れちゃってさー」

トルフォ「今ではもうちょっと頑丈で怪力のある普通の人だよ。参っちゃうよね、あっはっは」

ぐだ男「あっはっは……」

ぐだ男「……投げ出したくなってきた」ズーン

BB『頑張ってー! 負けないでー!』


415: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 18:33:52.73 ID:jVL+MJmq0

ぐだ男「ま、まあいい。それはいい。どうでもいい!」

ぐだ男「アストルフォ。俺はとある組織の魔術師の端くれだ。ちょっとした事情があってサーヴァントたちがテロに巻き込まれてる」

トルフォ「昨日と同じ子たちだね」

ぐだ男「で、そいつらの暴走を止めるためにここに来た! できれば力を貸してほしい!」

トルフォ「いいよ!」グッ

ぐだ男「……」

ぐだ男「やっぱコイツ、アストルフォだな……なんかの間違いだと思いたかった……」

BB『この軽さとチャラさは完全に唯一無二のものですよね』


416: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 18:40:37.20 ID:jVL+MJmq0

トルフォ「まあ……かと言って、ボクがそうそう軽率に動くわけにもいかないんだけどね」

トルフォ「あの人たちの目的はボクの身柄だから。そこを押さえたら計画が第二段階に入っちゃう」

ぐだ男「第二段階?」

トルフォ「ボクの身柄を交渉材料にして『実在しない裏金をさも実在しているかの口調で要求する』みたいな」

トルフォ「そのくらいのことはすると思うな。実在してないものは用意できないから、ボクもろとも人質は皆殺しになるかな」

ぐだ男「今日新月だったっけ」

BB『いえ、普通に月は出るはずですよ』

トルフォ「失礼な人たちだなあ……」

ぐだ男「……まあそこはわかった。アストルフォはアストルフォなりに、出来る限りでいい。協力してくれ」

トルフォ「うん、そのつもりだよ! さて、それじゃあ……」

トルフォ「正々堂々と恰好いい名乗りを上げて、人質のいるホールにバーンとォ! 登場しようか!」バァーンッ

ぐだ男「やっぱりお前アストルフォだったわ」

BB『軽率に動くわけにはいかないとわかっている上での発言ですからタチ悪い……』


417: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 18:42:36.49 ID:jVL+MJmq0

休憩します!


418: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 19:46:01.93 ID:jVL+MJmq0

ぐだ男「……」

ぐだ男「いや。名乗りを上げるのはまあともかくとして」

ぐだ男「人質が集められているホールに行くっていうのは賛成だな」

トルフォ「名乗りを上げる部分はー?」

ぐだ男「ちょっと黙っててくれ」

トルフォ「はーい」

ぐだ男「人質を全員解放してしまえば、ひとまずは余裕ができるわけだし」

ぐだ男「後は俺がちょいちょい手綱を引いて行けば、少なくとも誰も死なないはずだ」

BB『もうテログループの心配しかしてませんよね』

ぐだ男「だってアイツら、俺がいない場所で、弱くて大量の敵を見かけると――」





エリザ「ボエエエエエエエエ!」


ガラガラガラッ


ぐだ男「……敵だけじゃなくってフィールド使って遊び始めるんだもん……!」エグエグ

BB『ホールへの最短ルートがエリザさんの歌声のせいで崩壊。別のルートを指示します』

ぐだ男「頼む……」

トルフォ「いやー。いつの世もサーヴァントってみんなとんでもないよねー」

ぐだ男「お前もとんでもないサーヴァントの筆頭なんだけど……」


419: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 19:57:31.62 ID:jVL+MJmq0

テロリストE「……!? ……!」ビクンビクン

エリザ「あらら。私の歌声で絶頂しちゃったみたいね」

デオン「両耳から血が出てるが……」

ジャック「ありえないほど出てるね……もしかして頭蓋骨割れてない?」

エリザ「さて。じゃあ次。ジャック、このあたりをテープとかビニールとか使って密封して。おびき寄せられたヤツ使って次の実験するから」

ジャック「はーい!」ペタペタ

ジャック「できた!」

デオン「流石に俊敏Aだな。あっと言う間だ」

デオン「……で、何をする気だ?」

エリザ「何人かおびき寄せられたタイミングで防火シャッターを落として。それで完全に密室の完成だから」

エリザ「あとコレ、一応渡しておくわね。酸素補給缶」

デオン「ああ、よくアイドルとかが使っているアレか」

デオン「……」

デオン「お前、まさか」

ジャック「あ、やばい。私たち外出てていい?」


ドタドタドタッ


テロリストF&G&H「見つけたぞ!」ゾロッ

エリザ「あ、来ちゃった! ほら、早くシャッター降ろして!」

デオン「く、くそ……!」

ジャック「巻き込まれ決定ー」


420: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 20:03:36.29 ID:jVL+MJmq0

ガラガラガラガシャンッ

テロリストE「なんのつもりかは知らんが、防火シャッターを下ろしたところで……!」

エリザ「すううううう……!」

テロリストG「貴様たちの逃げ場がなくなっただけ……?」

エリザ「すうううううううううう……!」

テロリストH「……な、なんかおかしいぞ。だ、段々耳が痛く……いや……」

エリザ「すうううううううううううう……!」

テロリストE「い、息苦し……!」


バタバタバタッ


ジャック「耳痛いー!」キィィィン!

デオン「それはそうだ。エリザがこの空間の空気を全部吸ってるんだからな!」キィィィィン!

デオン「気圧が急激に下がれば耳も痛くなるさ……」

デオン「ていうかもう全員気絶したぞ! いい加減にしろ!」

エリザ「ふうううっ! あー、竜の肺活量って凄いわねー。やればできるものだわ」

エリザ「うーん、殺さずの縛りプレイも中々面白いものね。次もコレやってみる?」

デオン「選択肢の一つとしてはいいかもしれないが……」

ジャック「しばらくはいいよ。次行こう? 次。私たち、面白いこと思いついちゃった!」キラキラキラ

デオン「じゃあ次はジャックの番だな」


421: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 20:10:00.44 ID:jVL+MJmq0

BB『げぇ。マジですね。あの三人、明らかにこの状況を楽しんでます』

ぐだ男「遊び始めただろ? しかも相手の人権を完全無視する方向で」

ぐだ男「デオンは隣にマリーとかがいれば真面目なヤツなんだけどな」

BB『……エスカレートして人を殺し始めるまで、あとどのくらいだと思います?』

ぐだ男「大丈夫だ。余程のことがない限り、そんなタイムリミットは存在しない」

トルフォ「聞いてる限り急いだ方がいいっぽいけどね」

トルフォ「いやー。流石に弱い者イジメはダメでしょ」

ぐだ男「相手の自業自得ではあるんだけどな……限度ってものがある」

BB『さあ。あと少しでホールですよ! そこに人質が集められてます!』


422: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 20:26:17.14 ID:jVL+MJmq0

トルフォ「それにしても凄いね……キミがあのカルデアのマスターか」

ぐだ男「あ、れ……言ってないよな?」

トルフォ「なんとなくわかった!」ドヤァ!

ぐだ男(そういえば理性蒸発ってたまに直感スキルに似た働きするんだったか)

トルフォ「キミはともかくとして、サーヴァントの方は問題だらけみたいだけどね」

ぐだ男(お前が言うな、と言ってもコイツは別人だから仕方ないな……)

トルフォ「まあ英霊なんてみんな曲者揃いだからさー。根気よく付き合ってあげてね」

トルフォ「そしたらきっとそれなりに応えると思うからさ。聖杯戦争の先輩からのアドバイスだよっ!」

ぐだ男「言われなくとも」

BB(……)

BB(……みんななんで、こんなプレッシャーかけるようなことバンバン言っちゃうんですかねー)

BB(イヤなら投げ出せばいい、くらいは言ってもいい気がしますが)


423: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 20:42:58.01 ID:jVL+MJmq0

BB『……おっと。それ以上進むと危ないですね! 再度の迂回を推奨します!』

ぐだ男「はあ? 何言って……」

ムワッ

ぐだ男「……この匂い、まさか」

BB『可燃性のガスです! 逃げてくださーい!』

ぐだ男「誰がこんな無茶なことを――」


ドカァァァァンッ!


ぐだ男「ぎゃあああああああ!」

トルフォ「あー、ダメだ。もうこの道使えないね。凄い爆発だったもん」

BB『まあ私のドローンの方が火力出ますけどね』

ぐだ男「お前の父ちゃんマイケル・ベイ!?」ガビーンッ!



ジャック「きゃははははは……」



ぐだ男「……遠くからジャックの声が聞こえる……アイツの仕業か」


424: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 20:54:18.48 ID:jVL+MJmq0

BB『段々エスカレートしてきてますよ。本当に死人は出ないんですよね?』

ぐだ男「お前、わかってて言ってるだろ。アイツらは指示なしにそんなことしないよ」

BB『……もうちょっと疑うこと覚えましょうよ。つまらないです』

ぐだ男「そりゃ悪かったな。次のルートを教えろBB」

BB『了解』

トルフォ「ふぅん……へぇ……」

トルフォ「なるほど。伊達に世界救ってない、か」ニヤニヤ

ぐだ男「ええい、値踏みするような目で見ないでくれ」

トルフォ「あ、ごめんごめん。じゃあ早く行こうか」


425: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 21:03:12.27 ID:jVL+MJmq0

ぐだ男(考えてみるに、明らかに手心加えてるな)

ぐだ男(わざわざガス爆発とかさせなくってもナイフでグサリで全部ケリが付く)

ぐだ男(大丈夫。まだヤツらは冷静さを失ってない)

BB『あっ! センパイ! それ以上進むと――!』

ぐだ男「えっ?」

ボチャンッ

ビリビリビリッ


ぐだ男「ぎゃあああああ! びーりーびーりーすーるー!」ビリビリ!

トルフォ「おっと。気を付けなよー!」グイッ

ぐだ男「あ、ありがとうアストルフォ……」

ぐだ男「……なんだここ! 道に水たまりがいっぱい……壁や天井には、刀傷?」

トルフォ「トイレの水を出しっぱにした上に、防火スプリンクラーを破壊。あと壁や天井の電気のコードを千切って引っ張って道に敷き詰めてるんだね」

BB『わっかりやすーいトラップですね。おそらくデオンさんがやったものと推測されます』

トルフォ「水に触れたらビリビリするよ。多分、誰かに助けられない限り延々と」



ギャァァァァァ!
タズゲデェェェェ!


ぐだ男「どこからか助けを求める声が……」

ぐだ男「デオンのヤツが一番エグくないか!?」ガビーンッ!


426: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 21:12:39.96 ID:jVL+MJmq0

ぐだ男「イモータルカオスブリゲイドより阿鼻叫喚なんだけど! 今更だが、殺さずの誓いを守っている上でもコレは酷いぞ!」

BB『しかも楽しんでやってますし』

ぐだ男「アイツらー……絶対合流したら説教かましてやるー……!」

BB『……』

BB『ねえセンパイ。もうここで止まっちゃいましょうよ』

ぐだ男「あ?」

BB『だってもうルートがほぼ途絶えてますし、なによりも下手したら巻き込まれますよ』

BB『……ねえ。本当に、あの人たちについていけると思ってます? 曲がりなりにも兵器ですよ?』

BB『仮に心を持っていたとしても、結局のところは使い魔。あなたとは価値観が違うバケモノの集まりです』

ぐだ男「……」

BB『ここで止まることも一つの選択だと思いますが』

ぐだ男「BB。何を怒ってる?」

BB『は?』

ぐだ男「いや……気のせいかもしれないんだが、お前がなんかイラついてるように見えて」

BB『……』

BB『ダブるんですよ……!』

ぐだ男「?」

BB『……いえ、なんでもないです。ただ、止まってほしいだけです』

BB(私の好きな『先輩』とダブって見えて、凄くイライラしますので)


427: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/25(月) 21:18:40.39 ID:jVL+MJmq0

ぐだ男「お前が何にイラついてるのかは知らんが、とにかく俺は先に進むぞ」

ぐだ男「アイツらは余程のことが起こらない限りは絶対にキレたりしないが」

ぐだ男「……お前から聞いた話だと、多分遠くない未来にプッツンする」

BB『え?』

ぐだ男「あのな。茨木はいくらなんでも無関係の人間の盾になることを素直に了承するようなヤツじゃないんだよ」

ぐだ男「本当に守っているのは……!」

BB『……ああっ! なるほど!』

BB『え、でも仮にそうなったとして、そんな簡単にプッツン来ます?』

ぐだ男「アイツもアイツで結構好かれてるからな。指一本でも触れたら一瞬だぞ」

BB『あらー』




ぐだ男「BB。絶対にマシュを守れ。血が一滴でも流れたら、アイツらすぐに本気になるからな!」

BB『オーダーを了承。全力で遂行しますとも』


430: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/26(火) 18:33:53.23 ID:JcDAdJUt0

ぐだ男「……んー? 待てよ。BB。ルートがほぼ途絶えたって?」

BB『ええ。まあ無理すれば押し通れないこともないですが』

ぐだ男「ということは、ホール側からも誰も出てこれないってことだよな」

ぐだ男「目的は敵勢力の分断か? 遊んでいる割には意外と考えてるじゃないか」

ぐだ男「だが分断させたとしても、小さくなった方の勢力を一瞬で刈り取る係が必要になるな」

BB『一騎くらいはこちらに残っている可能性……あると思います』

ぐだ男「ていうかお前のハッキングで見通せないのか?」

BB『凄まじい速さで、あっちに行ったりこっちに行ったり』

BB『残念なことにカメラ越しだと彼女たちの動向が見切れないんですよ。敵を襲うときくらいしか』

ぐだ男「エリザは鈍足だが、デオンとジャックは俊敏がありえないレベルだからな」

BB『それと、おそらく彼女たちの目的はきっとそれで合っていますが』

BB『人質の逃走ルートすら潰してしまうって点を完全に失念してますね』

ぐだ男「……不自然に失念しすぎだな。何か勝算でもあるのか?」

ぐだ男「いや。よそうか。とにかくルートがほぼ途絶えたのなら何か考えないと!」

トルフォ「頑張ってねー!」

ぐだ男「お前も知恵貸せッ!」


431: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/26(火) 18:42:39.17 ID:JcDAdJUt0

茨木「……」

マシュ「茨木さん。どうしました。先ほどから何か、眉間に皺を寄せてますけど」

茨木「……いや……大したことではないのだが……」



娘「……怖いよぉ……」

おばちゃん「大丈夫……大丈夫だからね……」

サラリーマン的な男「くそっ……なんで俺がこんな目に……」



茨木「……人間、弱くないか?」

マシュ「え?」

茨木「鬼からすれば確かにどれも有象無象だが、それにしても弱すぎるであろう」

茨木「吾の一番知っている人間はもっと強かったぞ」

マシュ「……先輩が強いんです」


432: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/26(火) 18:50:12.88 ID:JcDAdJUt0

茨木「……別に、吾が協力してやったのは、マスターと吾の利害が一致していた。ただそれだけの理由よ」

茨木「最初から人類史がそこまで素晴らしいものだとは思っておらんわ」

茨木「おらなんだが……」

マシュBB「それにしても失望するレベルで見苦しいほど弱い、ですか?」

茨木「……守ったところで、ゲーティアのような人類悪なぞいなくとも人は死ぬ」

茨木「心底と言うには浅いが、多少はな」

マシュ「……そんなことは……」

茨木「やっぱりくだらんな。迷う気も失せるわ。そのときが来れば吾は……」

マシュ「茨木さん?」

茨木「……今はなんでもない。今はな」

マシュ「……」

マシュ(先輩……早く来てください。大惨事が起こる前に……!)


433: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/26(火) 19:13:02.77 ID:JcDAdJUt0

分断の外側 ぐだ男サイド

デオン「……」

ぐだ男「……」

トルフォ「……」

BB『……』

デオン「何故マスターがここにッ!?」ガビーンッ!

デオン「いや、それよりお前! お前! 少し歳食ってるがまさか!」

トルフォ「え? 彼もボクのこと知ってるの?」

ぐだ男「俺のサーヴァントはみんなお前のこと知ってるぞ」

トルフォ「照れるなー」テレテレ

ぐだ男「で? デオン。お前、どうした?」

デオン「えっ。な、何のこと? 私はいつも通りだけど」アセアセ

ぐだ男「返り血拭いてから物を言え」

BB『バケツひっくり返した感じでドロッドロですね。頭からつま先まで』

デオン「……」

デオン「コロシテナイ、ヨ?」ガチガチ

ぐだ男「そうか。血を拭け」


434: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/26(火) 19:22:32.70 ID:JcDAdJUt0

五分後

デオン「ここまで圧勝だと逆に楽しいなって……思って……」グスグス

デオン「敵をなます斬りにしまくってたら、本当タガが外れてきて……」

ぐだ男「俺たちがお前を見つけた一瞬、お前こっちのことを一瞬だけ『新しい獲物』だと誤認してたからさ」

ぐだ男「お前の凄い表情がガッツリ見えちゃったよ」

デオン「マスター。令呪で命令してくれ。『自害しろ』と」

ぐだ男「しないしない。仲間が増えて嬉しいよ、デオン」

ぐだ男「じゃあ手札も揃ったし、そろそろ先に進むか?」

トルフォ「どうする気?」

ぐだ男「道がないなら作るのみ、だ!」


436: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/26(火) 20:40:17.13 ID:JcDAdJUt0

トルフォ「キミ随分と個性的なサーヴァント引き連れてるんだなぁ」

トルフォ「戦い方見てる限り、酷い趣味してるみたいだし。カルデアって悪の秘密組織なの?」

デオン「……現地で出会ったサーヴァントを味方に付けるのはキミの専売特許だが」

デオン「よりにもよってコイツにだけは見られたくなかったな」

ぐだ男「酷い趣味してるわけじゃなくって、友達と同じ遊びしてたら意外とハマっただけの話だ」

ぐだ男「コイツ自身は結構真面目だぞ」

トルフォ「ふぅん」

BB『センパイ。ちょっとは疑問に思わないんですか?』

ぐだ男「なにが?」

BB『自分は本当にサーヴァントとやっていけるのかどうか、とか』

BB『残念なことに一般人とは完全に価値観が剥離してますし』

デオン「……」

ぐだ男「そこに疑いは持たないようにしてる」

ぐだ男「デオンはいいヤツだ。俺はそれを知ってる」

デオン「マスター……!」

ぐだ男「BB。解析頼む。目標は……わかるよな?」

BB『わかってますよーっと』

BB(……ちょっとだけ到着が遅れるようにしてあげましょう)

BB(辿り着くころにはちょうど大惨事、ですよ。ふふっ)

BB(あなたは一度、夢から覚めるべきです)


437: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/26(火) 20:58:25.30 ID:JcDAdJUt0

テロリストたち「ざわ……ざわ……」

茨木「……さっきからアイツら騒がしいな」

マシュ「それもそうでしょうね。警察でもテロリストでもない第三者が『何故か』攻撃してきてるんですから」

マシュ「しかも昨日に引き続き」

茨木「つくづく運がない。吾らを二度も敵に回すとは……」

茨木「む……空気が危うくなってきたな。そろそろか?」

マシュ「えっ?」

BB(警察と彼らの会話の傍受に成功)

BB(ひとまず引っかけてみることにしたようですね。人質はまだ大量にいますし)

BB(この攻撃をやめなければ人質を一人殺す、って方向に纏まりかけてます)

マシュ(そんなことをしても無駄なのに!)

マシュBB「そういえばイバラギンさん。ずっと気になってたのですが」

マシュBB「どうも旅行サーヴァントのみなさん、人質への対応がおざなりですよね。なにか勝算でも?」

茨木「最悪の場合は吾が全部どうにかするということで纏まった」

マシュBB「具体的には?」

茨木「全員問答無用で食い殺す。容赦なしだ」

BB(……なるほど。やっぱり。最終手段のセーフティは手加減なしの大蹂躙)

BB(だからみんな人質に関しては放置気味だったんですね)

マシュ(そんなことにならないよう祈っておきたいのですが)

BB(届くわけありませんよ。そんなに簡単に)

マシュ(先輩が来てくれればなんとかしてくれます!)

BB(……届く距離にいる誰かに祈っても、現実に敗れるだけです)

BB(絶対に)


440: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/27(水) 20:21:56.97 ID:X44oVm7N0

BB『そこです! そこの壁を延々と攻撃していればおそらく向こう側に抜けられます!』

BB『その後、また突き当ったら再度壁に攻撃! これを合計三回繰り返せば安全に先に進めると断言します!』

デオン「なるほど。わかりやすい。筋力Aと怪力スキル持ちが両方協力すればなんとかなるかもしれないな」

トルフォ「えー。手の甲が裂けちゃうよー」

デオン「誰が素手でやれと言った? ちゃんと食事処からスプーンを拝借してきた」スッ

ぐだ男「それはそれで気が長ぇーよッ!」ガビーンッ!

ぐだ男「……ん。そうだ。近くに食事処があったのなら、もう一つ拝借したいものがあるな」

トルフォ「え? なになに?」

ぐだ男「いや、俺一人で大丈夫だ。もう分断の外側の連中はデオンが全員斬ったんだろ?」

デオン「当然。私は敵には容赦しないからね」

ぐだ男「じゃあちょっと取ってくるから壁の破壊は任せた」

ぐだ男「ときにBB」

BB『はい? なんです?』

ぐだ男「……本当にここでいいのか?」

BB(……ちっ。気付かれた、か。でも)

BB『ええ。もちろん』

ぐだ男「そうか。ならきっと意味はあるんだろうな」

BB(……こういうときの私の言葉は絶対に信用すると思いましたよ)

BB(意味はある、か。それ『何かを隠しているな』って思ってる人間の物言いですよ)


441: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/27(水) 20:33:47.59 ID:X44oVm7N0

ぐだ男(さっきからのBBの様子は何か変だが……決定的に俺をハメようとしている様子はない)

ぐだ男(おそらくここも最短ルートではないだけで向こう側に抜けること自体はできるだろう)

ぐだ男(……ジャックとエリザが何かを仕掛けるとしたら、俺たちが行くことがそもそもできない場所の分断が終了してから……)

ぐだ男(つまりホールを挟んだ向こう側の道を全部塞ぐか壊すかした後だろう)

ぐだ男(間に合うか間に合わないか、で言ったらほぼ確実に間に合わないだろうな。BBが非協力的だし)

ぐだ男「……」

ぐだ男「マスター失格だな。よりによって自分のサーヴァントを恐れてどうする」

ぐだ男「信じるっきゃねーだろ。最後の最後に物を言うのは、信じる心だ」


442: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/27(水) 21:04:57.69 ID:X44oVm7N0

ホール

茨木「……ひ、ふ、み、よ……」

茨木「結構多いな。さてどうしたものか」

マシュ(茨木さんは何を数えているのでしょうか)

BB(ああ、アレは多分、人質の中に紛れ込んだテログループの仲間を数えてるんですよ)

マシュ(えっ)

BB(乗り物のジャックとかでもメジャー級に使われる戦略ですよね。人質の中に共犯者って)

マシュ(……どうやって見分けてるんでしょうか)

BB(火薬の臭いでもしてるのでは? おそらく人質内で暴動が起こったときの保険でしょうから、銃くらいは持ってるでしょう)

マシュ(どこからどこまで計画的ですね)

BB(これを全部処理するとなるとおそらく、勢い余って茨木さんも何人か殺しますね)

マシュ(……楽しみにしてませんか?)

BB(いえ。流石の私も人が死ぬ様を見るのは結構気分悪いですよ)

BB(それ自体はグロいですし。楽しみにしていることがあるとすれば別のことです)

マシュ(それってもしかして)

BB(……)

BB(後半の分断も終了。ホール完全に孤立)

BB(分断の向こう側をジャックさんに任せ、エリザさんがこちらに来ます)

マシュ(……!)


443: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/27(水) 21:11:56.15 ID:X44oVm7N0

エリザside

エリザ「相変わらずこういうときにアンタの霧は便利ねー」

ジャック「あんまり休日にこの霧は使いたくないんだけどねー。曲がりなりにも宝具だから」

ジャック「出来る限りさっきのガス爆発みたいに安く済ませたかったんだけどー!」

エリザ(もう霧の向こう側に隠れてジャックの姿がまったく見えないわ)

ジャック「じゃあこっちの人たちは死なない程度に解体するから、エリザは先行ってていいよー!」

エリザ「はーい。裏方は任せたわよー!」

エリザ「……さて、行きましょうか」

エリザ「……茨木、いい子でお留守番してるといいのだけど」ニヤァ


444: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/27(水) 21:18:12.77 ID:X44oVm7N0

エリザ「……どういうふうに登場しようかしら。やっぱりBGMは必須よねー」

エリザ「アカペラで納得してくれるといいのだけど」



ジリリリリリリンッ!



エリザ「ん? 公衆電話がひとりでに鳴り始めたわ」

エリザ「このタイミングだと、アレよね。やっぱり」ガチャリンコ

BB『絶対に! ぜーーーったいにやめてください! 本当に!』

エリザ「……」


ガチャリンコ


エリザ「興が削がれちゃったわ。この方法での登場はまた今度にしましょう」スタスタ


445: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/27(水) 21:27:37.46 ID:X44oVm7N0

ジャック「さてと。それじゃあ楽しい楽しいお片付けの時間だね」

ジャック「えーっと、確かデオンに言われたな……どこを切り落とせばいいんだっけ……」

ジャック「あ、思い出した! 銃が使えなくなるから人差し指だけでOKなんだよね!」

ジャック「どんどん狩ってこー! おかあさんがいないから、ある程度は好きにやっていいって言ってたし」

ぐだ男「ほう」

ジャック「……」

ジャック「えっ」

デオン「ジャック。すまない。本当にすまない。こんなタイミングに合流させてしまって」

トルフォ「……ジャック・ザ・リッパー……どこかで会ったことあったっけな……?」

トルフォ「ま、いいや。オイタはそこまでだよ」

ぐだ男「ジャック。霧を解除。頼む」

ジャック「うん」



フッ


ぐだ男「お前も血塗れかよ……」

ジャック「え? 血? なんのこと? これ全部イチゴシロップだよ。かき氷を浴びるように食べたから」ケロリ

ぐだ男「頼むから嘘を吐かないでくれ」

ジャック「ごめんなさい」


448: 次のピックアップで確実に獅子王当てる人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/28(木) 19:18:21.32 ID:m4Wdo8ib0

ぐだ男「……ハンカチじゃ足りないな。全然」ヌグイヌグイ

ジャック「きゃはは。くすぐったーい」

ぐだ男「なー。ジャック。俺がいない間、誰も殺さなかったよな?」

ジャック「うん。それはもちろん。だっておかあさん言ってたでしょ」

ジャック「グロいのは苦手って」

BB『え。そんな理由?』

ぐだ男「もうちょいゴチャっとした理由あるけどわざわざ人に言う話じゃないかなって」

ぐだ男「俺自身のこだわり的なアレだし」

BB『ふーん』

ぐだ男「さて。ジャック。エリザと別れたのはいつだ?」

ジャック「うーんとね、十分前くらい」

ぐだ男「やっと先回りできそうだな。アイツの性格なら返り血をそのままにして大一番に臨むわけがない」


449: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/28(木) 19:37:13.08 ID:m4Wdo8ib0

ぐだ男「……っていうかここにジャックいるじゃん! ジャックに俺の言葉を伝言してもらえばそれで全部解決だ!」

ジャック「あー。それなんだけどね? 私たち、まだ残飯処理が終わってないから先に行けないよ」

ジャック「なんか『死ねない程度に解体』したら……」

ジャック「……」

ジャック「『死なない程度に解体』したら生き残った人たちが全員隠れちゃって」

ぐだ男「訂正すんな。多分最初に言ったヤツが正しいんだろ」

トルフォ「この子完全に病気じゃん」

デオン「お前はもう少し発言に気を付けろ」

トルフォ「おっと。ごめんごめん」

ぐだ男「……わかった。ジャックはできるだけ早めに終わるよう、かつ後遺症がそこまで残らない程度に続けていてくれ」

ジャック「はーい!」

ぐだ男「じゃあデオン! 先に行ってジャックの代わりにエリザに伝言だ!」

ぐだ男「これで最悪の事態は避けることができるはず!」

デオン「了解した。じゃあ超特急で行くよ!」ギュンッ

ぐだ男「やっぱり最優のセイバークラスだな。俊敏はアサシンに譲るが、このまま行けばエリザを止められる!」

BB(……と、困るのでちょっと足止め)ポチッ


ドカァァァァァァンッ!


デオン「ぐああああああああああああ!?」ガラガラガラ!

BB『おや。謎の爆発が起こってデオンさんが瓦礫の下敷きに』

ぐだ男「デオーーーーンッ!」ガビーンッ!


450: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/28(木) 19:52:20.28 ID:m4Wdo8ib0

ぐだ男「……BB。一つ聞きたい」

BB『はい? なんです?』

ぐだ男「なんで今のが爆発だと思った? 大きな音が響いただけで爆炎は見えなかったぞ?」

BB『……』

BB『……さあ。先に進みましょう、センパイ。今行けばまだ間に合いますよ?』クスクス

ぐだ男「お前、やっぱり何か企んでやがるな?」

BB『否定はしませんが、マスターに誓って、あなたに不利益な行動は取っていませんよ』

ぐだ男「有難迷惑って知ってるか?」

トルフォ(ふむ……振り回されがちだけど、裏切りとは無縁に見えるな)

トルフォ(面白い。本当に面白いマスターだ……)


451: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/28(木) 20:00:13.99 ID:m4Wdo8ib0

カツン

茨木「……ちっ。考えが纏まる前に来たか」

カツンッ

マシュ「心強い味方ではあるのですが、ね」

カツンッ

マシュBB「……さて。ショータイム、ってヤツですかね」

マシュBB「センパイが辿り着くまであと五分ちょっと。充分すぎますね」


カツンッ


テロリストA「なんだ貴様は!」

エリザ「あら。訊くの。訊いてしまうのね? ふふっ……ダメ。答えてあげないわ」

エリザ「でも流石にそれでは可哀想だからあえて言わせてもらうわね」

エリザ「エリザベート・バートリーだコノヤローーーーッ!」ブンッ


グサァッ


テロリストA「ギャアアアアアアアア! 腕があああああああ!」

マシュ「普通に答えてますし何故キレたのかわかりませんし攻撃が唐突すぎますしツッコミが追い付きませんしーーー!」ガビーンッ!

エリザ「マシュー! 元気ー! 助けに来たわよー!」キラキラキラ!

BB(悪意ゼロ%の笑顔でしょ……? 演技じゃないんですよ、アレで)

マシュ(知ってます! だからタチ悪いんです!)


453: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 06:50:28.90 ID:HYxzvQ9X0

茨木「……ふむ。そろそろ出番だな」

マシュ「えっ」

茨木「おねえちゃーーーん! 怖いよー! 助けてー!」ビェェェンッ!

マシュ「えっ」

テロリストEX「……」

テロリストEX「動くんじゃねぇ! コイツがどうなってもいいのか!」グイッ

茨木「きゃあっ」

マシュ(きゃあ!?)ガビーンッ!

エリザ「えっ。茨木?」

テロリストEX「くくく……お前が何者なのかは知らんが、コイツと知り合いらしいな」

テロリストEX「指一本でも動かしてみろ! コイツの脳天に風穴を開けてストロー刺されたくなかったらな!」

茨木「お姉ちゃああああん……助けてぇぇぇ……お願い、動かないでえええ」グスグス

エリザ「……」

マシュ「……」

BB(……)

BB(こんなもの)

マシュ(これは……なんという……)


454: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 06:56:51.19 ID:HYxzvQ9X0

マシュ&BB(まともに取り合う価値のない三文芝居です)

マシュ(確かに大した演技力ですが、茨木さんのことをよく知っている私たちからしたら普通にバレバレです)

BB(というかお姉ちゃんって……お姉ちゃんって……ぷぷぷ)

BB(まあおそらく『他の関係のない誰かが人質になる前に自分が』とか考えた末の行動でしょうから間違ってはいませんが)

BB(それにしてもアレ……本当笑っちゃうくらい演技力が無駄に高ァ……あははっ!)

マシュ(笑っちゃダメですよ……)

BB(ま、解説する気も失せますが、茨木さんが普段絶対取らないような言動で動かないで、と言っているのなら)

BB(真意はまったくの逆。実際のところ『どんどん動け。躊躇うな』って言ってるも同義です)

BB(エリザさんもそこに気付くはず)

エリザ「え、えと……」アタフタ

マシュ「……」

マシュ(あ、あれ? 気付いてないような?)

BB(は? そんなバカな。流石に彼女も気付くはず……?)

エリザ「あ、あの。あわわ……どうしよう。どうしたらいいのかしら」オロオロ

マシュ「……!?」

BB(気付いてねぇーーーッ!)ガビーンッ!

マシュ(そういえば彼女、おふざけがあんまり通じない人でしたーーーッ!)


460: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 17:04:54.60 ID:HYxzvQ9X0

茨木「うええええん、お姉ちゃああああ……あ、あれ?」

茨木「あ、あの……やっぱりちょっとは動いてもいいかなーって……?」アタフタ

マシュ(茨木さんも予想外すぎて素に戻りかけてる!)

エリザ「この卑怯者! 大体、こんなことをして何が目的よ!」

テロリストい「我々の目的は――」

エリザ「うおりゃああああああッ!」ブンッ

テロリストい「ぎゃあああああああ! ふ、太ももがーーーッ!」ブシュウウウ!

エリザ「……あなたたちの主張はよくわかったわ。やっぱり生粋のクソ野郎どもじゃない」ギリィッ

マシュ(まだ一ッ言たりとも喋ってませんでしたが!?)ガビーンッ!

BB(そして卑怯者と罵ってる割には普通に動いてるんですよね。これ茨木さんを抱き込んでるヤツ以外は普通に攻撃するノリですよ)

テロリストEX「な、なんだコイツは!?」ガーンッ!

マシュ(私が聞きたいくらいです……!)


461: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 17:21:00.18 ID:HYxzvQ9X0

エリザ「茨木! 何をしているの! 目を覚ましなさい!」

エリザ「あなたなら一瞬でそこのクソ野郎を灰にできるでしょう!?」

エリザ「ていうか狂スロットが扱ってない限りは頭蓋骨で銃弾を弾けるじゃないアンタ!」

エリザ「ほーら! がんばれ! がんばれ! 負けるな! 応援ソング唄うから!」フレーフレー!

茨木「たかが人間がそんなことするかァッ!」ガァ!

エリザ「何言ってんの人間じゃないでしょアンタ!」

テロリストEX「ん? ん? ええ……?」

BB(まずいですね。段々と演技が剥がれてバレかけてますよ)

マシュ「ちょ、エリザさんそこまでに……!」バッ

BB(あ、ダメ! この緊迫状況でそんな迂闊に動いたら――!)


バァンッ!


エリザ「……」

茨木「……あ?」

茨木(銃声……? 吾の後ろから?)

茨木(いや……それよりなんだ、エリザのあの顔は。感情がゴッソリ抜け落ちたような……)

茨木(……)

茨木「魔酒?」


462: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 17:34:52.55 ID:HYxzvQ9X0

テロリストろ「動くな、と言ったはずだ。ほら友達の片方がこんなふうに死んじゃうから」

茨木「……」

茨木(ああ、そうか。拘束されている間、吾と喋っていたものな。これで関係がバレない方がおかしい、か)

エリザ「……」

エリザ「茨木。もういいわ。おふざけはおしまい」

茨木「あいわかった」

茨木「……そもそも人命を念頭において行動するなど七面倒くさかったのだ」

テロリストEX「何を言って……」



ボォゥッ!



テロリストEX「え、あ、なに……景色が歪んで……」

茨木「おーおー。よく燃えよるわ。完璧に火だるまになっておる」

エリザ「じゃ、これを復讐の狼煙として始めましょうか」

テロリストEX「……あ、ひ、い、ぎ、あぎゃあああああああああ!?」ボオオオオオ!

エリザ「……マシュが傷つくの、結構トラウマものなのよ。特にあの終局特異点を経てからはね」

エリザ「あなたたちは私の逆鱗に触れた」

茨木「食う価値もない。死ね」

テロリストは「な、な、な……!?」ガタガタ

テロリストは(バカな……俺たちは夢でも見ているのか……?)

テロリストは(人の四肢が簡単に切り落とされたり、人体がキャンプファイアーみたいに燃えあがったり……!?)


463: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 17:38:56.72 ID:HYxzvQ9X0

マシュ(……頭が、グラグラします)

BB(まー。ギリギリのところで致命傷を逸らしたとはいえ、銃弾が頭のすぐ傍を通れば脳震盪くらい起こしますって)

BB(私に感謝してくださいよ。監視カメラのお陰で視野角が広がってた私が、直前で肉体の主導権を奪った結果ですので)

BB(肩から大袈裟に血が出てますが、この程度なら問題ありませんし)

マシュ(……ん? 熱い、んですけど。何か起こってます?)

BB(……)

BB(いえ? 不自然なことは何も?)


464: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 17:52:39.46 ID:HYxzvQ9X0

テロリストろ「ああああああ! あああ、あああああ!」ガクガク

エリザ「黙らせたかったから下顎を取ってあげたのだけど……ふふっ。いい表情で泣くわねぇ」

エリザ「じゃ、特別扱いはこれでお終い。あとは足を刈るからゆっくり死んでね?」ザシュッ

茨木「……お前はいい。お前もいい」クンクン

娘「あ、あ、あ……!?」ガタガタ

おばちゃん「お、お願い! この子だけは……この子だけは……!」ガタガタ

茨木「お前もお前も違う。だからいい」

サラリーマン的な男「や、やめてくれ……頼む、殺さないで……!」ガタガタ

茨木「あ、お前はダメだ」ガッ

サラリーマン的な男「ひ、い、やめっ……やめろ! 離せ!」

茨木「誤魔化せると思ったか? 火薬臭いぞ。しかも、ほら。人質を縛るロープを自前で解けるように刃物も渡されてるな?」

茨木「つまり死ね」ゴオッ!

サラリーマン的な男「ひ、あ、熱……ああああああああああああああ!」ボォォォォ!



マシュ(……凄い熱いです……)モゾッ

テロリストは「はっ……!?」

テロリストは(あ、あの子……死んでない? 生きてる?)

テロリストは(よ、よかった! これで俺たちが裁かれる理由はなくなる! 早く教えてあげないと)ダッ

エリザ「……」

エリザ「近づくな」

テロリストは(死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないィィィ……!)

エリザ「マシュに近づくなっつってんのよ、下郎」


465: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 18:15:49.77 ID:HYxzvQ9X0

グサァッ! ビシャッ


マシュ(……なにか温かいものが顔にかかったような……)

マシュ(ん。やっと周りが見えてきました)

マシュ「……エリザ、さん……?」

エリザ「あ。マシュー! よかったー! ねえ、血がいっぱい出てるわよ! 大丈夫!?」

エリザ「ううん、大丈夫なわけないわよね! 痛いわよね! ごめんなさい、私が茨木の演技を見抜けなかったから」エグエグ

マシュ「え、そ、そんな……私の方こそ、うっかり動いてしまって……」

マシュ「……」

マシュ「……!?」

エリザ「もう大丈夫よ。マシュ。あなたを傷つける人間は、今から全部いなくしてあげるから」

エリザ「私たちが処理するから。ね?」

マシュ「な……な……!?」

マシュ(人が焼け焦げたもの。人が千切れたもの。人が、人が、人が……)

マシュ(血だらけで、灰だらけ。見渡す限り地獄のような惨劇しか見えない)

マシュ(人質は全員無事。でも、みんなエリザさんや茨木さんのことを心底怯え切った目で見ている)

マシュ(……人質の中に紛れ込んだテログループの人を、狩ったんだ……! 酷い方法で!)


466: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 18:28:29.32 ID:HYxzvQ9X0

マシュ「なんで、こんな酷いことを……!」

エリザ「……」

エリザ「なんで? マシュに酷いことしたからよ? 当然じゃない?」

マシュ「当然じゃないです! やられたからやり返すなんていうのは子供の理屈です! 明らかに、これは……!」

エリザ「別にいいじゃない。あれ確実に世界にいらない類の人種だし」

マシュ「それを決めることができる人間なんていません! エリザさん!」

エリザ「……本気で言ってる?」

マシュ「え?」

エリザ「ねえ。忘れたの? この世界を救ったのは私たち。主にあなたとマスターよ?」

エリザ「なら、この現代の人間の命は全部あなたたちのものだとは思わない?」

マシュ「……」

マシュ「何を、言って……!」

エリザ「人の命は同じ重さを持っている、って点に関しては納得してあげてもいいわ」

エリザ「でも人の命の価値には明確に差があるの。私にとっては、私とマスターとマシュの命が一番重いわ」

マシュ「――!」

エリザ「だから、剪定するの。私の大事なあなたちを守るため。ガーデニングでも害虫駆除は基本でしょ?」ニコニコ


467: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/29(金) 18:40:25.90 ID:HYxzvQ9X0

マシュ「……ダメ、です。そんなの……やめて……お願い、止まってください……!」

マシュ「私は、大事な友人のあなたたちに、こんなことしてほしくないんです!」

エリザ「あ、そう? ごめんなさい。でもやめないわ」

エリザ「だってあなた、最初から私がこういう英霊だって知ってたでしょ?」

エリザ「それでも仲良くなってくれたんでしょ?」

マシュ「……」

エリザ「どれだけヤンチャしても、怒ったあとは仲直りできる。そういうあなただから私は悪を成せるの」

エリザ「……ていうかむしろマシュの方が私たちの友情を舐めてるわね」

エリザ「こんな軽めの拷問程度で収まる怒りじゃないのよ。だって、本当にあなたが大事なんだもの」

マシュ「……!」

エリザ「さ。続けましょう! 出てきなさいよ! まだ遠くまで行ってないことはわかってる!」

エリザ「全員を一人ずつ一人ずつ炙り出して、絶対的な苦痛を与えてやるわ!」

エリザ「私たちの怒りを思い知れ。私たちを舐めたことを後悔しなさい。私たちのことを未来永劫忘れるな!」

エリザ「私は……私は……!」






ぐだ男「……令呪を持って我がサーヴァントに命ず」

エリザ「え?」

ぐだ男「落ち着け、エリザベート・バートリー」キィンッ!

エリザ「……ッ!」

マシュ「せ……!」

BB(……センパイ)


474: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 08:55:55.16 ID:O+xFKZqK0

エリザ「……子イヌ。なんでここに」

ぐだ男「まー。来るだろ。来ないと思ってたお前の神経にビックリ仰天だ」

ぐだ男「……随分と派手にやったなバケモン。可愛くっても所詮は血に飢える殺人鬼か?」

エリザ「……」

ぐだ男「茨木。お前もだ。わざわざ見た目が酷くなるような処理しやがって」

茨木「不満か?」

ぐだ男「当然だろ。というか聞くまでもないことだ」

ぐだ男「で。BB。俺がもうちょっと早くここに辿り着いていれば、この惨劇ももうちょっとマシになってたと思うが……」

ぐだ男「……やっぱりコレだな。お前が俺に見せたかったものって」

マシュBB「おや。おやおやおや。何故そう思うんです? なにか根拠でも?」ニヤニヤ

ぐだ男「ついさっきここに来たエリザは置いといて、だ」

ぐだ男「ずっとお前と一緒にいたはずの茨木が、俺がここに来た瞬間に意外そうな顔をした」

ぐだ男「つまり、お前は俺に対して人質の状況を事細かに報告してたのに対して、茨木に対しては全然情報を渡してなかったということだ」

ぐだ男「確かに正規品の銃がこんな形で流れたのは予想外だったんだろうが」

ぐだ男「……途中からそれを利用した悪だくみをし始めたんだろ?」

マシュBB「すべて推測ですよぉ」ニヤニヤ

ぐだ男「ニヤニヤ笑いを浮かべながらの台詞だとは思えないな」

ぐだ男「……まあ流石にマシュは俺がここに来ることは知ってただろうけどさ」

ぐだ男「なあマシュ、それとなくはぐらかされてたからわかんなかっただろ? 茨木の方に情報が流れてないことに気づきもしなかった」

マシュ「……あ、ああっ! そういえば!」

マシュ「BBさんと当たりまえみたいに喋っていたから、茨木さんも当然聞こえているものだと思っていましたが……」

マシュ「聞こえるわけありません! だって意思疎通はすべて脳内で行ってたんですから!」

マシュBB「ああっれー。そういえば茨木さんに情報行ってませんでしたねー」ニヤニヤ

マシュBB「いやー。うっかりうっかり。そういえば口にしてませんでしたね。実はセンパイ、私が呼んだんですよ」ニヤニヤ

茨木「この女……」


475: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 09:07:43.86 ID:O+xFKZqK0

エリザ「目的は何? 私たちの醜態を子イヌに見せること?」

マシュBB「……」

マシュBB「超ビックリ! 頭の悪いエリザさんの回答がなんと大正解!」

マシュBB「あははっ! 最初は完全に善意だったんですけど、なんか無警戒で前のめりすぎるセンパイを見てる内にイライラしてきちゃって!」

マシュBB「なので上手い感じに立ち回りました。彼の夢を覚ますために」

エリザ「……なに? コイツが私たちにどんな夢見てたっていうの?」

マシュBB「信用できる。信頼できる。自分の言うことをわかってくれる。きっと相互理解できる、みたいな」

マシュBB「そういう甘っちょろい願望全部ぶち壊そうと思ったんですよ」

マシュBB「だぁってー。本当に彼、このままじゃいつか死んでしまいますもの? この程度の気遣いは普通にしますってぇー!」ニヤニヤ

エリザ「なるほど。あなたのやりたいことはわかったわ。地獄に堕ちなさい」

マシュBB「私は死にましぇぇーーーんっ! みんなのことを! 愛しているからーーー!」ビェェェン!

マシュBB「……で? で? センパイ、どうです? この惨状!」

マシュBB「みぃーんな、あなたの大好きなサーヴァントたちがやったことですよ! キチンと目を逸らさず受け止めてくださいよぉ」

マシュBB「吐き気がするでしょ? 怖いでしょ? それが普通なので別に全然かまわないのですが!」ニヤニヤ

マシュBB「ああ、そうそう。もしもカルデアを辞めたくなったら私にご相談を! 後腐れなくカルデアから除籍させてあげますので――」

ぐだ男「まずは口を閉じろ。マシュの顔でBBの表情をされると本当に気持ち悪い」

ぐだ男「……何度も言わせないでくれ」

マシュBB「……ふふふ」


476: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 09:13:53.40 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男「お前の大迷惑な企みはよぉーっくわかった」

ぐだ男「……そうか。なるほど。確かにこれは目を逸らしたくなるレベルだな」

ぐだ男「俺の方にこの刃が向けられる可能性も、まあ確かにあるだろうさ」

ぐだ男「……」

ぐだ男「まあまだ先だろうけど」

マシュBB「……え」

ぐだ男「気付いてないのか? どちらかというと、ハメられたのはお前の方だぞ」

ぐだ男「勝ったつもりになってペラペラ喋りやがって。油断しすぎだギーク」

エリザ「……ぷぷぷー! ああ、なるほど。ハメる側になると面白いわね、本当!」

マシュBB「えっ。えっ?」

茨木「なあ。BB。気付いてなかったのか?」






茨木「吾ら、誰も殺してないぞ。まだ誰も」

マシュBB「……」

マシュBB「なんだってぇーーー!?」ガビーンッ!


477: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 09:21:57.92 ID:O+xFKZqK0

マシュBB「ば、バカな……いや、えっ!? 待って! 死んでない!?」

マシュBB「最初に茨木さんが火だるまにしたヤツは」

茨木「燃えたのは表面だけだぞ。すぐ病院に担ぎ込めば助かる」

マシュBB「エリザさんが散々バラバラにしたヤツは!?」

エリザ「ん? まだ死なないわよ。残り数十年の命を一生病院のベッドの上で過ごすことにはなるだろうけど」

マシュBB「その他もろもろ! まさか、全員!? いやいや一人くらいは――!」

ぐだ男「何度も言わせるなBB。誰も死んでない。なんなら今からお前が確認しろ」

ぐだ男「確かにエリザのキレっぷりは本物だったし、このまま行けば本当に死んでたかもしれんが……」

ぐだ男「決定的に脳天を叩き潰されたり、心臓をエグられたヤツが一人もいない」

ぐだ男「全部手遅れだと思って自分の企みを駄々流しにしたお前だけが、この空間で唯一のバカだ」

マシュBB「」

ぐだ男「……まあお前の一番の敗因は……」

ぐだ男(俺の遅れを五分ちょっとくらいに設定したことだろうな)

ぐだ男(本当ならもっと遅れさせることもできただろう)

ぐだ男(だがそれはできなかった。コイツ自身の『遅れさせると被害が広がり過ぎるかも』という良心が邪魔したから)

ぐだ男(……意地悪なくせに不必要に優しいところが最悪の欠点で、お前の最高なところだよ)

ぐだ男「……修正されたら困るから言わないけど」

マシュBB「そ、そんなぁーーー!」ガビーンッ!


478: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 09:30:53.83 ID:O+xFKZqK0

マシュBB「……バカ、な……エリザさん、茨木さん……!」

マシュBB「なんで口を挟まなかったんですか? もっと早い段階で『誰も殺してない』とセンパイに弁明していれば……!」

茨木「自分がここまで醜態を晒すこともなかった、か?」

エリザ「さっき茨木のやったことの焼き直しだったから、二度目は間違えないわよ」

マシュBB「え?」

エリザ「信頼できる誰かが普段は絶対に言わないことを言ったときは、演技してるんでしょ?」

茨木「マスターはエリザのことを『バケモン』と呼んだ。どんな状況に陥ろうが、マスターはこんなことは言わないのだ」

エリザ「まー。事実ではあるんだけど、結構心が抉られる一言だから」

エリザ「……優しいマスターがこんなことを言うのなら、何かあると思って黙ってるわよ。私も」

ぐだ男「状況が状況だったとは言え、ごめんな」

エリザ「いいのよ。だってあなたは私のことを信じてくれるんでしょう?」

エリザ「……それなりに応えて当然じゃない」

マシュBB「……ば、か、な……!?」ガタガタ


479: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 09:51:04.04 ID:O+xFKZqK0

マシュ(……BBさん。何故こんなマネを。一歩間違えたら本当に死人が出てたんですよ?)

BB(それは……それは……!)

BB(……)

マシュ(まさか、さっきまで言ってたこと、本気で言ってたんですか?)

マシュ(先輩は故郷に残った方がいいって)

BB(当然じゃないですか! エリザさんもジャックさんも茨木さんも、デオンさんですら!)

BB(センパイから奪うことしかしてなかったんですよ! 彼の安全を思えば引きはがした方がいいに決まっているでしょう!)

マシュ(そんなものは単なる善意の押し付けです!)

BB(願望を押し付けているあなたと何が違うんですかッ!)

マシュ(それは……!)

BB(……失礼。あまりにも感情的になりすぎました)

BB(ちっ。人間に絆されましたか)

BB(また私は……人間に……!)


480: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 10:06:29.79 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男「……なあBB。俺はお前のことも信じてるぞ」

マシュBB「……!」

ぐだ男「ただ、善意から生まれた行動だったとしても迷惑なら突っぱねるし」

ぐだ男「悪意から生まれた行動だったとしても有用なら乗っかるだけだ」

ぐだ男「……お前自身の人格に関しては修正させる気も起こらない」

マシュBB「……」

ぐだ男「ただ誰かを犠牲にして俺を助ける計画ならやめてくれ」

ぐだ男「どうしても必要になったと感じたとしても事前に俺に相談してくれ」

マシュBB「許容できませんか? いつか絶対にそういう状況に陥るとしても?」

ぐだ男「……『誰かを犠牲にして助かる計画』は、一度やったらクセになりそうで怖いんだよ」

ぐだ男「クセになって、繰り返して、その先に待ち受けているものは多分……」

ぐだ男「……お前自身が滅ぶ未来だ」

マシュBB「傲慢ですね。あなたのために私が身を捧げることなんてありませんよ」

ぐだ男「本当に?」

マシュBB「……いえ、絶対とは言えませんが……!」

マシュBB「……くだらない。未来の予測なんてものを不自由な人間が語らないでください」

マシュBB「もうこの舞台に意味はなくなりました。私も本気で協力しますので、全部制圧しきっちゃいましょう」

ぐだ男「おう」

BB(確かにセンパイは、あのセンパイに似ています。多少はね)

BB(だからと言って、私があなたのために身を捧げるなんてことがあるわけが……)

BB(……)

BB(……マシュさん? もしかして笑ってます?)

マシュ(……ずっとあなたのことを、何を考えているのかわからない変な人だと思っていましたが)

マシュ(そこまで変な人じゃありませんでした。実はずっと理解できる人なのかも)

BB(……ふん)


481: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 10:15:15.38 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男「と、言っても、すぐに制圧できると思うぞ」

ぐだ男「ちょっと待ってろ」グイグイ


ベシャッ


トルフォ「」チーン

マシュ「何故か血塗れのアストルフォさんが出てきたーーーッ!?」ガビーンッ!

BB(あ、いやこれケチャップですね。さっきセンパイが食堂から持ってきた)

ぐだ男「流石に自分の身を犠牲にする狂信的テロリストがそんな数集まるとは思えない」

ぐだ男「何人かは裏金目的の打算的な連中だろう」

ぐだ男「と、いうわけで……エリザ。この通りに叫んでくれ」ゴニョゴニョゴニョ

エリザ「ん? んん……」

エリザ「あー! あー! 薄汚いテログループのみんなー! この通り、あなたたちの目的だった政治家は既に死んでいるわー!」

エリザ「これから先、何をどうしようが絶対に、あなたたちの要求は通らないってこと!」

エリザ「もう意地を張る理由もなくなったでしょう! 私たちは逃げる連中を相手にするほど暇じゃないし……」

エリザ「さっき『なんかの事故で空いた穴』が北の方にあるから、そこから通って逃げていく分には何もしないわー!」

エリザ「……あと、三十秒くらいで蹂躙を再開するから、死にたいのなら残ってもいいけど?」

コソコソッ

エリザ「……あ。本当。気配がいくつか消えていったわね」

茨木「まあ逃げる道中で、キレた狂信者タイプの人間が仲間割れを引き起こすであろうが……」

茨木「流石にそれを止める義理はあるまい? 吾らが守るのはマスターの理念のみ」

ぐだ男「うん。流石にそこまでは強要しないよ」

ぐだ男「じゃ、やるか。魔術はできるだけ無しな」

エリザ「りょうかーい」

茨木「あー。不満だ。吾の出番が少なかったぞ、結局」

BB(……)


485: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:04:12.36 ID:O+xFKZqK0

二時間後

マシュBB「制圧、完全終了。もはやあらゆる敵勢力は撃退されたか放逐できたと考えていいでしょう」

マシュBB「エクストラミッションクリア。お疲れ様でした」

エリザ「ふあーあ……あー、眠い。疲れちゃったー」

茨木「まあ朝っぱらからこんなことやっていれば、さもありなんと言ったところか」

ジャック「結局、死人は誰も出なかったね」

ぐだ男「……」

ぐだ男「ん? 何か忘れてるような?」



ドカァァァァンッ!



デオン「私だ! 私のことを忘れないでくれ!」

ぐだ男「あ! デオン! やっと瓦礫から脱出できたのか!」

デオン「ああ! 本当に! 本当に苦労したけどね!」

デオン「『あ、この崩壊の仕方だと下手を打てばさらに下に落ちるなー』って思いながら命懸けのパズルゲーさ!」

マシュBB「デオンさん、もう全部終わっちゃいましたよ。無駄な努力ご苦労さま――」

デオン「死ねええええええええッッ!」ブンッ

ガシッ

ジャック「ストップストップー。はいどうどうー」

デオン「離せー! 離せー! もうコイツは絶対に生かしておけない! ぶった斬ってやるぅーーー!」ビエエエン!

エリザ「コイツ斬ったところで本体はノーダメージだし、マシュが傷つくだけよ!」

デオン「うわああああああ……!」エグエグ

ぐだ男「あー……やっぱり一日たりとも平和な休日なんてなかったなー……」


486: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:09:04.11 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男「じゃ、後のことはアストルフォとBBに任せて……」

ぐだ男「俺たちはさっさと逃げるぞ」

デオン「BBはともかくとして、アストルフォが何かの役に立つのか?」

ぐだ男「信じられないかもしれないがヤツはいまや政治家だ。手柄は全部アイツのものになる手筈になってる」

マシュBB「人質のみなさんの目撃証言はすべて心神耗弱による妄言として処理されます。魔術の秘匿はキッチリと」

エリザ「そんなガバガバな情報処理で大丈夫なの?」

マシュBB「まー、なんとかしますよ。ていうかアストルフォさんの力が予想以上に大きくて、隠蔽作業は想定以上に楽になるかと」

ぐだ男「アイツ、俺たちより危険だぞ。権力持ったアホの子って」

デオン「……深く考えるのはよそう」

ジャック「そだね」


487: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:17:54.75 ID:O+xFKZqK0

デオン「そういえば、なんだが。私たちが倒したヤツらの中にはすぐにでも治療が必要なヤツが何人かいたはずだ」

デオン「そいつらはどうしたんだ? 放置?」

エリザ「比較的に無事な人質の人に頼んで外に運び出してもらったわ。随分と前にね」

ジャック「そんなことよりさー。飛行機が欠航だらけだけど、どうやって私たちカルデアに帰るの?」

マシュBB「……」

マシュBB「よし。飛行機盗みましょう。それで一気にカルデアまで帰りましょう」

エリザ「ええーーー!? イヤよそんなコソ泥みたいなマネー!」

ぐだ男「普通のコソ泥は飛行機盗んだりしねーよ。後でちゃんと返す計画もキッチリ立てとけよ、BB」

マシュBB「それはもちろん!」

ぐだ男「……」

ぐだ男「いや。もう、いいや。BB。頼みがある」

マシュBB「ん?」







ぐだ男「俺もその飛行機に乗せて行ってくれ」

マシュ「……え」

ぐだ男「ちょうどいいや。この際、一緒に帰ろう」

マシュ「……」

マシュBB「いいんですか? あと一日、休みが残ってますけど」

ぐだ男「いい。もう充分楽しんださ」

デオン「……マスター……」


488: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:25:40.62 ID:O+xFKZqK0

トルフォ「帰っちゃうの?」ドロォッ!

ぐだ男「おぎゃ!?」ガビーンッ!

トルフォ「残念だなー。キミとはもうちょっと話したかったんだけど」

デオン「……何故コイツはケチャップ塗れなんだ?」

ぐだ男「色々と事情があって……ていうかもう拭いてもいいんだよ! ビックリするわ!」

トルフォ「あのさー。本当に手柄は全部ボクが貰っちゃっていいの?」

トルフォ「魔術の秘匿的な問題で、まあ確かにサーヴァントのことに関しては隠さないとだけど」

トルフォ「せめてキミだけは代表として勲章くらいは受け取っておくべきじゃない?」

ぐだ男「……俺たちは正義の味方じゃない」

ぐだ男「いやまあ、正義の味方そのものとか、正義の味方志望とかは俺たちの仲間にはいるけどさ」

ぐだ男「俺たちは人理の礎、カルデアだ。人類史を守ることが使命であって、人類のゴタゴタに関わるのは専門外なんだよ」

ぐだ男「だから別にいいんだ」

トルフォ「ふぅん。そっか……」

トルフォ「……楽しかったよ、カルデアのマスター。キミのことは忘れない」

ぐだ男「うん」


489: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:36:19.49 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男「じゃ、BB。帰るぞ」

マシュ「本当にこれでいいのですか、マスター」

マシュ「せっかくの故郷への帰還だったのに。そのほとんどの時間を私たちのために潰してしまっていたのに」

ぐだ男「……」ワッシワッシ

マシュ「わ! 頭を急に撫でないでください! わ、わ……!」

ぐだ男「いいんだよ。カルデアだって俺の故郷だ」

ぐだ男「……っと、そうだ。アストルフォ、最後の頼みなんだが」

ポイッ

ぐだ男「それ、俺のお母さんに返しておいてくれ。住所はまあ、後でBBに電話させて教えるからさ」

トルフォ「はいはーい」

マシュ(……カルデアも故郷、か)

BB(嬉しいです? 彼の過去を上書きして)

BB(第一の故郷を蔑ろにさせて)

マシュ(……BBさん。私たちはもっとポジティブに物事を考えてもいいと思うのです)

マシュ(自分たちよりもっと大切なものがあるはずだ。そっちを優先させた方がきっと彼のためになる)

マシュ(そう考えるのはわかります。でも私たちだって、彼のことを大事に思って、思われて……)

マシュ(……きっとそれでいいんです)

BB(……まだ全部を納得できたわけではありませんが)

BB(もっとポジティブに、ですか)

BB(……そうですね。きっと、多少はズルくなってもいいでしょう)

BB(あなたも、私も)


490: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:40:49.82 ID:O+xFKZqK0

トルフォ「……ふー。行っちゃった。もうちょっと強欲でも合格ラインを突破してたのは変わらなかったのにさー」

トルフォ「よし。国に帰ったらあの裏金を右から左に動かして、こっそりカルデアを支援しよう!」

トルフォ「こういうときのために用意した裏金だしねー! ふんふーん!」


裏金は普通に実在してた。
そしてこの裏金のお陰で資金不足は多少改善された。めでたしめでたし


491: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:49:07.45 ID:O+xFKZqK0

マシュBB「どうせ盗むんならデカい飛行機の方がいいでしょう! というわけで、これ一機全部貸し切りますよ!」

ぐだ男「ジャンボすぎる!」ガビーンッ!

ジャック「ビジネス! ビジネス席座っても大丈夫!?」キラキラキラ

エリザ「きゃっほーーーう! 一番乗りよー!」

デオン「……」ソワソワ

茨木「別に一緒になってはしゃいでも構わんと思うが。どうせこの場にいるヤツらは汝の本性知っておるしな?」

デオン「む、むう……! しかし……」

ぐだ男「行こう。デオン」

デオン「……」

デオン「ああ! そうだな! 後でマリー様には言わないでくれよ!」

デオン「無駄に席を倒して思いっきり寝転ぶぞーーー!」ダッ

マシュBB「それでは、全員が乗り込み次第すぐにでも出発しますよー! 時間ないですしー!」


492: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 15:56:46.76 ID:O+xFKZqK0

マシュBB「……自動操縦装置をハッキング。その他、管制システムの方も乗っ取り成功」

マシュBB「行けます。それでは、快適な空の旅をお楽しみください」

ジャック「……CAとかがいないから食べ物の調達は全部自分たちでやんないと、だね」

エリザ「ビジネス席に座っても従業員がいないのなら寒々しいわね……」

デオン「席の間隔! 席の間隔が広いぞ! 凄い席を倒せる!」キラキラキラ

茨木「デオンを見習え二人とも。涙が出てきそうなレベルの喜びようだぞ」

ぐだ男「……」

ぐだ男(……次に帰れるのはいつになるかな)

ぐだ男(ま、いつでもいいか。故郷が二つあるっていうのはきっと、幸せなことだしな)




キィィィィン……!


493: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 16:01:15.97 ID:O+xFKZqK0

ザザッ……ザザザザッ……!



ぐだ男「……んん……ハッ! 夢か!」

ぐだ男「……ん? どんな夢見てたっけな。なんか南国風で黄色い服着た褐色の女の子が出てきたような気がするけど……」

ぐだ男「静かだなー。みんなこの飛行機のあっちゃこっちゃをまだ探索してんのかなー」

ぐだ男「……BBはコクピットかな?」スクッ


スタスタスタ


494: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 16:11:44.74 ID:O+xFKZqK0

コクピット

マシュBB「……特に異常はなし、と」

マシュBB「時差含めた計算をすると、向こうに着くときには昼でしょうか」

マシュBB「時差ボケ緩和のために寝ておくべきでしょうか」


ガチャリンコ


ぐだ男「……よう。ここにいたか」

マシュBB「あ、センパイ。どうかしましたか?」

ぐだ男「いや、特に何か用があるってわけじゃないんだが……」

ぐだ男「……」

マシュBB「……」

ぐだ男「俺は幸せだぞ。マシュや、アイツらと一緒に人理を修復できて」

マシュBB「なんだ。釘を刺しにきたんですか。わざわざご苦労さまです」

ぐだ男「茶化すなって」

BB(余計なことをするなって言われるのかな。まあ慣れっこですけど)

BB(……ぶっちゃけわかってましたしね)

ぐだ男「ありがとな」

マシュBB「?」

ぐだ男「この旅行の全部、楽しかったよ。お前のお陰でさ」

ぐだ男「まあアレだ。俺の幸せの中にはさ。マシュやアイツらと人理を修復できた分ももちろんあるが」

ぐだ男「お前と出会えたことも含まれてるってことだ」

マシュBB「――!」

ぐだ男「そこら辺忘れるなよ。お前がどれだけ意地悪かは知っているが、それでもさ……」

ぐだ男「感謝はしてる。心の底からな」

マシュBB「……」


495: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 16:26:11.55 ID:O+xFKZqK0

マシュBB「……カルデアも故郷、と言いましたね?」

ぐだ男「おう」

マシュBB「……いいんですか、それで。あそこには意地悪で小悪魔な私もいるんですよ」

マシュBB「訂正なんて認めませんよ。私、調子に乗っちゃいますよ?」

ぐだ男「あんまり調子に乗られるのは困るが……」

ぐだ男「あそこが俺の故郷って言葉を訂正する気はないよ」

ぐだ男「お前も俺の大事な仲間だ。BB」

マシュBB「ふ、ふふ……ふふふふふふ……!」

マシュBB「……あ、ダメ。ちょっと……笑いすぎて涙が……」

マシュBB「ふふふふふ……!」

マシュBB「……う、う……っ!」

ぐだ男「……」

ぐだ男(単純な話だったんじゃないのか)

ぐだ男(コイツは俺に死なれたり、俺に捨てられたりするのが怖かったんじゃないか)

ぐだ男(いや……あるいは、俺が俺のサーヴァントたちに愛想をつかす瞬間を見たくなかったんじゃないか)

ぐだ男(だからそうなる前に自分から捨てられてしまえばいいって考えたんじゃないのか)

ぐだ男(嫌われる前に嫌われてしまおう、みたいな心理自体はありがちだ。誰にだってある)

ぐだ男(殺される前に自分で死を選ぶ人間のように、理由がすべて自分にあるのなら、まだ納得できるから)

ぐだ男(納得できる事柄である限りは、自分を慰めることは容易だから)


496: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 16:38:41.79 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男(……コイツの好きな人っていうのが俺だったらよかったのになぁ)

ぐだ男(それなら迷わずに抱き寄せて、もっと強引に大丈夫だって言えたのに)

ぐだ男(……ない物ねだりだな。俺はもうこれ以上は何もできん)

ぐだ男「……外出てる。笑い終わったら呼べよ、BB」

マシュBB「待って」

ぐだ男「……?」

マシュBB「……その……」


ギュッ


マシュBB「……服の裾を掴むくらいなら、構わないですよね?」

ぐだ男「好きにしろ。そのくらいならお安い御用だ」

マシュBB「もうちょっと傍にいてください。この程度なら……まだ私たちはただの友人ですから」

ぐだ男「そうだな。俺じゃどうあってもお前の特別になれん」

マシュBB「……それでも好きですよ。私の一番好きな人の次に。ある程度は、ね」

ぐだ男(あー、くそ。何が悲しくて『他に好きな人がいますので宣言』を間近で聞かなければならないんだ)

BB(……ちょっと元気出てきました。センパイのその複雑そうな、不器用な対応を見てると本当に……)

マシュ(愛しいですか?)

BB(……)

BB(まさか、ですよ)


497: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 16:39:50.87 ID:O+xFKZqK0

休憩します!


498: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:08:37.07 ID:O+xFKZqK0

数時間後 カルデア

BB「さぁて。後は……」

BB「……巌窟王さん、どうやって呼び戻そう」

イシュタル「未だに脱出の糸口が見つからないものね」

ナーサリー「ただ誰一人として未だに欠けていないのは凄いと思うのだわ。そこら辺だけは褒めていいと思うの」

BB「んんー? いや待って。外の世界の真実をやっとのこと見つけたみたいよ?」

イシュタル「あー? でもコレって……アレよね。ピカッと光って記憶をアレするアレ……」

BB「……っと。そろそろですね。席外しまーす!」

イシュタル「はいはーい! こっちはこっちで任せといてー!」


499: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:14:47.19 ID:O+xFKZqK0

同時刻 飛行機内

ぐだ男「カルデアの上空に辿り着いたのはいいが、滑走路なんてモンはあそこにはないぞ」

エリザ「どうやって降りる気? パラシュート?」

マシュBB「え? いや、どうって……決まってるじゃないですか」

マシュBB「普通に飛び降りますよ。生身で」

ぐだ男「え」

マシュBB「それじゃあ、ドアを開けまーす。気圧差で外にすべて吹っ飛ぶのでご注意くださーい!」

マシュBB「これにて、旅行は終了です! お疲れさまでした」ニカッ

ぐだ男「ま、待て。冗談だよな? 冗談だと言ってくれ」

デオン「マスター。大変言いにくいことだが、コイツは狂ったことこそ素面で言う」

ジャック「大体嘘は吐いてないよね。こういうとき」



ポチッ

ビュオオオオオオオッ!


ぐだ男「ぎゃああああああああ……」ヒューッ

茨木「魔酒は任せろ。エリザはマスターを」

エリザ「了解。任せなさい」バサッ

デオン「じゃ、私は一足先に落ちていくよ。後は任せた」


500: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:18:08.98 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男「あああああああ……あぐっ!」ガシッ

エリザ「大丈夫ー? このまま滑空してカルデアに降りていくわよー」

ぐだ男「……おお。ありがとうエリザ」

ぐだ男「……今日は晴れてるなー。珍しい」

エリザ「いつもはパッとしない曇り空か、さもなくば吹雪ですものね」

エリザ「綺麗だわ」

ぐだ男「ああ」

ぐだ男「……そういえばマシュは?」

エリザ「茨木がどうにかしてるわ。鬼種の魔って魔力放出みたいなことできるんでしょ?」

ぐだ男「マシュの身が心配だなぁ……」


501: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:34:02.25 ID:O+xFKZqK0

ぐだ男(こうして俺たちの奇妙で賑やかしい旅は終わった)

ぐだ男(BBの気遣いやらなにやらのせいで無駄に引っ掻き回されたことは事実だが、あんまり責める気にはなれない)

ぐだ男(実際にかなり楽しかったからだ)

ぐだ男「……あー……空を飛ぶって気持ちいいー……」

ぐだ男(さて。どうやって言い訳しようか。まあBBが怒られることは確定だが)

ぐだ男(……庇うとか、ある程度はこっちで泥を被るとか言ったしな。力は尽くそう)

ぐだ男(滑空している途中、空中で茨木に抱え上げられるマシュを見た)

ぐだ男「あれは……なんだ?」

エリザ「マシュの体が光ってるわね」

エリザ「なんか、大事なものが出て行ってるような……」

エリザ「……ああ、やっとマシュの体からBBが出て行ったのね」

ぐだ男「……なるほどな」

ぐだ男(お疲れ様。BB)


502: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:45:56.48 ID:O+xFKZqK0

マシュ「……ちょっと寂しい気もしますね」

茨木「まったく。今まで散々振り回されてきたであろう。その感想は人が好すぎるというものだ」

マシュ「ただ意地悪なだけな人じゃないと身に染みてわかりましたので」

茨木「酔狂よなあ」

茨木「ところで、門はどの方角に行けばいいのだ?」

マシュ「九時の方向。ただエリザさんと衝突しないように気を付けてください」

茨木「心得た」

茨木「……楽しかったぞ。魔酒」

マシュ「私もです」


503: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:51:28.62 ID:O+xFKZqK0

ゲート前

ジャック「あ。遅いよー、みんなー!」

デオン「私たちが速すぎただけだがな?」

ぐだ男「はー……戻ってきたな。カルデア。なんかもう懐かしい」

マシュ「ふふっ。そうですね。これだけ長くカルデアを離れたのは、もういつぶりでしょうか」

エリザ「ああ、レイシフトとかしてたものね。むかしも結構な頻度でカルデアから離れてたかしら」

茨木「さて。それじゃあ、元気よくぶちかますぞ?」

ぐだ男「おう! それじゃあ!」

ぐだ男「ジャック。そこのインターホンを鳴らしてくれ」

ジャック「はーい」ピンポーン


504: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:56:09.73 ID:O+xFKZqK0

ダヴィンチ「……さて。色々とヤンチャをしでかした件については、それなりに説教しようと思っていたのだけど」

ダヴィンチ「今日のところは見逃してあげようか。裏金……じゃなくて出所不明の献金が大量に入ってご機嫌だしね」

ダヴィンチ「はいはーい! 今ゲートを開けるよー!」


ポチリッ

バシュウウウウッ!


ぐだ男(俺たちは帰る)

ぐだ男(俺たちの故郷……カルデアへ)

ぐだ男(そして、ここから続けていくんだ)

ぐだ男(俺たちの旅は、まだ終わっていない……!)






現代悪童旅情 東京


旅行終了


505: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 18:59:50.01 ID:O+xFKZqK0

虚構殺人遊戯 才囚学園


巌窟王「……おい。最原。ライターかマッチは持っているか?」フー

最原「やめたんじゃなかったっけ? アンジーさんがマネするからって」

巌窟王「今は吸ってないとやっていられん」

最原「……悪いんだけど、持ってないよ……」

巌窟王「……そうか……」

才囚学園生徒一同「……」ズーン

巌窟王「……全員酷い顔をしているな」

最原「それはそうだよ。だって、外の世界が、あんな……」

最原「……」ズーン

巌窟王「……」

巌窟王「帰れないかもしれんな。俺は」ズーン


506: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 19:02:52.38 ID:O+xFKZqK0

カルデア

BB「ふいー。帰った帰った。私の人格もようやく一つに統合されましたし、本腰入れて巌窟王さんの脱出計画に取り掛かれますね!」

BB「みなさーん! BBちゃんが戻ってきましたよー!」キラキラキラ!

ナーサリー「……」ズーン

イシュタル「……」ズーン

BB「……え。なに? 粘菌でも生えそうなくらいジメッとした空気なんですけど……」

ナーサリー「残念。巌窟王の冒険は、ここで終わってしまったのだわ」

BB「は?」

イシュタル「あー……もうダメ。流石に女神にも限界あるっての……」ブツブツ

BB「え? え?」

BB「……あ、あれ? 巌窟王さんは?」

イシュタル&ナーサリー「もう戻ってこない」

BB「……」





BB「えっ」



NEXT


巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」


507: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 19:04:51.58 ID:O+xFKZqK0

これにて赤の章、現代悪童旅情『東京』は終了!

お疲れ様でしたー。HTML依頼出してきます


509: 爆死の人 ◆SxyAboWqdc 2017/09/30(土) 19:37:07.21 ID:O+xFKZqK0

ちなみにSS内に出してて私が持っていないサーヴァントは主にケツァル……某ルチャの女神と巌窟王です。
こっちも死ぬほど課金したんよ


511: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/30(土) 19:58:55.88 ID:fxxEzL2Y0



513: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/30(土) 21:14:46.04 ID:H8dxqygl0

???「待て、しかして希望せよ」


515: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/02(月) 12:12:15.11 ID:N9Av+c8oo

面白かった!おもしろかった!!





引用 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1504265913/



>
[ 2017/10/03 15:00 ] Fate/GO ss | TB(-) | CM(0)
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